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2012年9月 7日 (金)

八木智哉はどうして二軍だといつも打たれるのだろうか

Cdsc_70119_26日の昼間は西武第二球場でイースタン・リーグ公式戦、ライオンズ対ファイターズ戦を観てきた。今季のファイターズでローテーションの谷間で好投をし、チームに貴重な白星をもたらしてきた八木智哉。一軍では13試合に登板して6(3)を挙げているが、イースタン・リーグでの登板は昨日(6日)を含め10試合で2勝7敗。防御率に至っては5.29だ。

一軍ではそこそこの結果を残すが、イースタンでは芳しくない。それでも先発投手が足りなくなると一軍から声がかかる。不思議な投手だ。


(写真:6日の西武第二球場での対ライオンズ戦に先発した八木智哉。後方のスコアボードが示すように五回途中で7失点…)


敗戦処理。は技術的なことは今一つ疎いが、昨日の登板を生で観ていると、低めに球を集めようという意図は見えるのだが、ファウルで粘られて根負けして痛打されるという印象があった。球団の公式携帯サイトによると5イニング、打者
27人に対して110球投じていたことになる。これは多い。

Cdsc_0012一回裏、先頭の石川貢に一、二塁間を破られるとすぐに二盗を決められ、続く二番の斉藤彰吾に進塁打を打たれて一死三塁とされると、三番の阿部真宏にセンターに犠牲フライを打たれ、あっという間に先制された。もっともこれで二死走者無しとなったのでこれで終わればまだよかったのだが、ここから四球と死球で二死満塁となり、美沢将にセンター前にはじき返された。
Dsc_0039_2三塁走者が生還し、二塁走者は三塁を回ったところでストップ。ただ後ろの一塁走者が三塁を狙おうとして二、三塁間で挟まれたため、結果的に二塁走者が三本間に挟まれてタッチアウトになった。ライオンズの走塁ミスに助けられた形になったが、このまま攻撃を続けられたら何点取られたことやらと不安になる立ち上がりだった。


八木は二回裏にも内野安打とポテンヒットで一死一、二塁とされるとワンバウンドの投球をして捕手の近藤健介が弾く間に二塁走者の永江恭平が三塁を狙い、それを刺そうとした近藤が三塁に悪送球。
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永江の生還を許してしまった。実は表のファイターズの攻撃でも同じような場面があり、一死一、二塁で捕手の星孝典が投球を弾く間に三塁を狙った佐藤賢治が星の好送球で刺されるシーンがあった。
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結果的には試合序盤として見事に明暗を分けたシーンだ。

ライオンズ先発の岩尾利弘を打ちあぐねていたファイターズ打線は0対3の三回表、浅沼寿紀が相手失策で出ると市川卓がレフト前に運ぶ。内野ゴロで二死一、三塁となってこの日一軍登録を抹消となり早速ファームに合流して四番を打つ鵜久森淳志がライト線に二塁打を放ち1点を返した。
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この後、岩尾の暴投もあってさらに1点を返すが佐藤は三振に倒れて2点止まり。

八木は三回、四回とライオンズ打線を三人ずつに退け、調子を上げてきたように思えた。ただこのあたりからグラウンドの周囲で雷の音がはっきりとして雲行きが怪しくなり、早晩雨が来ることが容易に想像できた。

小雨が降ったり止んだりとなった五回裏、八木は先頭の石川にこの日三本目の安打を打たれた無死一塁から、斉藤の送りバントを自ら一塁に悪送球。バント処理、牽制球などには定評のある八木らしからぬミスで無死二、三塁とピンチを拡げた。八木はここから阿部に三塁線を破られて2点を失うと、その後も駒月仁人と美沢にタイムリーを打たれこの回4失点となった。冒頭の写真は4点を失い、なおもピンチの八木に島崎毅投手コーチがアドバイスに出てきたシーンだ。

八木はこの回限りで降板。六回裏、二番手の榊原諒がマウンドに上がり、先頭の石川にこの試合四本目の安打を打たれたところでついにゲリラ豪雨が来てしまった。
Dsc_0133しばし中断の土地、球審の山村裕也からコールドゲームが告げられた。育成審判の山村裕球審、コールドゲームを宣言するのは初めてだそうだ。帰りの西武池袋線で他の審判員に話していた<笑>。
Dsc_0134育成審判の山村裕球審、コールドゲームを宣言するのは初めてだそうだ。帰りの西武池袋線で他の審判員に話していた<笑>。

余談だが誰と乗り合わせるかわからない電車の中で仕事の話をするのは御法度だと思う。もちろん審判員に限ったことではないが…。同僚審判員の事だけでなく、選手の固有名詞が入った話はさすがにいかんと思うよ…。

西武第二球場ならではの光景だが、コールドゲームが告げられるとファイターズの選手は一目散にネット裏にあるクラブハウスに逃げ込んでいった。

Dsc_0138



6日・西武第二球場】
F 002 000   =2
L 210 040+X =7
F)●八木-近藤
L)○岩尾-星孝典
本塁打)両軍とも無し。

八木のイースタン・リーグでの投手成績は10試合27敗、防御率5.29となった。防御率だけを見れば、このところのファームでの登板で結果が伴わない斎藤佑樹5.73と大差ない。でも八木は必要になると一軍から呼ばれ、13試合で63敗、防御率3.38とそこそこの成績を残している。斎藤より4試合少なくて1勝多い。こうなるとファームの調整登板って何なの?とも思えてくる。

