鎌スタ祭初日は稀に見る惨敗
今日からの三連休は毎年この時期恒例の鎌スタ祭。今年はゴールデンウイークの時に目新しさに欠ける点が感じられたので一部で不安視されていたが、正面広場に雪を降らせたり、マニアックなパ・リーグファンにはたまらない流しそうめんの企画を盛り込んだ。だが、涼しさが感じられたのはこの一角だけで、試合が始まってからは不快指数200%だった。
ファイターズの先発は齊藤勝。立ち上がりをスワローズ打線に狙われた。
一死から荒木貴裕が左中間に二塁打。続く野口祥順の打席で齋藤のショートバウンドの投球をスタメンマスクの大嶋匠が身体で止めたまではよかったが、大きく弾いたわけでもないのにちょっと見失ったか、荒木はこの隙を見て三塁へ。そして野口の放ったセンターへのライナーをセンターを守る佐藤賢治が一瞬前に出ようとしてそれから下がるが、頭上を越される先制打。野口は一気に三塁まで進む三塁打となった。
その後、四球があって二死一、三塁から新田玄気が一、二塁間を破り2点目。続く曲尾マイケがレフトフライに倒れ、ようやく長い初回の攻撃が終わったかと思いきや、ほぼ定位置に上がった何の変哲のない平凡なフライだったが、レフトの石川慎吾がグラブに当てて落球。二死だけに二者生還。いきなり0対4とされた。
ファイターズもスワローズの先発、育成選手の徳山武陽を攻め、二回裏、安打の鵜久森淳志を一塁に置いて佐藤賢治がライトオーバーのツーラン本塁打で2点を返すと、二死から市川卓も右中間にソロ本塁打。3対4として試合を面白くすると、三回裏には二死一塁から鵜久森がレフトの場外へ逆転ツーラン本塁打。
5対4と試合を引っ繰り返した。
二回以降立ち直ったかに思えた齋藤だったが、五回に先頭の荒木を二塁打で出すと、一死からユウイチと福川将和に連続四球で満塁とし、新田にライトオーバーの二塁打を打たれ、5対6と逆転された。
ユウイチ、福川への連続四球に限らず、齋藤はツーストライクまでは取るが、ウイニングショットに苦しんでいるようだった。ファイターズはここで齋藤を諦めて植村祐介を投入。
逆転されたとはいえ、1点ビハインドにとどめておきたいファイターズだったが、二番手の植村は一死二、三塁から曲尾にライトにフライを打たれる。村田和哉からバックホームが帰ってきてクロスプレーながらセーフでホームイン。と思ったらそれだけでなく大嶋が返球を弾いていて、タッチアップで三塁に進んでいた二塁走者の新田までホームイン。5対8とリードをさらに拡げられた。
それでもまだ挽回可能な点差だったが、前の四回裏の攻撃で無死満塁にしながら1点も奪えなかったファイターズは五回裏も鵜久森のレフトへの二塁打などで無死二、三塁とするが、暴投の1点だけにとどまった。四回裏の無死満塁で一塁ゴロに倒れた大嶋が五回裏にも二死満塁で一塁ゴロと、ここにきてようやくプロ1号、2号と放って打撃改良かと思ったが今日は攻守にさっぱりだった。
スワローズの徳山は五回を投げきって降板した。勝利投手の権利を得たが、スワローズ攻撃陣の大量援護に守られた形になった。被安打7、内被本塁打3本、与四球5の自責点6では問題なしとは言えまい。
スワローズは六回表も攻め続ける。続投した植村に対し、一死一塁から野口はおあつらえ向きの併殺コースの遊ゴロ。しかしこれをショートの今浪隆博がお手玉し、併殺できず打者走者のみアウトにして二死二塁となると、ユウイチにレフト線タイムリー二塁打、福川にレフトオーバーのツーラン本塁打を浴び、併殺を成立させていれば入らなかった3点を追加された。6対11。
七回表、植村まだ続投。先頭の又野知弥がレフトオーバーの本塁打。一死から雄平と荒木が安打で続き、二死からユウイチがレフト前に運びもう1点。ここで一塁走者が二、三塁間で挟殺プレーでアウトになったが、攻撃が続いていたら何点入ったかわからない…。これで6対13。
その裏、ファイターズは六回から登板の一場靖弘に対し、三塁打が出ればサイクルヒットになる鵜久森がレフトオーバーの二本目の二塁打で出ると、内野ゴロで三塁に進み、一回に守備で大チョンボをした石川のライトへの犠飛で1点を返した。7対13。スワローズは一場が続く尾崎に四球を与えたところで一場から久古健太郎にスイッチ。
