北海道日本ハムファイターズが3年ぶり通算6回目のパ・リーグ優勝を果たす-栗山英樹監督ごめんなさい…
昨シーズンが終わり、梨田昌孝監督に代わって栗山英樹監督の就任が決まったとき、敗戦処理。( @haisenshori )はtwitterの日本3大…シリーズにこんなツイートをした。
【日本3大・ファイターズファンの憂鬱】1.大エースがメジャーに行ってしまうかもしれない…2.ドラフト1位に入団を拒否されるかもしれない…3.二年も我慢しなければならないのか…
記録してある訳でないので一語一句正確ではないと思うが、だいたい上のようなツイートをした。“3.二年も我慢しなければならないのか…”の二年とは栗山新監督が二年契約である事が判明した事を指す。監督どころかコーチの経験もない栗山新監督に対する不安をそのまんま語ったのだ。
やがて新チームのスローガンが“9+”(ナインプラス)に決まった。ファイターズナインの力に、ファンの後押しをプラスアルファにしてというような意味らしいが、敗戦処理。はこれをもじって“3+9”(三重苦)とした。上記の三つの苦しみだ。
個人的に報道ステーションやGetSportsで見る栗山英樹に好感を持っていなかったこともある(基本的に、テレビ番組での見せ方で、初めに結論ありきのテーマを番組の趣旨に合わせていかようにでも高評価するタイプを受け付けない=類似例.二宮清純)が、SHINJOの名前まで浮上した暁には「SHINJOの方がまだマシ」と呟いた事もある。先入観だが、必要以上に動きすぎて相手の術中にはまるタイプの指揮官なのではないかと思っていた。
もちろん試合がないオフシーズンなので、ネタにして楽しもうというのもあったが、シーズンが近づくにつれて今年は“3+9”のシーズンだ。ダルビッシュ有が抜けているのだから、誰がどう星勘定したって苦しい。菅野智之が先発ローテーションでバリバリ投げて前の年のジャイアンツの澤村拓一クラスの投球をしてくれればある程度は抜けた穴が埋まったかもしれないが、それも拒否された。それならばダルビッシュ並みとは言わずとも、次期エース候補くらいははっきりさせるシーズンにしたい。だからオープン戦で好投した吉川光夫に対して3月11日付けで 吉川光夫を鎌ヶ谷出入り禁止にして欲しい というエントリーを立てた。
吉川に関しては昨年までのように、たまにあるローテーションの谷間にだけ一軍で投げさせるのでは力を発揮出来ない。最低でも三回か四回、中六日くらいで続けて投げさせないと結果を残せないと思っていたから、ダルビッシュが抜けた事である程度は成績を残せるとは思ったが、まさかここまでの存在になるとは思わなかった。
“3+9”なシーズンなのだから、何が起きても動じまい。2005年にマリーンズが31年ぶりに日本一になった時、十一球団で最も優勝から遠ざかっているチームになってしまい、「ウチも生きている間にもう一度くらい優勝してくれるかな?」とため息をついたのに、それから三回も優勝したんだ。また弱くなっても付いていくよと自分なりに覚悟を決めた。ただその一方で、トレイ・ヒルマン監督、白井一幸ヘッドコーチ時代から培ってきたものがあるのだから、その貯金でひょっとしたらAクラスになれるかな?今年Aクラスになれたならこのチームの地力は本物だぞとひそかな期待感もあった。
次第に栗山カラーが見えてきた。前出の吉川の抜擢以外に、斎藤佑樹の開幕投手抜擢と中田翔の四番抜擢。斎藤はシーズン中盤から勝てず、二軍落ちしたが、中田には我慢を続けた。
梨田前監督も一度は中田を四番に抜擢したが、小谷野栄一に戻さざるを得なかった。
そしてそれ以上に恐れ入ったのが、セットアッパーの増井浩俊とクローザーの武田久への信頼を最後まで揺るがなかった事。これは敗戦処理。も同意見ながら実行するのはたやすい事では無いと思った。
敗戦処理。が増井や武田久をtwitterで擁護する度にアンチ増井、アンチ久派から攻撃にあった<苦笑>が、敗戦処理。は少なくとも今季中は代えてはいけないと思ったから、栗山監督もその方針を貫いたのはさすがだなと思った。
前任の梨田監督にも当てはまるが、自分の前任者の残した結果が凄すぎると、損得勘定では監督を引き受けられまい。自分の手腕でチームを引っ張っても前監督の遺産云々と言われるのが明白だからである。
栗山監督はその前任者と一心同体だったコーチ陣をそのまま受け継いだので監督、コーチ陣一体となっての戦いという点ではヒルマン、梨田と受け継がれたこのチームの正の遺産をそのまま受け継ぎ、そこに自分でこれだと決めたスタイルを貫いた。
勝利の方程式や四番中田を崩さなかった“頑固さ”にあっぱれと言うしかあるまい。
もちろん、これで終わりではない。ジャイアンツともども、クライマックスシリーズを勝ち抜いて、この両チームで日本シリーズを争っていただきたい。そうなった時点で敗戦処理。の贔屓チームが日本一になる事が確定するのだから、幸せな事この上ない。
最後になるが、優勝が決まった後、前出の日本3大…にこんなツイートを残した。
@haisenshori 【日本3大・北海道日本ハムファイターズ、リーグ優勝の要因】1.吉川、中田らに見る栗山監督の人心掌握術 2.痒い所に手が届き過ぎるお口の恋人ロッテ 3.最大勢力から杉内とホールトンをかっさらった原巨人! #lovefighters
#nihon3dai #yakyu_arienai
そして最後の最後に一言。
栗山英樹監督、ごめんなさい…。
参考エントリー2011年10月18日付 栗山英樹がファイターズの監督になるようだが…
