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2012年12月11日 (火)

星野仙一監督が大谷翔平のファイターズ入りに激怒!?-大谷問題と言うよりこれからに向けて考えてみた

Adsc_01599日にファイターズへの入団を表明した大谷翔平に対し、ライバル球団の星野仙一監督が吠えた。同日、星野監督は仙台市内で取材に応じ、「日本球界に行くんなら、ウチも指名しとった。彼の将来は本人が決めることだけど、ちょっと大きな問題になる。これをやったんであれば、ドラフトの意味がない」と、暗に大谷サイドとファイターズ球団との間に事前に“密約”があったのではと言いたげな感じだった。


(写真:怒り心頭のゴールデンイーグルス星野仙一監督。右足に注目。=あくまでイメージ<>。 20129月撮影)



冒頭の星野仙一監督のコメントは10日付けスポーツ報知のものだが、同日のサンケイスポーツではこんなコメントが掲載されている。

「大谷は米国を希望していたから、よそ(他球団)も指名を避けた。そうは思わないけど、(両者に)前から話ができていたのか」

サンケイスポーツでは“日本ハムと大谷には非がないことを前置きし、かみついた”と、とってつけたようなフォローをしているがあたかも疑っている口ぶり。仙台駅上りホームでのやりとりだったそうだが、自分の7m先にいてファンに囲まれていたTHE ALFEE高見沢俊彦に嫉妬したのか、批判の矛先はコミッショナーにも向かい、中途半端なドラフト制度こそが問題で完全ウエーバー制への移行をも訴えた様だ。

いやはや、ドラフト制度のあり方にはいろいろな意見があり、完全ウエーバー制も有力な改革案として常に掲げられるが、仮に今秋のドラフト会議が完全ウエーバー制で行われていたとしても、大谷に関しては同じ結果になっていたかもしれない。

だが9日には吠えていた星野監督も10日には「栗山は説得が上手いんだよ」とトーンダウンしたと言うから、単に瞬間湯沸かし器にスイッチが入っただけだったのかもしれないが、大谷がゴールデンイーグルスのお膝元と言っても過言でない岩手県の花巻東の選手であるだけに、交渉次第によっては翻意の可能性のある選手を指名しなかったことを星野監督及び球団が責められる事態に備えて先手を打ったのかもしれない。

ただ、今回の件は大谷がファイターズの説得に対して翻意したと言うだけで、今後類似したケースが出た時にどうするのか?ということは議論しておくべきだろう。

例えばの話、今回は強行突破をしたのがファイターズだからさほど疑問視する向きが強くない様に思えるが、もしもこれがファイターズでなくジャイアンツであったら、多くのアンチ派が「密約に決まっている!」と声を荒げているだろう…という点が一つ。また、既に多くの人が指摘しているが、大リーグの球団とドラフト候補のアマチュア選手の事前交渉を制限するルールがないので、今は紳士協定という形で最低限の秩序が保たれている様だが、本気で大リーグの球団が日本のアマチュア選手に食指を動かしたら、抵抗する術がないということだ。


敗戦処理。の解釈に誤りがなければ、例えば今秋のドラフト会議で指名を受けた選手であっても、まだそれぞれの球団と契約を結ぶ前であれば、大リーグの球団はその選手と交渉できるわけだ。紳士協定を鵜呑みにするのはリスク管理としては誤りだろう。


敗戦処理。は個人的には大谷(のような選手)が高校を出てアメリカ大リーグの傘下に入ることに必ずしも反対ではない。過酷と言われるマイナーリーグの競争、環境をも突破出来る強者がいたら、是非チャレンジして、それで大リーグで天下を取って欲しい。そういう選手が出てくる方がWBCで侍ジャパンが優勝するよりも感動するかもしれない。それこそ本物の侍だ。だから極論すれば大谷にもそういう姿勢を貫いて欲しい気持ちもあったが、ファイターズファンなのでさすがに二年連続でドラフト1位を逃したら、多かれ少なかれ近い将来に影響が出てくる。そもそも育成重視の球団なので選手が入ってこないことには始まらない。