一方でイースタンで
21試合に登板して63敗1S、防御率も2.50と安定している糸数敬作は今季まだ一軍からお呼びがかかっていない。

敢えて強引に結びつければ、八木はデーゲームが苦手という見方が出来るかもしれない。一軍での防御率は3.38だがこの中でデーゲームでの登板をピックアップすると2試合あり、ともに2イニングで降板、自責点5という結果が残っている。少ないイニング数ながら防御率に換算すると22.50になり、デーゲームの登板を除くと防御率は2.15と大幅に改善される。そして逆にイースタン・リーグでのナイトゲーム登板をピックアップすると、65日に横須賀スタジアムでナイトゲームに先発しており、5回を投げて自責点0で勝利投手になっている。イースタンでの投手成績からナイトゲーム分を引き、デーゲームの防御率を算出すると5.91とさらに救いようのない数値になってしまう。

これはあくまで表に出てくる数字のトリックで、他に技術的な原因があるのだろう。これで近々八木が一軍で登録されることがあれば、ぜひその投球に注目したい。

そしてもちろん、仮に敗戦処理。の仮説に当てはまっている部分があるとしても、ファンの前で投げる以上苦手なデーゲームだとしてももう少しマシな投球をして欲しいものだ。

注.9月8日、一部加筆。

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コメント

チェンジアップ様、コメントをありがとうございます。

> これは東尾が自伝で、自身の現役時代を述べてるってことですよ。八木については何も言ってません。
私がこのブログを読んでて、東尾のソレを思い出したんです。

元のコメントに“自伝”と書いてあったので八木を指したのではないことはわかりましたよ。

> もっとも、東尾のソレは、晩年のベテランになってからの話です。

晩年の二軍って、一軍で投げたくても投げられなかった時ですね。さぞかし当時の首脳陣も扱いづらかったのでしょうね<苦笑>。

> 斎藤君ですが、また週刊誌で、結婚がどうたら、書かれてるけど、今の状況では結婚どころではないでしょうね。週刊誌の報道の真偽は別として。

別に良いんじゃないですか。週刊誌の報道の真偽は別として。

投稿: 敗戦処理。 | 2012年9月 9日 (日) 23時14分

こんばんは。
>なるほど、東尾がそんなことを言っていたのですか?

 これは東尾が自伝で、自身の現役時代を述べてるってことですよ。八木については何も言ってません。
私がこのブログを読んでて、東尾のソレを思い出したんです。
もっとも、東尾のソレは、晩年のベテランになってからの話です。

 調整登板だから、そう結果は気にしなくても良いと思いますけど。OP戦みたいに、コンディション作りだったり、また色々テストしてるのかも知れません。
キャッチャーの構えたとこへ投げられるか?とか変化球が思うように変化するか?とか。

 斎藤君ですが、また週刊誌で、結婚がどうたら、書かれてるけど、今の状況では結婚どころではないでしょうね。週刊誌の報道の真偽は別として。

投稿: チェンジアップ | 2012年9月 9日 (日) 22時37分

チェンジアップ様、コメントをありがとうございます。

> 八木については何とも言えませんが、昔、西武・東尾が、「ファームの方が打たれる」と自伝で述べてました。
 彼は「自分の球はあまり速くないから、一軍の打者は返って打ちづらいようだ。逆にファームだと打ち頃の速さなんだろう」と分析してましたが・・・ご参考までに。

なるほど、東尾がそんなことを言っていたのですか?

たしかに技巧派の投手だと、捕手が違うというのもあるかもしれませんね。

もっともこの試合では一時期一軍にもいた近藤がマスクをかぶっていましたが…。

粘られて、結果打たれるという感じがしましたね。

> んで、斎藤君はどうですか?

実は4日に斎藤佑樹が登板したイースタン・リーグの対ライオンズ戦を生観戦しているのですが、その試合に関してブログで一切触れていません。

何人かの方から、何で書かないのかと聞かれましたが、特に深い理由はなく、タイミングを逃しただけです。

相変わらず、西武第二球場にしては異例の観客数を動員してしまう人気ぶりですが、決め球が無いのかなという感じがしました。

翌日の報道を見ると、5イニング2失点という結果に、本人は「ストレートに手応えを感じた」とか言っていたそうですが、素人目にはライオンズ打線に痛打されたのはストレート系が多かった様に見えました。

一軍の台所事情を考えると、帰ってきて欲しいのですがね…。

投稿: 敗戦処理。 | 2012年9月 9日 (日) 20時47分

こんばんは。一軍ではソコソコ抑えるのに、ファームでは打たれるという件についてですけど。
八木については何とも言えませんが、昔、西武・東尾が、「ファームの方が打たれる」と自伝で述べてました。
 彼は「自分の球はあまり速くないから、一軍の打者は返って打ちづらいようだ。逆にファームだと打ち頃の速さなんだろう」と分析してましたが・・・ご参考までに。

んで、斎藤君はどうですか?

投稿: チェンジアップ | 2012年9月 9日 (日) 20時06分

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