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2012年11月15日 (木)

正力松太郎賞が原辰徳監督で本当にいいの?

Adsc_0277今シーズンのプロ野球の発展に最も貢献した監督や選手に贈られる「正力松太郎賞」に今年はジャイアンツの原辰徳監督と阿部慎之助が選ばれた。21日の「2012プロ野球コンベンション」で表彰される。過去にも二人での受賞はあったが、同一球団からの複数受賞は初めて。例年日本一になった球団の優勝監督が選ばれるから、原監督の受賞は妥当な人選と一見思えるが、今年に関して原監督で本当にいいのだろうか?といういささかな疑問がある。理由はもちろんあの件があるから…。


(写真:同一球団から初の正力松太郎賞複数受賞となった原辰徳監督と阿部慎之助。201210月撮影)

“今シーズンのプロ野球の発展に最も貢献した監督や選手に贈られる「正力松太郎賞」”という冒頭のフレーズは日本野球機構のホームページからのそのまま引用した。正力松太郎とは“巨人軍を創設した日本プロ野球の父”(「野球殿堂2012」財団法人野球体育博物館編より)といえる人物で、プロ野球をテレビを巧みに使って隆盛に導いた功績が大きく、その功績を記念して1977年に正力松太郎賞が制定された。ジャイアンツのオーナーとしては有名な“正力松太郎の遺訓”を遺している。



巨人軍は常に強くあれ


巨人軍は常に紳士たれ

巨人軍はアメリカ野球に追いつけ、そして追い越せ


大正力といわれた正力松太郎のお膝元のジャイアンツから自らの名を冠した賞に二人の同時受賞とは大正力もさぞ喜んでいるだろうが、原辰徳監督は「巨人軍は常に紳士たれ」のフレーズに堂々と向き合って来たと今年言えるのだろうか?


「一億円を払った相手が反社会的勢力の人物だとは思わなかった」

 

先日の野球大喜利で、その遺訓を「巨人軍は紳助たれ」と一文字替えていた人物がいたが、これでは島田紳助と変わりない。いや、曲がりなりにも一線を退いた島田紳助の方が潔い。原監督にとっては「僕の中ではセーフやと」なのかもしれないが…<苦笑>。それはともかくこのセリフがすべての免罪符になってしまったのか、プロ野球界が暴力団を排除しようとしている中、当事者の証言のみを信じて調査をしないばかりか「がんばってください」と激励したという加藤良三コミッショナーの罪も重いが、チームが勝ち続ければ手に入れることが出来るリーグ優勝、日本一、アジアチャンピオンの栄誉はともかく、日本のプロ野球界で最高の栄誉といわれる「正力松太郎賞」を与えてしまって良いのだろうか?


さらにいえば、同時受賞の阿部慎之助も開幕前に朝日新聞がスクープした巨額契約金の実態、申し合わせとはいえ最高標準額をはるかに超える10億円の契約金をもらっていたと報じられた人物だ。阿部に関しては支払う方により問題があるとの見方も成り立つが、これではどんなことをしようが勝ったものがえらいと言っているのも同じだ。数字のみで評価される賞ではなく、選考委員が選ぶ賞が見て見ぬ振りをする。極論すれば今年に限って「該当者無し」にしてもいいと思う。

原監督と阿部に賞を授けるのであれば、いっそのこと賞の名前を「渡邉恒雄賞」と替えて“誰に何と言われようと今シーズンの巨人軍の発展に最も貢献した監督や選手に贈られる”賞として制定した方が良い。

Blog2011815日付エントリー巨人軍正力亨名誉オーナー逝く でふれたように、渡邉恒雄現球団会長がオーナーに就任した際、ジャイアンツが年に一回、シーズン前に発行していたDATA BOOK(いわゆる公式メディアガイド)から、それまで必ずオーナーご挨拶の次のページに掲載されていた正力松太郎の遺訓と巨人軍憲章が削除された。

渡邉オーナーの前のオーナーは正力松太郎の長男の正力亨、いわゆる「小正力」だったが、正力家から完全にジャイアンツ球団を掌握した証として渡邉オーナーは正力家支配の象徴とも思える遺訓と憲章を削除したのではないかと敗戦処理。は邪推している。オーナー就任後の数々の我田引水な言動に関してはここで一々触れるまでもないだろう。もちろん江川卓獲得に関する「江川問題」などナベツネ以前からこの球団はダーティーなことをしていたが、ナベツネ以後、勝利至上主義に拍車がかかったと見て大筋で間違いないだろう。


