ジャイアンツが大逆転で日本シリーズに進出。夢の日本シリーズが再び!
パ・リーグのファイターズに続いて、セ・リーグのジャイアンツがクライマックスシリーズファイナルステージを制し、日本シリーズ進出を決めた。ファイナルステージを3勝0敗+アドバンテージ1勝でストレートにホークスを下したファイターズと対照的にジャイアンツはドラゴンズに3連敗のスタートから、3連勝してアドバンテージの1勝と合わせて4勝3敗で辛うじてドラゴンズを制した。敗戦処理。にとっては夢の顔合わせとなるこの両チームによる日本シリーズは2009年以来、三年ぶり三回目。
これで、今年の日本一は敗戦処理。の贔屓チームが獲得する事が確実になった!
(写真:クライマックスシリーズを制し、日本シリーズ進出を決めて胴上げされる原辰徳監督)
個人的には、ジャイアンツのセ・リーグ優勝決定試合は生観戦予定試合の前日だったし、ファイターズが日本シリーズ進出を決めた試合も生観戦予定の前日だったので、ひょっとして昨日21日にドラゴンズが日本シリーズ進出を決めてしまうのではと弱気になりかけたが、崖っぷちのジャイアンツが盛り返して逆転進出となった。
20日に生観戦を予定していたパ・リーグのクライマックスシリーズファイナルステージ第四戦が、第三戦でファイターズの日本シリーズ制覇が決まって中止になったので北海道行きは断念したが、その時点でジャイアンツは三連敗。特に第三戦は何とか同点に漕ぎつけた後、延長十回に西村健太朗が失点するという後味の悪いものとなった。正直パ・リーグに続いてセのチケットも払い戻しかと覚悟はしたが、ジャイアンツが持ち直した。
今日の観戦は仕事を終えて駆けつけたので、ちょうど二回裏に3点を先制し、相手投手が先発の伊藤準規から武藤祐太に代わるところだった。伊藤にしろジャイアンツ先発のデニス・ホールトンにしろ、第二戦に先発しての中三日だ。先制するには越したことがないが、いつスタミナ切れが起きても不思議ではない。どんどん追加点が欲しいところだ。
ジャイアンツはその後、村田修一の今CS2本目の本塁打が出て4対0とリード。余談だが今日もビッグマックがもらえるツインアーチの企画は行われていたが、少なくともジャイアンツファンは誰もビッグマックをただでせしめようとは思わなかっただろう。点差が開いても「ソロホームランくらいならいいや」という雰囲気ではとてもなかった。
昨日同じく中三日だった内海哲也は五回に100球に達したところでトニ・ブランコに本塁打を浴びてマウンドを降りた。今日もホールトンに長いイニングを託せないことは明白だったが、何とか5イニングを無失点に抑えてくれた。まだ投球数は二桁だったと思うが五回裏の打席で代打、ジョン・ボウカーを送られて交代。二番手は第四戦の勝利投手、澤村拓一が中一日で登板。投球練習から力みまくっているようにスタンドからは見えた。中一日で、加減が効かないのではと思った。ブランコの二塁打などで1失点したが、貴重な1イニングを一人で投げきってくれた。スコット・マシソンが昨日まで三日間連投、しかも昨日は27球とはいえ2イニング投げているのでさすがに厳しいだろう。3イニングをどうしのぐかと思ったが、山口鉄也に2イニング任せた。
もちろん、最終回は西村健太朗。西村は先頭の代打、堂上直倫に初球を狙われ左中間に二塁打を打たれた。だが3点差。一つずつアウトを取ればというところで谷繁元信を二ゴロで一死三塁。第三戦で西村から決勝打を放った堂上剛裕を迎えたところで高木守道監督は三塁走者を英智に代えた。
今季限りでの現役引退を表明しており、既に引退セレモニーを終えている英智をここで起用するとは粋な計らいだと思ったが、レフト側ビジター応援席のドラゴンズ応援団とファンは最後のチャンスとばかりにチャンステーマをエンドレスに歌うばかりで、特に拍手が少なかったのが残念だった。敗戦処理。のそばの席の女の子は「ひでのりぃー!」と絶叫して泣いていた。
二死後、大島洋平のレフト線の安打で英智は生還。4対2となったが、これが英智にとってもドラゴンズにとっても最後の得点となった。
西村は明らかにシーズン中の西村ではなかったが、最後の力を振り絞って荒木雅博を三塁ゴロに打ち取り、ジャイアンツが勝利を決めた。
