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2012年9月23日 (日)

ファイターズがくらいつく!どこまで続く、まれに見る混パ

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敗戦処理。がジャイアンツのカウントダウンに夢中になっていた間にパ・リーグも大変な事になっていた。九連戦を
621引き分けで乗り切った首位のファイターズが“マジック点灯か”とも言われたライオンズとの首位攻防戦に連日の逆転負け。ここは踏ん張らないと、という一戦を生観戦してきた。中田翔の同点本塁打&決勝タイムリー、糸井嘉男のとどめ弾、そして約一ヶ月ぶりという増井浩俊、武田久の二人続けて三者凡退斬りと、連日胃の痛くなるような試合を見せつけられているファイターズファンの溜飲が下がる快勝となった。


しかしセ・リーグとは対照的にホークスを含めた三球団の優勝争いはまだまだ予断を許さない状況。一喜一憂、喜怒哀楽、イライラしたりスカッとしたり、しばらくそういう日が続くと思うが、これも優勝争いに加わっているからこその感覚。最後まで戦い抜こう!


(写真:六回表、中田翔の同点2ラン本塁打)



さすがに金曜、土曜とライオンズに連勝してマジックが点灯するというほど両チームのチーム力に差があるとは敗戦処理。も思っていなかったが、初戦、吉川光夫に託して逆転負け、昨日、勝ちパターンの継投に持ち込んで逆転負けとフラストレーションのたまる負けが続いた。今日は三年目の若い中村勝に一人で行けるところまで行ってもらわなければならないのか…などと考えて西武ドームに足を運んだが、中村が初回から変だった。


先頭の浅村栄斗に3-1になったものの何とか一塁ゴロに打ち取ったが、秋山翔吾にストレートの四球を与え、三番の中島裕之にも2-0になったところで吉井理人投手コーチが早くもマウンドへ。
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投手交代でない場面でいつも小走りにマウンドに行く吉井コーチのスタイルは素晴らしい
と思うが、アドバイスもむなしく四球。走者を貯めて四番の中村剛也に三遊間を破られ、早くも先制点を奪われた。

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この後もエステバン・ヘルマンの安打で二死満塁と攻められるが、大崎雄太朗を捕邪飛に打ち取って最少失点にとどめた。ただ情報によると初回だけで四十球近くを費やしたそうで、中村には相当のプレッシャーがかかっているであろうことが推測できた。
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その後はなんとかかんとか持ち直した中村だったが、打線も初回の一死一、三塁、二死満塁を逃すと、その後は岸孝之に翻弄されて0対1のまま。
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中村は立ち直りつつも四回までで
91球を費やしていたそうで、五回には安打で出た秋山が二死から二盗。これに鶴岡慎也の悪送球が重なって二死三塁になり、ホセ・オーティズにレフト前に運ばれて0対2。
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ファイターズ打線はようやく六回表に岸を攻略。先頭の糸井嘉男の右翼線二塁打に返球ミスが重なって無死三塁のチャンスを迎え、中田翔のバットが一閃!レフトスタンドに突き刺さって2対2の同点
(冒頭の写真)。ファイターズファンにようやく光明がさしてきた!


同点に追いついたファイターズは六回からダスティン・モルケン
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中村は結局五回までで110球だった。いきなり先頭の大崎に四球を与え、モルケンボークと揶揄されるほどに走者を出すと落ち着きのない仕草でボークを多発する投球でファンをやきもきさせるが、何とここで一塁手のマイカ・ホフパワーがマウンドに歩み寄って二言三言アドバイス。
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「フォアボール出したけど、マ、イーカ」
と言ったかは知らないが、次打者炭谷銀仁朗のバスターエンドランで走者を二塁に進めたものの
150kmを超すストレートを主体に力の投球で後続を絶った。しかし、ああいうホフパワーは初めて見た…。


早めに勝ち越したいファイターズは続く七回表、一死から陽岱鋼が自打球を左足のすねに当てて昏倒。もの凄く痛がった。

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トレーナーだけでなく、栗山英樹監督もすぐにベンチから飛び出してきた。以前にも書いたが、敗戦処理。はこういう栗山監督のスタンスが好きだ。敗戦処理。が福岡ドームで観戦した試合でも稲葉篤紀が走塁中に負傷した際、すぐに稲葉のそばに駆け寄った。
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陽はトレーナーに両脇を支えられて手当てのためにベンチに戻ったが、この時、陽のバットを手にしていた清水雅治コーチに栗山監督はバットをネクストバッターズサークルに置くように指示した。スタンドで見ていた敗戦処理。は「出てこれるぞ!」と期待したが、陽は再び打席に立ってセンター前に安打を放った。

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その後、二死二塁から登板のランディ・ウイリアムスが左対左の糸井に四球を与えて二死一、二塁とすると中田が粘った上にレフトの頭上を超える勝ち越し二塁打。
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陽がゆっくり生還できる上、糸井も一塁から一気にホームイン。
1点勝負の場面であったが、打者が中田という事もあって外野は深めの守備位置。自打球を当てている陽がクロスプレーになる可能性が低かったが、中田も堂々の当たりだった。


この打席はツーナッシングとされてからの粘りだった。ワンナッシングの二球目にはエンドランのサインが出た。相手有利の状況では術中にはまる事が多かった中田。打率に急速な変化は見られないが、これも成長の跡ではないか。



今日はジャイアンツの大田泰示がプロ入り初本塁打を放った。中田同様に、敗戦処理。が入団当初から熱視線を送っている逸材だ。大田は中田より一学年下。ずいぶんと水を開けられたが、これを機にブレークして欲しい。その同じ日に、既に四番打者となっている中田が活躍したのも偶然とは思えない…。



これで4対2。スコアだけ見ると昨日の逆転された試合と同じだが、ここで栗山監督が昨日の試合後に語ったという“配置転換”があった。七回裏のマウンドには宮西尚生でなく石井裕也。実際、今ファイターズで最も安定しているリリーバーだ。

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ただ、昨日も五回途中からイニングまたぎで
20球を投げている。投球数は少ないが、ショートリリーフの投手にとってイニングまたぎは負荷が大きいという。若干不安視をしたものの二番からの好打順をぴしゃりと三人で抑えた。特に中島、中村という右の主軸打者を打ち取ったのは圧巻だった。


そして問題の八回裏、七回裏の時点で増井浩俊一人だけがブルペンで投球練習をしていたが、栗山監督はいつもの通り増井を投入。
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配置転換とは宮西→石井のことだったのか?