その人物が球団だけでなく実質的に日本のプロ野球界のトップに君臨していると揶揄され、その傀儡の人物が正真正銘のトップであるコミッショナーに居座るという構図がもはや多くのファンにとって(善し悪しではなく)公然の事実となっている今、正力松太郎の名前を冠した賞の受賞基準にケチをつけることが空虚なのだなと認めつつも、原監督の問題を素通りにしてしまって本当に良いのかという、これが最後かもしれない遠吠えをしておきたい。

今年の正力松太郎賞に原監督が選ばれるであろう事は敗戦処理。にも想像は出来ていた。もしも発表日が前もってわかっていたら、このエントリーは先に書いていたが…


もう、間に合わない…。

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コメント

太山田様、コメントをありがとうございます。

> 正力賞だって確認はしていませんが、恐らく王さんの756本を讃えるためにつくった賞でしょ?それがいつのまに例年日本一になった球団の監督や日本シリーズMVPが選ばれることになった、そのことを問題視すべきです。例えば2010年はともかく、2007年は落合じゃなくヒルマンにすべきです。逆に落合は、現役時代に1度ももらっていない。

国民栄誉賞同様、王貞治の記録達成をきっかけに出来て、基準は後付けだというのはあるでしょうね。

2007年は別に落合でいいんじゃないですか。正力賞の“基準”からすれば。ヒルマン監督は2006年に日本一になりましたが、世界一になった人を優先された…

> 今回の原のスキャンダルは、四半世紀前のことを強迫されて、首謀者が落合の参謀の森繁和の後輩だったってこと、そのほうが明らかにおかしいと思いますがね(相撲八百長やってた部屋とも懇意でしたよね)。

森繁和がユニフォームを脱いでから発覚したのが不自然だと!?
 
> なんだかんだ、原は評価も叩かれもしている。世間が審判を下すでしょ?だったらマスコミにとって本当の意味でのタブーなのか、まったく報道しない事実にスポットライトを当ててほしいんですが。

せっかくそこまでお気づきになったのですから、ご自身でブログやHPをお持ちでしたら披露されてはいかがですか…。

投稿: 敗戦処理。 | 2012年11月24日 (土) 22時39分

うーん・・・正力賞だって確認はしていませんが、恐らく王さんの756本を讃えるためにつくった賞でしょ?それがいつのまに例年日本一になった球団の監督や日本シリーズMVPが選ばれることになった、そのことを問題視すべきです。例えば2010年はともかく、2007年は落合じゃなくヒルマンにすべきです。逆に落合は、現役時代に1度ももらっていない。

今回の原のスキャンダルは、四半世紀前のことを強迫されて、首謀者が落合の参謀の森繁和の後輩だったってこと、そのほうが明らかにおかしいと思いますがね(相撲八百長やってた部屋とも懇意でしたよね)。

なんだかんだ、原は評価も叩かれもしている。世間が審判を下すでしょ?だったらマスコミにとって本当の意味でのタブーなのか、まったく報道しない事実にスポットライトを当ててほしいんですが。

投稿: 太山田 | 2012年11月24日 (土) 21時26分

長緯様、コメントをありがとうございます。

> 「正力賞」そのものについて、ジャイアンツファン以外は結構冷めた目で見ていると思います。プロ野球発展に貢献云々、というのもなんだか曖昧ですし、ジャイアンツファンの私が批判めいたことを言うのも変ですが、もっといえばきな臭い賞にさえ感じます。

うーん、言われてみれば、確かにそういう一面はありますね。

> でも監督就任一年目の途中に「株式会社讀賣巨人軍」発足にかかわるユニフォーム変更の際に「気が引き締まる」などと情けないことを述べた際には(もちろん立場上上にいる渡邊氏を公的に批判などすることが出来るわけがないことは分かりますが)心底がっかりしましたし、

そうでしたね。あのユニフォーム改悪に対し、東京ドームのライトスタンドに出た抗議の横断幕の一つに“正力の遺産をなくすのか!”と言うのがあったと記憶しています。

そういう点では“正力”という名前は昨今の読売巨人軍とは一線を画した位置に存在するべきで、球界の最高峰とも言える賞の名に残っているのは個人的には意義があると思っています。

ですから、

> 、「正力賞」あるいはそういった賞が野球ファン全体から権威ある賞と認められるには、まずその正力が作り上げたジャイアンツ自体が変わらないと駄目ですね。それは勝つ負けるとは別の問題です。