パ・リーグのクライマックスシリーズを制したファイターズは胴上げをしなかったが、ジャイアンツナインはマウンド付近に集まってきた。これは胴上げだ!とその瞬間感極まったのか三塁側から飛び出してきた男が走ってきたが、警備員さんに取り押さえられた。この男につられたのか、もう一人乱入者はいたようだがいずれも警備員さんの手際よい処置で大事には至らなかった。先ほどこのシーンを日本テレビの中継で確認したら、警備員さんが走っているところだけ映っていた。こういう輩は映さないのがベストだろう。ちなみに写真の男はこの後もかなり抵抗していた。入ってくるところを見なかったが、おそらくは三塁側エキサイトシートの客であろう。
そして冒頭の写真の様に原辰徳監督が胴上げされ、十回宙に舞った。この後、原監督がインタビューを受けた後、クライマックスシリーズのMVPとして第五戦でサヨナラ安打を放った石井義人が発表された。
今季の開幕前に話題になった巨額契約金の選手達でなく、ライオンズから戦力外通告を受け、トライアウトに臨んで入団した石井がこの大舞台で脚光を浴びるのは味わい深い。石井はお立ち台で「クライマックスシリーズは何度出ても…」とライオンズ時代に幾多の修羅場をくぐり抜けて来た男の矜持を見せた。
幸先良く三連勝したドラゴンズはどこで歯車が狂ったのか?ファーストステージの第一戦に先発した中田賢一が右肩関節炎で登録抹消になったのが響いた。スワローズとのファーストステージが三試合とも接戦になり、手厚いリリーフ陣がフル回転を余儀なくされた上、既に吉見一起、エンジェルベルト・ソトが離脱した先発陣が苦しくなり、今季のレギュラーシーズンでの実績に乏しい川上憲伸、山本昌のベテラン力に頼らざるを得なくなった。山本昌はファーストステージの第三戦とファイナルステージの第三戦に中三日で先発した。結果早め早めの継投を余儀なくされ、それが第四戦以降は受け身に回ってしまった。まだあと一つ負けられるはずの第五戦には八人の投手をつぎ込んでサヨナラ負けをするという、最も避けなければならない負け方をしてしまった。そのサヨナラ負けを喫した山井大介が今日の最終戦では3点ビハインドの四回裏から登板するというのだから、何かと取り沙汰された高木監督と権藤博投手コーチのぎくしゃくぶりは想像以上だったのだろう。だが、ドラゴンズがジャイアンツを原監督がいうように徳俵まで追い詰めたのは確かだ。レギュラーシーズンとは一味違った圧迫感に押されっぱなしだったのは事実だ。今日もジャイアンツが終始リードした展開だったが、スタンドにいて最後まで一球たりとも目を離せぬ、点差を感じさせない試合だった。ジャイアンツは快勝ではない。辛勝だ。
そして、中四日で日本シリーズが始まる。敗戦処理。にとっては夢の日本シリーズだ。第一戦に万全の状態で臨めるファイターズと、中四日で臨まなければならないジャイアンツ。どんな戦いを見せてくれるのだろうか?札幌ドームには行けないが、第六戦、第七戦を東京ドームで生観戦予定だ。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
長緯様、コメントをありがとうございます。
> 自分は第2、3戦と観戦しましたが、その時はドラゴンズは勢いがあり、ほとんどドラゴンズで決まりか、と肩を落としてドームを後にしましたが、その後負け神の自分が観戦しなかったためか(笑)ジャイアンツが盛り返し、最終戦で決着。6試合トータルでも全試合接戦の本当にすごいシリーズでした
凄まじい六日間でしたね。
> この試合、内海が先発しジャイアンツは背水の陣で臨みましたが、たとえば序盤でジャイアンツが大きくリードすればドラゴンズは捨てにかかった気もします。ジャイアンツの序盤のリードは2点、ブランコの2ランが中盤の5回というのも微妙でした。もしドラゴンズが早めに追いつけばジャイアンツは内海を5回途中まで引っ張れず苦しかったと思いますし、終盤まで2-0でいけばドラゴンズの投手リレーも異なり、当然岩瀬、山井の出番もなかったと思います。しかしなんといってもこの試合9回で決着をつけた石井の決勝打が光りました。そんなで石井のMVPも納得です。
第5戦を捨て試合にさせなかったのがジャイアンツには大きかったと思います。
ドラゴンズの投手陣は吉見とソトがいなくても質量ともに豊富だと思いますが、ソーサがもっと重用されてもいいのではと思いました。
第6戦も山井を四回に出すのではなく、ソーサでイニング数を稼ぐのかと思いました。
