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2012年6月11日 (月)

ビジターゲームの難しさ、同点でクローザーをいつ使うか?

Cdsc_0105昨日(10)と今日(11)のドラゴンズ対ファイターズ二連戦は二日間ともにファイターズファンにはもやもやした結果になった。敗戦処理。としては今日(11)の十一回裏に武田久がサヨナラ負けを喫した試合が特に引っかかる。

武田久が二試合続けてリリーフに失敗した形になるが、今日の試合は起用法に問題があったと思う。ホームゲームならまだしも、ビジターゲームの場合、クローザーをどのタイミングで使うかは監督、投手コーチにとって頭を悩ませるところであろうが、栗山英樹監督、吉井理人芝草宇宙両投手コーチも悩んだことだろう…。

(写真:球審に投手交代を告げるファイターズの栗山監督。今月8日のベイスターズ戦で撮影)



延長は十二回まで。ただし試合開始から3時間
30分を超えて新たな延長イニングに入らない。イニングと経過時間を頭に入れながら、両軍が手持ちの駒を使う延長戦。当然ながらホームチームとビジターチームは同じ条件ではなく、一般的にはホームチームが有利だ。

例えば同点で九回裏まで終わったとする。延長十二回まで考えられるケースでもホームチームは十回表にクローザーを投入しやすい。クローザーが十回表を抑えて裏に攻撃でサヨナラ勝ち出来ればベストだが、十回裏を終えて十一回に突入する場合、クローザーをすぱっと降板させて次に信頼できる投手を出せばいい。十二回に突入してもその次に信頼できる投手をつぎ込めばいい。仮に引き分けに終わっても、クローザーは労働量としてはいつもと同じ1イニングを投げただけになる。

だがビジターチームは割り切りが難しい。例えば同点で九回表まで終わったとする。延長十二回まで考えられるとする。同点の九回裏にクローザーを投入すれば九回裏を抑える確率は最も高いだろう。でもそれだけではだめで、その後十回表に勝ち越した場合、十回裏をそのクローザーに抑えてもらわなければならないから2イニング投げなければならないことになる。十回表に勝ち越せなっかった場合、さらに悲惨だ。

それならばあくまでクローザーは勝ち越した後の裏に投げさせるのが最善で、九回裏はクローザーの次に信頼できる投手で抑え、十回表に勝ち越せば十回裏にクローザー投入、十回表に勝ち越せなかった場合はその次に信頼できる投手を投入する。クローザーの投入はあくまで勝ち越すまで自重し、強いて言えば勝ち越せなかった十二回裏、または時間切れ前の最後の1イニング起用にとどめる。


これが一般的に合理的な起用法だ。もちろん相手の打順との相性など一概に言えない点はあるが、多くの球団でこの原則に則った投手起用がなされることが多い。簡単に言えば、ビジターのチームの場合は最後に守りきらなければ勝てないのでそこまでクローザーを出しにくいと言うことだ。


前置きが長くなったが、11日のドラゴンズ対ファイターズ。0対0のまま終盤戦に突入した。

ファイターズは七回表の攻撃で先発の多田野数人に代打を送った。多田野が先発すると判で押した様に六回で降板するのも謎なのだが、それは本エントリーの趣旨でないので割愛する。七回表に先制点を奪えなかったファイターズは七回裏に宮西尚生を使ってドラゴンズを無失点に抑えると、八回裏には森内壽春を投入して無失点。そして九回表一死満塁と絶好の先制チャンスを作ったが、八番の鶴岡慎也の代打、ターメル・スレッジが併殺打に倒れ、0対0のまま九回裏に突入。この回、投手の森内は九番に入っており、打順が回ってきていない。森内続投という選択肢もあったが、ファイターズは九回裏のマウンドにセットアッパーの増井浩俊を投入した。この時点で午後8時30分を回った当たり。3時間30分ルールを考えると、十二回までは行かず、最長十一回というペースか。

前掲の様な考え方の場合、武田久をなるべく勝ち越した裏に使いたいと考えると、宮西、森内の次に投げるのは増井しかいない。ただ最長3イニングを誰にどう割り振るかだ。敗戦処理。はてっきり増井最長2イニング、十一回は勝ちがなくなっても武田久と思った。だがファイターズは増井を森内の打順、九番にそのまま入れて鶴岡に変わる捕手の大野奨太を代打スレッジの後の八番に入れた。

ファイターズは9日に多田野を登録した際に、中嶋聡の登録を抹消したから捕手が鶴岡と大野しかいない。打撃に期待が薄い大野を十回表の先頭打者に当たる九番に入れて投手の増井を八番に入れて2イニング投げさせるという起用を出来なかったのだろう。十回表に大野に代打を出せない。大野が塁に出ても代走を出せない。それどころか負傷したら代わりの捕手がいない。大野を打順が最も遠い所に入れるのは苦肉の策だが妥当だろう。それならば七番の加藤政義を退けて七番に増井を入れて、八番大野、九番に中島卓也(金子誠はベンチ入りしているもののおそらく休養)という手はなかったのか、あるいは守備力は多少劣るが、実際に十回表の先頭打者になる岩舘学を三塁に入れてもいい。

増井の九回裏の投球内容がかなり冷や冷やものだったから、増井を2イニング投げさせても2イニング目にやられていたのではという意見が出てくると思うが、栗山監督は九番に増井を入れたということは初めから増井を1イニング限定と決めていたことになる。ちなみにこの試合にリリーフで出たファイターズの四投手はいずれも前日からの二連投だが、前10日の八回裏の1イニングを投げた増井は8球しか投げていない。九回裏に投げた武田久は24球も投げていた。