昨年ルーキーながら52試合に登板したサウスポーも、オフに左手の血行障害の手術をした影響で今季はまだ二軍暮らし。左対左となる市川を遊飛に打ち取ると、続く八回裏も、大嶋の代打、関口雄大を二飛、加藤政義を二ゴロ、村田の代打、荒張裕司を三振と完璧なリリーフぶりを見せた。
一方、ファイターズは八回から植村に代えて松家卓弘。一死から安打、今浪の失策、四球で満塁とされ、川上竜平の打席でワンバウンドの投球を大嶋が弾き、暴投でまた追加点かと思ったが大嶋が本塁ベースカバーの松家に素早く送球。本塁を狙った佐藤貴規を刺した。
この回は奇跡的に無失点で切り抜けたが、2イニング目となる九回表には松家はいきなり先頭の雄平に本塁打を浴び、続く荒木にも四球。一死からユウイチにこの日3本目のタイムリーとなる左中間二塁打を打たれる。この後、何とか二死満塁まで持ちこたえるが、又野の正面の遊ゴロを今浪が一塁にワンバウンドの悪送球で市川が捕球しきれず。この回も3点を追加され、7対16とどうしようもない点差になった。
九回裏、サイクルヒットのかかった鵜久森に打席が回ったが、スワローズ四番手の山岸穣の前に遊ゴロに倒れた。
【14日・ファイターズスタジアム】
Ys 400 043 203 =16
F 032 010 100 =7
Ys)○徳山、一場、久古、山岸-福川、水野
F)●齊藤、植村、松家-大嶋、荒張
本塁打)佐藤7号2ラン(徳山・2回)、市川3号ソロ(徳山・2回)、鵜久森9号2ラン(徳山・3回)、福川1号2ラン(植村・6回)、又野2号ソロ(植村・7回)、雄平5号ソロ(松家・9回)
ファイターズは16失点。被本塁打が3本で、それを含めて18被安打。そして輪をかける4失策。内3つが失点に絡んだが、一軍経験豊富な今浪の2失策はお粗末。今浪は失策こそ記録されなかったものの、併殺を取り損ねてその後の失点に結びつく拙守を見せた。いかに酷かったかを少しでも実感してもらおうと思い、余分な修飾語を極力排して失点経過だけを淡々と書いた。これだけ打たれても三人の投手でまかなったのはファンに無抵抗の印象を与えた様だ。
球場の外ではお祭りで、この時期恒例のC☆Bのお水遊びタイムも、スコールタイムも楽しめた。だが、肝心の試合はお祭りをしていたのはスワローズの方だった。北海道からはるばる二軍の試合の観戦に訪ねてきた方達にとってこの惨敗はどう映ったのだろうか…
また、うだるような熱さにもかかわらず、いつもの定位置にいつものこの人が陣取っていた。そしてこんな一方的な試合にもかかわらず、最後まで観戦していた。昨年は試合中に熱中症で倒れて救急車で運ばれたという話もあった。いったい何歳なのか、くれぐれも健康には気をつけていただきたいものだ。
かくいう敗戦処理。も熱中症寸前だった。試合が終わって、そのまま帰宅してこのエントリーをまとめていたらもっとヒステリックな内容になったかもしれない。試合後、鎌ヶ谷から渋谷に移動して、敬愛する @fpm_nakajima さんらが主宰する「プロ野球 音の球宴」を鑑賞し、懐かしい野球音楽の数々を聞いて心が落ち着いた。 @fpm_nakajima さんとヨシノビズムさんはともにファイターズファンだが、一軍はともかく生観戦したファームの白星をお土産に出来なかったのが残念だが…
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コメント
名無しさん、コメントをありがとうございます。
> それがファンだろ?
> 勝負なんだから
こんな時もある
そう割り切って見てくれればいいですけどね。
年に一度あるかないかというような惨敗を、それこそ年間で限られた時にしか見に来られない人の前でやらなくても…という感じがしたので書きました。
一回表の石川の落球なんてとてもプロ野球とは思えませんでした。もちろんそれも仰る通り“こんな時もある”の範疇なのでしょうけど、実際に生で観ると言葉ではなかなか言い表せないような感覚になりますよ<笑>。
さすがに、まさかあの打球を落とすとは思わないのでカメラも構えていませんでした<苦笑>。
投稿: 敗戦処理。 | 2012年7月15日 (日) 20時58分
北海道からはるばる二軍の試合の観戦に訪ねてきた方達にとってこの惨敗はどう映ったのだろうか…
それがファンだろ?
勝負なんだから
こんな時もある
投稿: | 2012年7月15日 (日) 11時32分