* 昨年のCSでスワローズがバーネットをなかなか使わなかったので不思議に思いツイートしたら、一部の方からは「負けたチームのファンは黙ってろ!」的な反応をされましたが、「どうせ今季で戦力外。通用しないから」という反応があったのに驚いたのを思い起こしました。
> 正直申してジャイアンツはこのCSで疲弊し、日本シリーズはファイターズ有利でしょう。というか、なんかCSのすごい緊張感からの逆転突破で今シーズンは満足、日本シリーズは勝てなくても・・・なんて感じもしてきています。ですので日本シリーズは逆に気楽に楽しめそうな状態ですが、やはり第7戦までもつれ込む好勝負を期待したいと思います。
私も好勝負を期待します。肩肘張らずに観ることが出来…る訳ないかな<苦笑>。
今度は懲りずに第6戦、第7戦のチケットを取りました。
投稿: 敗戦処理。 | 2012年10月24日 (水) 23時26分
劇的なCS最終戦観戦、お疲れ様でした。自分は第2、3戦と観戦しましたが、その時はドラゴンズは勢いがあり、ほとんどドラゴンズで決まりか、と肩を落としてドームを後にしましたが、その後負け神の自分が観戦しなかったためか(笑)ジャイアンツが盛り返し、最終戦で決着。6試合トータルでも全試合接戦の本当にすごいシリーズでした
>あと一つ負けられるはずの第五戦には八人の投手をつぎ込んでサヨナラ負けをするという、最も避けなければならない負け方をしてしまった。
この試合、内海が先発しジャイアンツは背水の陣で臨みましたが、たとえば序盤でジャイアンツが大きくリードすればドラゴンズは捨てにかかった気もします。ジャイアンツの序盤のリードは2点、ブランコの2ランが中盤の5回というのも微妙でした。もしドラゴンズが早めに追いつけばジャイアンツは内海を5回途中まで引っ張れず苦しかったと思いますし、終盤まで2-0でいけばドラゴンズの投手リレーも異なり、当然岩瀬、山井の出番もなかったと思います。しかしなんといってもこの試合9回で決着をつけた石井の決勝打が光りました。そんなで石井のMVPも納得です。
正直申してジャイアンツはこのCSで疲弊し、日本シリーズはファイターズ有利でしょう。というか、なんかCSのすごい緊張感からの逆転突破で今シーズンは満足、日本シリーズは勝てなくても・・・なんて感じもしてきています。ですので日本シリーズは逆に気楽に楽しめそうな状態ですが、やはり第7戦までもつれ込む好勝負を期待したいと思います。
#私事ですが今出張中でネット環境に制限があり、メールアドレスは入力しませんがご了承ください
投稿: 長緯 | 2012年10月24日 (水) 20時49分
のんき様、コメントをありがとうございます。
> または、吉見やソトを想定して、データを蓄積したのかもしれません。
吉見の登録抹消が9月19日(緊急降板したのはジャイアンツ戦)、ソトの抹消は同22日。もちろん復帰の可能性もあったのでしょうが、他の投手のデータも収集していたでしょう。
> CSで投げすぎた投手は登板を少なめにし、高木京や高木康など左投手が頑張って欲しいです。あとは、故障でないなら、負けてもよいので、杉内を登板させて欲しいです。巨人の18番をつけているのですから、多少の不調でも出て欲しいと思います。
杉内は故障でしょう。10月6日の登板を回避してから様子を見ながら調整していたそうですが、クライマックスシリーズに投げられる状態じゃなかったようですね。
そもそも、そうでなければ内海やホールトンに中三日で先発させる必然性がありません。
> 巨人ファンとしては、山口、マシソン、西村に日本シリーズで投げさせすぎて、来シーズンに故障で出られないという状況だけは、避けて欲しいと願っています。
既にレギュラーシーズンで投げさせすぎています。CSでもマシソン以外の二人はそれぞれ二試合で失点をしています。既に弊害が出ていると思います。
原監督はドラゴンズ戦の第1戦で1点ビハインドの九回に山口を、2点ビハインドだった第二戦の九回表に西村をつぎ込み、それぞれ失点しています。登板間隔が空いていたので調整を兼ねての登板だったのかもしれませんが、結果三投手とも6試合で4試合に登板することになりました。3勝すればいいという設定で4試合に登板するのは結果論かもしれませんが使い方に問題があったかもしれません。
日本シリーズはどうなるでしょうか?