クローザーの仕事は原則として、リードした試合の最終回に登板し、その1イニングに全精力をつぎ込んでリードを保ってチームに勝ち星を導くことだ。当然のことだが、相手は同点、逆転を狙って全精力をつぎ込んでくる。9イニングの中で最も濃縮な1イニングを守りきることが仕事だ。それを前掲の様にホームゲームであれば例えば同点の十回表に「この1イニングだけ」抑えてくれと投げるのなら通常の登板に近いモチベーション、集中力を保った投球が出来るだろう。だが今日の様なケースでの武田久はチームに勝ち星を導くには2イニングを投げなければならず、そうなるかどうかは最初の1イニングを抑えた時点ではまだわからないのである。今日は勝ちがない、それでも負けるより引き分けの方がベターだからマウンドに上がるのだが、ただでさえいつもは投げない2イニング目に1イニングの時と同じ水準の投球を出来るかというと疑問符だ。今日の様な結果になっても敗戦処理。は武田久を責める気にはならない。

武田久がクローザーという仕事に誇りと強い責任感を持っているならば、前の日に自分の仕事が出来ず、最終回に1点のリードを保てなかった状況で今日は自ら志願して同点の状況で2イニング覚悟でマウンドに上がったのかもしれない。むしろその意気込みを持って欲しいくらいだが、ベンチワークとしては9イニングの中で最も濃縮な1イニングを守りきることが仕事”の人を温存して同点の十回裏には敢えて武田久でなく、谷元圭介乾真大、二人つぎ込んででも1イニングを託して欲しかった。それでドラゴンズにサヨナラ負けしても、それはそれで仕方ない。武田久の仕事はあくまでリードした試合を勝ちに導くことなのだから。

栗山監督は今までコーチ経験がない。開幕前にはキャスター監督とか、素人監督とも揶揄された。だが、現場経験がない代わりに評論家としての長い活動期間がある。特定の球団に偏ることなく、いろいろな球団の野球を観てきた蓄えがあるだろう。評論家監督が長い監督だからこそ、理詰めに、冷静に割り切った起用法を見せて欲しかった。

Bdsc_0118武田久は右膝痛で登録抹消を経験したが、5月30日の再登録後は定位置のクローザーとして登板した試合ですべて無失点に抑えていた…このナゴヤドームの前までは。

この二日間の結果が武田久の今後に尾を引かないことを祈るのみだ。


皆さんは今日の武田久投入のタイミング、どう思いましたか?

 

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コメント

西 清治様、こちらにもコメントありがとうございます。

> ビジターであることに加えてDHなしという、慣れない戦い方を迫られたとはいえ、武田久を責める気にはなれず、ベンチワークに問題があったと思います。敗戦処理。さんのおっしゃる通り、

栗山監督も難しい決断だったとは思いますが、私は納得できません。

> そもそも、武田久が一時期二軍落ちしたのも右膝痛のためで、一軍に復帰してまだ1週間あまりしかたっていないことを考えると、たとえ本人からの志願であっても2イニングも投げさせるのは問題があります。まだ投入できるピッチャーがいたなら、やはり1イニング限定で起用すべきだったと思います。

一軍復帰前にイースタンで二度登板していますし、一軍に上がる以上は万全だとは思いますが、仰る通り、いくら明日試合がないとはいえ、2イニング投げさせるのはよくないでしょうね。

> 共同通信によると、久本人は「1イニング目が良かったので、乗っていけたらと思っていたけど…」「何かきっかけがあれば。やられた感じはしない」という前向きなコメントを残しているようですので、引きずらずに次はやってくれると信じてます。

おお、その談話は初めて観ました。「I don't Kuriyama-san」とは言ってないようですね<笑>。

一軍復帰後は厳しい場面でも抑えるシーンが続いていたので調子が上がってきたなという矢先にこの二日間の失敗は残念ですが、コメント通り切り替えて次の対戦に臨んで欲しいですね。

もっとも、次はジャイアンツ戦ですが…。

投稿: 敗戦処理。 | 2012年6月12日 (火) 00時31分

敗戦処理。さん、早速の反応ありがとうございます。わたしも早速コメントさせていただきます(^^ゞ

ビジターであることに加えてDHなしという、慣れない戦い方を迫られたとはいえ、武田久を責める気にはなれず、ベンチワークに問題があったと思います。敗戦処理。さんのおっしゃる通り、

>谷元圭介と乾真大、二人つぎ込んででも1イニングを託して欲しかった。

これが妥当だと思います。

そもそも、武田久が一時期二軍落ちしたのも右膝痛のためで、一軍に復帰してまだ1週間あまりしかたっていないことを考えると、たとえ本人からの志願であっても2イニングも投げさせるのは問題があります。まだ投入できるピッチャーがいたなら、やはり1イニング限定で起用すべきだったと思います。

もっとも、共同通信によると、久本人は「1イニング目が良かったので、乗っていけたらと思っていたけど…」「何かきっかけがあれば。やられた感じはしない」という前向きなコメントを残しているようですので、引きずらずに次はやってくれると信じてます。ただ、とにかく怪我には気を付けてほしいです。

投稿: 西 清治 | 2012年6月12日 (火) 00時05分

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