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コメント
えふひとすじ様、コメントをありがとうございます。
> 私は増井に対してごめんなさい、です。最後の西武戦での熱投はとくに。
投げ続けながら復調するというメカニズムがドシロウトには不思議であります。
個人的には増井や武田久で失敗したときにも、「それでも明日も増井(武田久)を使え」という意見をtwitter等で吐いてきただけにそれを実行して貫いた栗山監督に敬服します。
私ら一ファンがファンなりの理想論をぶちあげるのと、現場の監督が多種多様な意見が耳に入ってくる中で自分の方針を貫くというのは次元が異なるでしょうが…(中田翔の四番起用も然り)。
> CS,日本シリーズとがんばりましょう
そうですね、まずはクライマックスシリーズ突破です。
根拠は無いですが開き直ったライオンズが勝ち上がってくるような気が…。
投稿: 敗戦処理。 | 2012年10月 4日 (木) 01時01分
長緯様、コメントをありがとうございます。
> ファイターズ優勝、本当におめでとうございます。
どうもありがとうございます。
> ファイターズは、多くの選手にポジション競わせるというよりも、若く素質のある選手にはポジションを与えて多少のミスは目をつぶってもともかく一人前になるまで起用するというのがチームカラーだ、と野球関係の書籍に書かれることが多いですが、そういったチームの方針見事に継承し、勝利を導いた監督という印象を持ちました。
お詳しいですね。球団にコンセプトがあり、それを実践出来る監督に白羽の矢を立てる。ヒルマン、梨田、栗山現監督と一本の線で繋がっているそうです。
> #正直言って、セの優勝チームが日本シリーズに進んだら、パの優勝チームと言う以前に、選手個々のモチベーションも高いですしパの中では一番やりにくい相手ではないかと思います。
どうなんでしょう?
例えばジャイアンツとファイターズを比較したら、どう見ても戦力はジャイアンツが圧倒しています。
もちろん短期決戦は強い方が勝つとは限らず、勝った方が強いと言われるのですが…。
ともあれクライマックスシリーズではジャイアンツとファイターズに勝ち上がって欲しいです。
投稿: 敗戦処理。 | 2012年10月 4日 (木) 00時54分
こんばんは、私は増井に対してごめんなさい、です。最後の西武戦での熱投はとくに。
投げ続けながら復調するというメカニズムがドシロウトには不思議であります。
勤続疲労で休養させるしかないと思っていたもんですからね。
CS,日本シリーズとがんばりましょう
投稿: えふひとすじ | 2012年10月 4日 (木) 00時32分
ファイターズ優勝、本当におめでとうございます。解説時代から感じることは、栗山さんはあまり主義主張を変えない、ソフトなイメージながらいい意味で頑固な感じがします。
ファイターズは、多くの選手にポジション競わせるというよりも、若く素質のある選手にはポジションを与えて多少のミスは目をつぶってもともかく一人前になるまで起用するというのがチームカラーだ、と野球関係の書籍に書かれることが多いですが、そういったチームの方針見事に継承し、勝利を導いた監督という印象を持ちました。
#正直言って、セの優勝チームが日本シリーズに進んだら、パの優勝チームと言う以前に、選手個々のモチベーションも高いですしパの中では一番やりにくい相手ではないかと思います。
投稿: 長緯 | 2012年10月 3日 (水) 20時19分
肉うどん様、コメントをありがとうございます。
> 中田の四番、増井、久の継続起用。裏目にでれば監督失格との非難が避けられないところでした。ソフトバンクの戦力低下やシーズン中の個別選手の著しい成長といった背景があるとはいえ、大エースが抜けて決して秀でた戦力ではなかったチームをリーグ優勝に導いた手腕はお見事でした。
恐れ入りました、と言うしかないですね。
> ただし、育成のカードは殆ど使い切ってしまいました。来季以降は課題山積です。
それは私も感じています。おいおい拙blogでも触れていくつもりですが、今はまず優勝という成果を素直に評価したいと思います。
> 高代さんはどのような経緯で岡田さんとお神酒徳利みたいな関係になったのかご存知ですか?
全く存じません。落合ドラゴンズを支えた腕利きのコーチがフリーになったので球団が飛びついたのだと思いました。
高代ヘッドコーチがいるのに森脇チーフコーチを連れてきたり…。情報不足で何とも言えません。
投稿: 敗戦処理。 | 2012年10月 3日 (水) 19時53分
栗山監督については、爽やかな弁舌でオーナー代行?に気に入られたとの話もあり、当初は懐疑的でしたが、意外にも骨太な勝負師でしたね。
中田の四番、増井、久の継続起用。裏目にでれば監督失格との非難が避けられないところでした。ソフトバンクの戦力低下やシーズン中の個別選手の著しい成長といった背景があるとはいえ、大エースが抜けて決して秀でた戦力ではなかったチームをリーグ優勝に導いた手腕はお見事でした。このまま、CS→日本シリーズと駆け上がっていって欲しいものです。ただし、育成のカードは殆ど使い切ってしまいました。来季以降は課題山積です。
ところで、オリックスで岡田監督と高代コーチが解任されていますが、高代さんはどのような経緯で岡田さんとお神酒徳利みたいな関係になったのかご存知ですか?
投稿: 肉うどん | 2012年10月 3日 (水) 17時31分