投稿: 敗戦処理。 | 2012年10月23日 (火) 23時54分
HARA88様、コメントをありがとうございます。
> 第3戦が終わった時点で3連敗した時はどうなるかと思いました。元々、生観戦を予定した第4戦と急遽、観戦した第5戦は正直、ドラゴンズが日本シリーズ進出を決めるかもしれないと覚悟しながら観てましたがそんな中でジャイアンツがよくやってくれました。
正直、チームカラー的には先行逃げ切り型だと思っていたので、崖っぷちの状態からよく逆襲出来たと思います。
成り行きだと思いますが、3勝した試合全部接戦だったので、ドラゴンズも投手を消耗、言葉は悪いですが“捨て試合”をつくれなかっったのが誤算かもしれませんね。
> 現地で観てて胃が痛くなりましたよ(苦笑)。
いやぁ~疲れましたよ、私も。久々でしたね。
投稿: 敗戦処理。 | 2012年10月23日 (火) 23時32分
敗戦処理。様 こんばんは。のんきです。
CSや日本シリーズはどうでもいいやと思っていましたが、最終戦は夢中で応援していました。
巨人と中日との力の差がほとんどない、いやむしろ中日の方が現段階では力があると思い知らされるCSでした。
そもそも、10.5ゲーム差もつけて、巨人がリーグ優勝できたのは、巨人の独走になってからは、下位チームは3位狙いで、広島やヤクルトに好投手をぶつけたような気がします。
予告先発を見ても、巨人の相手チームの投手は、そのチームのエースはいない気がしました。
広島、ヤクルト辺りは、2位狙いもあったと思います。そこで、好投手を中日にもぶつけたので、中日は自力があるのに、巨人を抜けなかったと思います。
数年前のように、リーグ1位チームが日本シリーズに出場できるならば、こんなに楽に巨人が優勝できたか疑問です。
なので、中日と巨人のCSでは、巨人が3連敗してしまったと思います。吉見やソトが故障していなかったらと思うとぞっとします。
または、吉見やソトを想定して、データを蓄積したのかもしれません。
さて、日本シリーズは楽しんで観ようと思います。私は、もちろん、巨人を応援しますが、投手にあまり無理をさせたくないと思います。
CSで投げすぎた投手は登板を少なめにし、高木京や高木康など左投手が頑張って欲しいです。あとは、故障でないなら、負けてもよいので、杉内を登板させて欲しいです。巨人の18番をつけているのですから、多少の不調でも出て欲しいと思います。
巨人ファンとしては、山口、マシソン、西村に日本シリーズで投げさせすぎて、来シーズンに故障で出られないという状況だけは、避けて欲しいと願っています。
とりあえず、リーグ優勝の胴上げよりも、CSの胴上げの方が、苦しんだ分、数倍うれしく感じました。
つきもあったと思います。中日のヒット性の打球は野手の正面をついたり、逆に、巨人は打ちそこないがポテンヒットになったりで、力自体は中日の方が上だと思いました。
この経験をばねに、来シーズンもリーグ優勝を期待しています。
頑張れ巨人軍
のんき
投稿: のんき | 2012年10月23日 (火) 18時59分
昨日は生観戦お疲れ様でした。
第3戦が終わった時点で3連敗した時はどうなるかと思いました。元々、生観戦を予定した第4戦と急遽、観戦した第5戦は正直、ドラゴンズが日本シリーズ進出を決めるかもしれないと覚悟しながら観てましたがそんな中でジャイアンツがよくやってくれました。
現地で観てて胃が痛くなりましたよ(苦笑)。
投稿: HARA88 | 2012年10月23日 (火) 18時26分