ということなのでしょうね。ご指摘の通りだと思います。

投稿: 敗戦処理。 | 2012年11月23日 (金) 23時14分

今頃すみません。
「正力賞」そのものについて、ジャイアンツファン以外は結構冷めた目で見ていると思います。プロ野球発展に貢献云々、というのもなんだか曖昧ですし、ジャイアンツファンの私が批判めいたことを言うのも変ですが、もっといえばきな臭い賞にさえ感じます。
同じく発祥がジャイアンツに関連した賞でも、成績をもとにプレーヤーに与えられる「沢村賞」に比べ、価値的にもファンの思いもはるかに違ったものと感じます。
こういった賞はあってしかるべきとは思いますが、名称といい現在の受賞基準といい釈然としないこともありますので、正直関心が薄いです。
僕も歴代の監督を並べて比較すれば、選手起用などの面を見れば良い面もありますし、その点ではどちらかといえば原監督のファンですよ。
でも監督就任一年目の途中に「株式会社讀賣巨人軍」発足にかかわるユニフォーム変更の際に「気が引き締まる」などと情けないことを述べた際には(もちろん立場上上にいる渡邊氏を公的に批判などすることが出来るわけがないことは分かりますが)心底がっかりしましたし、それ以来、そういった政治的な面では本当に力の無い人なのかと思ってます。現場の監督が渡邊氏の顔色を伺って動いているシステムを露呈しただけでしたし。だから今回のような問題もうやむやな後味の悪い終わられ方になるのでしょう。
話が戻りますが、「正力賞」あるいはそういった賞が野球ファン全体から権威ある賞と認められるには、まずその正力が作り上げたジャイアンツ自体が変わらないと駄目ですね。それは勝つ負けるとは別の問題です。

投稿: 長緯 | 2012年11月23日 (金) 21時31分

太山田様、コメントをありがとうございます。

一件はお名前が抜けていますが、IPが同じです。二件とも太山田さんのコメントという前提でお話しさせていただきます。

その前に、他のエントリーにも目を通していただいた様でありがとうございます。

> これは間違ってないと思いますよ。ただ、原さんのファンが言わないと意味がない。

ああ、なるほど。一応東海大相模の頃から原辰徳を応援していますが…。

> 貴殿は長嶋さんの采配がダメだったとアタマから決め込んで、野村さんとか落合さんとか、広岡さんあたりを信奉してるタイプでしょう。そういう方は理論家を気取るわりにアタマがかたい。独善的・感情的すぎるんですよね。

長嶋茂雄の大ファンですよ。現役時代は晩年しか見ていませんが、長嶋野球、批判する人も多いですけれど、大好きですよ。

というか、基本的に好きか嫌いかと、良いか悪いかを切り離して考えているので、たとえ誰であろうと、反社会的勢力と思しき人物に1億円も払っちゃいかんでしょう。

> あ、やっぱり落合さんの信奉者ですか。

信奉者ではありませんよ。前回のWBCに選手の派遣を拒んだときには批判しましたし、時間稼ぎと思える様なスロープレーも問題視しました。

> 講演会いくのも解説聞くのも勝手ですが、「落合さんのコメントだけが真実だ!」みたいに思いますか、いい大人なら。広島2位予想とか、オレなら50本打たせられるとか、安全圏からのブラフばっかりですが、アレ。面白がって生ぬるく見聞きしているならわかるんですが。

講演会に行った時のことを書いたエントリーは聞いたことをメモと記憶を頼りに再現しただけで、それを絶賛したりはしていませんよ。

落合講演会も清武トークショーも興味があるから行っただけです。

投稿: 敗戦処理。 | 2012年11月22日 (木) 23時44分

あ、やっぱり落合さんの信奉者ですか。

講演会いくのも解説聞くのも勝手ですが、「落合さんのコメントだけが真実だ!」みたいに思いますか、いい大人なら。広島2位予想とか、オレなら50本打たせられるとか、安全圏からのブラフばっかりですが、アレ。面白がって生ぬるく見聞きしているならわかるんですが。

投稿: | 2012年11月22日 (木) 00時16分

これは間違ってないと思いますよ。ただ、原さんのファンが言わないと意味がない。

貴殿は長嶋さんの采配がダメだったとアタマから決め込んで、野村さんとか落合さんとか、広岡さんあたりを信奉してるタイプでしょう。そういう方は理論家を気取るわりにアタマがかたい。独善的・感情的すぎるんですよね。

投稿: 太山田 | 2012年11月22日 (木) 00時09分

Sovietky様、コメントをありがとうございました。

> まあ負け犬の遠吠えですね。
現に原監督も阿部もNPBから何の処分も受けておらず、問題ない行為なのです。

Sovietkyさんに逆に質問なのですが、阿部はまだしも、原監督の、脅しに屈して1億円ともいう大金を払った行為に関して“問題ない行為”だと思いますか?