だから大谷(のような選手)に対して大リーグの傘下に進む道を閉ざすことには反対だし、いわゆる“田澤ルール”が必要だとしても、アメリカの球団を退団してから三年間(大学、社会人経由の場合は二年間)日本のプロ野球に入団出来ないとするのではなく、アメリカの球団に所属した年を起点に日本球界への入団規制をすればいいと思う。例えば大谷が今回ファイターズの指名を拒否して2013年から大リーグの球団と契約したとする。そして五年後、2017年に解雇されて日本球界でのプレーを望んだとして、“田澤ルール”だと解雇された年から三年間、つまり2018年から2020年までの間、日本のプロ野球に所属出来ないことになるが、そうではなく、今年のドラフト会議での指名を拒否した選手と言うことで日本の社会人野球に進んだのと同じ、三年間、田澤の日本プロ野球縛りは2013年から2015年とし、それ以降であれば、解雇された翌年からいつでも日本でプレイできるようにしたらどうか。もちろんその場合でもドラフト会議にかからなければならない。そうでないとドラフトで日本の希望球団に指名されなかった選手が三年間アメリカのマイナーリーグで腕を磨き、三年後に日本のプロ野球の希望球団に所属できる抜け穴になるからだ。出戻り選手に関してはその都度完全ウエーバー制のドラフトをしても良いだろう。現状の野球協約で言う、シーズン途中の自由契約措置に応じて採り入れられるウエーバー公示を当てはめればよいと思う。

要は現状の無法状態だと、大リーグの球団に好き放題される可能性と、大リーグの球団と日本の球団がグルになれば、抜け道にも出来かねないということだ。そしてなおかつ厄介なのは、アメリカ大リーグが自分たちはアメリカでも独占禁止法の対象外だ云々などと言い出して、破ろうと思えばいつでも破れる紳士協定程度でお茶を濁そうとすることだ。

ならば日本のプロ野球を経ずに大リーグの傘下に入った場合に日本に戻ってくるケースに制約をかけるしかないという“田澤ルール”の発想くらいしか抵抗措置が取れないのが残念だ。ただ、大リーグの球団を解雇されてから二年間ないし三年間という縛りは率直に言って嫌がらせの域を出ていない感じがする。


11
日の各スポーツ紙の報道によると、大谷がファイターズ入りを表明する前から花巻東には抗議電話などが殺到しているという。単に結果だけを観ると、「早稲田大学に進学する」と言っておきながらジャイアンツの1位指名を受けて入団した桑田真澄とほとんど変わらないのだから。大谷との会見に臨んだ栗山英樹監督らは翌10日、花巻東を訪ねて謝罪したという。いやはや…。
Adsc_0021(写真:星野監督に恫喝されて謝罪する栗山監督。あくまでイメージ<冗>。)

花巻東に抗議電話をかける人達は大谷に大リーグに行って欲しかったから文句を言っているのだろうか?ゴールデンイーグルスなど、みすみす大谷を逃した他球団には抗議電話は行かないのだろうか
<苦笑>

ファイターズと大谷の間に“密約”があったのか、なかったのかはわからない。だが、ものは考えようだ。昨年のドラフトでファイターズが菅野智之を強行指名した。ファイターズが交渉権を得たためにジャイアンツは菅野を取り逃した。もしも昨年のドラフトでジャイアンツが菅野を単独指名して入団に漕ぎつけていたら、ジャイアンツはおそらく今年のドラフトで大谷を指名していたと思う。「大リーグに挑戦します」と宣言した選手をドラフトでジャイアンツが単独指名したら…


それを考えれば、騒ぐほどのことじゃないでしょ<>


P.S.
星野監督のファンの方、怒らないで下さいね…。

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コメント

のんき様、コメントをありがとうございます。

> 昨年菅野を獲得できていたら、今年巨人は、高浜巨選手を指名する予定だったと聞いています。(もちろん競合覚悟で)