増井は四連投になる。敗戦処理。はうかつにも二連投だと思っていた。吉川光夫が逆転された21日にその後で登板したのを見落としていた。ただし個人的には“何試合連投したか”より“何日間連投したか”を重視している。試合のない日を挟めば休養できるからだ。実質的には試合をした日に登板しなくても、登板に準じた準備をしていれば登板に近い疲労が重なる事があるかもしれないが、試合のない日は基本休みだからだ。翌日のための調整はするだろうが、試合で投げる事は100%ないのだから休みに近い。敗戦処理。は野球界の通念に敢えて目を背け、“何日間連投したか”を重視している。
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三日間の連投になり、昨日の今日、先頭のオーティズの二球目にすっぽ抜けた投球が顔の近くに行きオーティズに警告を発せられたりしたが見事に三人で退けた。

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九回表に糸井が左対左となる松永浩典からライトオーバーの2ランを放って6対2とリードを拡げると、最終回は武田久も三人で締めた。
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増井、武田久とリレーして二人とも三者凡退に相手打線を退けたのは8月
15
日以来だという。セットアッパーやクローザーはファンから抑えて当たり前。抑えたとしても走者を出すだけで劇場などと揶揄される、本当に損な役回りだと思う。


個人的にはクローザーは3点リードしていたら2点まではいい、4点リードしていたら3点まではいい、要するに勝利に導いてくれればいいと思っている。それほど、試合で最後の三つのアウトを取る事は難しいと思っている。最近それに八回を専業とするセットアッパーも同等に考えるようになってきた。先発投手の登板間隔と投球数ばかりが厳密に管理され、リリーバー達は成り行きという現況では今のファイターズの様にシーズンの終盤にしわ寄せが来よう。仮に一シーズン乗り切ったとしてもジャイアンツの久保裕也越智大祐のように次の年以降に影響が出てくるケースも出て来よう。


ファイターズは増井と武田久の調子の波が下がる時期がずれていたため、今まで崩れそうになっても何とか乗り切ってきたのだと思う。そしてこの試合では前述のモルケンの六回裏の先頭打者への四球以降、4イニング12打者をパーフェクトに抑えたのだ。

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今日負けずに首位攻防戦の相手であるライオンズに勝った事は非常に大きな一勝だが、当面、ホークスを含めた上位三球団によるまれに見る混パは続くだろう。ファイターズには大きな連勝をする力はないが、大きな連敗にならない粘りがある。同一カード三連戦三連勝は4月に一度と先日の対バファローズ三連戦の二度だけ。敗戦処理。は一週間二カードを一つの単位とし、四勝二敗とか、三勝二敗一分け、時に三勝三敗や二勝四敗があってもコツコツ貯金を稼いでいくのがファイターズの野球であると思うし、それを今から替えられないと思う。


ラッキーボーイか救世主が欲しいと思うが、鎌ヶ谷の惨状からは期待しても無駄。どんな結果に終わろうと、ここまで築いてきた選手で戦い抜くしかないと思う。その意味では今日の八回に増井をいつも通り投入した栗山監督を支持したい。


残り9試合、とにかく怪我人だけは勘弁して欲しいが、一喜一憂、喜怒哀楽、悲喜こもごも、ファイターズと付き合っていこうという思いをさらに強くした生観戦となった。

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コメント

肉うどん様、コメントをありがとうございます。

> 最終結果がでるのはこれからで軽軽なことは言えませんが、栗山監督には敬意を表します。シーズン前にはいろいろな方に叩かれていましたが、粘り強い勝負師の片りんを見せてくれました。

そうですね。私もシーズン前には“9+”ならぬ“3+9”(三重苦)などと茶化しましたが、よくここまでやってくれていると思います。

> でも、球団にはダルビッシュで稼得した特別利益を多少なりとも来季に向けた補強に充当して欲しいと願っています。ファームの育成のゴムも伸びきってしまいましたし。

鎌スタのスタンドに屋根を…土休日の西船橋行きの増発…って違うか<笑>有効に使っていただきたいです。

でも、まだこれからです!

投稿: 敗戦処理。 | 2012年9月26日 (水) 22時15分

観戦、お疲れ様でした。自分は出張と重なり、西武戦に行けずじまいとなりました(前のマリスタは鎌スタと選択になり鎌スタを選んだため、これまたいけませんでした)。

最終結果がでるのはこれからで軽軽なことは言えませんが、栗山監督には敬意を表します。シーズン前にはいろいろな方に叩かれていましたが、粘り強い勝負師の片りんを見せてくれました。

プロ野球の監督として、新機軸を打ち出した結果となるのではないでしょうか。

でも、球団にはダルビッシュで稼得した特別利益を多少なりとも来季に向けた補強に充当して欲しいと願っています。ファームの育成のゴムも伸びきってしまいましたし。

投稿: 肉うどん | 2012年9月26日 (水) 16時20分

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