たしかに処分していない以上、正力賞を受けるに障害にはならないのですが、脅しに屈して1億円という大金を払うという行為を“問題ない行為”と思いますか?

頭をまっさらにして考えて下さい。暴力団に便宜を供与しちゃいかんですよね?

そうは考えないのですか?

少なくとも私はそう考えていますので、ことあるごとに訴え続けます。

野球が好きだし、ジャイアンツが好きですので、余計に許せません。

投稿: 敗戦処理。 | 2012年11月21日 (水) 22時59分

まあ負け犬の遠吠えですね。
現に原監督も阿部もNPBから何の処分も受けておらず、問題ない行為なのです。
伸介が勝手に芸能界やめたからって、彼に倣う義務は誰も負ってない。
だからこの賞の受賞も何の問題もありません。
嫌ならプロ野球を見るのをやめなさい。

投稿: Sovietky | 2012年11月21日 (水) 22時17分

西 清治様、コメントをありがとうございます。

> 正力賞ですが、NPBのホームページには書いてありませんが、Wikipediaによると正力賞の賞金は500万円だそうです。これは他のタイトルに比べても高く、球界最高の賞と言っても過言ではないでしょう。その賞金が、あのように使われたお金の一部として補充されると思うと、わたしも今年の選考には納得いきませんね。

あと19回受賞すれば元を取れる訳ですね。

> 原監督や阿部選手の代わりに栗山監督にあげてもいいのでは?就任1年目でチームをリーグ優勝に導いたというのも、立派な受賞理由になると思いますが。

うーん、どうですかねぇ。原監督はともかく、阿部ならまだ納得できます。

> 正力賞の歴代受賞者の大部分が日本シリーズに優勝したチームの監督というのもいまいち納得できません

日本一に輝くのが球界最大の栄誉で、そのチームの代表者として日本一監督が選出されるということなのでしょう。そのこと自体は問題だとは思いません。

> ただ面白いことに1979年は、日本シリーズ優勝監督の古葉竹識氏ではなく、日本シリーズに敗れた西本幸雄監督でした

西本監督の場合は、それまでの日本シリーズで何度も惜しいところで敗れたなどのドラマがあったことも大きいと思います。「江夏の21球」の年でしたね。

> これではわざわざ選考委員会を設けて受賞者を選ぶという意味がないと思います。

選考委員の問題なのか選考基準の問題なのか…

投稿: 敗戦処理。 | 2012年11月16日 (金) 23時45分

敗戦処理。さん、コメントにお返事ありがとうございます。あのように言っていただいて光栄です。

今回の釜山遠征で一番困ったのは、飛行機便の関係で、決勝戦が終わった後もそのまま日本に帰れず、月曜日まで仕事を休まなければいけなかったことです。さすがに野球を見に行くために休みますとは職場に言いにくかったです(^^ゞ

それはともかく、正力賞ですが、NPBのホームページには書いてありませんが、Wikipediaによると正力賞の賞金は500万円だそうです。これは他のタイトルに比べても高く、球界最高の賞と言っても過言ではないでしょう。その賞金が、あのように使われたお金の一部として補充されると思うと、わたしも今年の選考には納得いきませんね。

原監督や阿部選手の代わりに栗山監督にあげてもいいのでは?就任1年目でチームをリーグ優勝に導いたというのも、立派な受賞理由になると思いますが。

それに、正力賞の歴代受賞者の大部分が日本シリーズに優勝したチームの監督というのもいまいち納得できません(ただ面白いことに1979年は、日本シリーズ優勝監督の古葉竹識氏ではなく、日本シリーズに敗れた西本幸雄監督でした)。たまに選手が選ばれる時もありますが、それはその年の日本シリーズ優勝監督が過去に受賞歴があるから代わりにその年のMVPに与えるというケースです(例外は第1回の王選手と、1994年に長嶋監督と同時に受賞したイチロー選手ぐらいです)。これではわざわざ選考委員会を設けて受賞者を選ぶという意味がないと思います。

投稿: 西 清治 | 2012年11月16日 (金) 00時35分

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