あくまで仮説と可能性の話ですからね。以前にたいささんも書かれていましたが、抽選で外れるリスクを避ける工夫をする球団ですから。

ちなみに高浜巨じゃなくて東浜巨(ひがしはま なお)です。

> それ以前に、菅野を昨年獲得していたら、FAで杉内を獲得することもなかったと思います。

微妙ですね。計算の出来ない新人より、日本代表クラスの先発投手を取るのが普通の感覚だと思いますが…。

> 育成だけでは、チームは強くならないと思います(巨人に限らず)。育成だけでは限界があると思います。補強と育成のバランスが重要と思います。

全く同感です。どちらかに偏りすぎると、一時的には良くても長い目で見ると…。

> ただ、大谷選手が、ファイターズを大リーグのための通過点としか考えていないとしたら、ファイターズがなんか気の毒な気がします。

基本的には通過点と思っているんじゃないですか。そしてファイターズもそれを承知の上で指名していると思います。

> 敗戦処理。様は、大谷選手が打者と投手とどちらの方がファイターズに貢献できると思われますか?

難しいですね。

野球ファンが集まるあるイベントで語られていましたが、スカウト歴三十年以上のカープの苑田スカウトが打者としての大谷を「張本級の三千本安打クラス」と評価しているそうです。

だとしたら中田翔と三、四番を打つのも楽しみではありますが、どちらかというと吉川や日本シリーズ第四戦で好投した中村とともに先発ローテーションの柱になって欲しいですね…。

ダルビッシュだって入団当初は下半身の線が細いだの練習嫌いだの否定されていましたし、前評判は当てにならないかもしれませんね、特に高校生の場合…。

投稿: 敗戦処理。 | 2012年12月12日 (水) 23時33分

敗戦処理。様、こんばんは。のんきです。

>もしも昨年のドラフトでジャイアンツが菅野を単独指名して入団に漕ぎつけていたら、ジャイアンツはおそらく今年のドラフトで大谷を指名していたと思う。

昨年菅野を獲得できていたら、今年巨人は、高浜巨選手を指名する予定だったと聞いています。(もちろん競合覚悟で)

スピードはないけれども、打者との駆け引きは抜群の投手だそうです。

それ以前に、菅野を昨年獲得していたら、FAで杉内を獲得することもなかったと思います。

個人的には、杉内の加入が巨人の投手陣が強くなった要因のひとつと考えていますので。

そもそも、FAで選手を獲得するという動きさえなかったと思います。

巨人はよい方向に変わったのだと思います。

数年前でしたら、内川選手がFAしたときにぜひ、巨人に入ってもらいたいと願っていたのですが、球団の体質がFA選手よりも育成だったので、獲得に動けない状態だったと思います。

育成だけでは、チームは強くならないと思います(巨人に限らず)。育成だけでは限界があると思います。補強と育成のバランスが重要と思います。

今年はそれが実現できたので、大変満足しています。

話はそれましたが、大谷選手は、投手よりも打者向きだと思います。160km/h がクローズアップされますが、すっぽ抜けで高めにいった球が、たまたま160km/h だったというだけです。

体が硬そうなので、投手だと、コントロールとけがに苦しみそうな気がします。(阪神に行く藤浪投手とは対照的です。)

打者なら、とんでもないホームランバッターになる可能性があると思います。(もちろん、そういう素材であるという気がするというだけですが)

ファイターズは投手陣は良さそうなので(日本シリーズを見ての感想だけですが)、打者の方に力をいれた方がよいのではないかと思います。

ただ、大谷選手が、ファイターズを大リーグのための通過点としか考えていないとしたら、ファイターズがなんか気の毒な気がします。

敗戦処理。様は、大谷選手が打者と投手とどちらの方がファイターズに貢献できると思われますか?

頑張れ巨人軍

のんき

投稿: のんき | 2012年12月12日 (水) 22時26分

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