「プロ野球ぬりえ」のながさわたかひろが進退表明-一場靖弘とともに
12月15日付拙blogエントリー 継続は力なり!-ながさわたかひろ展「プロ野球ぬりえ2012~魔球の伝説~」に行ってきた。 で取り上げたながさわたかひろ展「プロ野球ぬりえ2012~魔球の伝説~」が神楽坂の eitoeikoにて12月26日から12月28日の三日間、延長戦が行われた。そして最終日の12月28日には最後にながさわたかひろさん本人から進退表明が行われた。
(写真:神楽坂のギャラリーeitoeikoで進退表明を行ったながさわたかひろ氏)
最終日の12月28日には通常の展示の他に、17時からは「プロ野球音の球宴」とジョイント。そして最後にながさわたかひろさん本人から進退表明が行われた。
ファンタスティックピッチングマシーン中嶋勇二氏とヨシノビズム氏の機転で、進退表明の間にはスワローズのかつてのエース、松岡弘が歌う「とびだせヤクルトスワローズ」がエンドレスでBGMとして演奏された。
一場靖弘がスワローズから戦力外通告を受け、現役続行を希望したものの声をかける球団が現れず、ながさわさん自身も体力的理由などで続けることが困難に感じてきたと言うことだが、“プロ野球選手ながさわたかひろ”としては引退するが引き続き、プロ野球ぬりえを描き続ける。来春にはスワローズのキャンプにも行くことを検討中だとか。
“継続は力なり”-しかし言うは易し行うは難しだ。悩みに悩んだながさわさんが来年どんなスタンスでプロ野球ぬりえに取り組まれようと、個人的には応援したい。願わくば来年の暮れにもう一度神楽坂のこの場所で再び感動に触れたいものだが…。
ところで、上の「プロ野球音の球宴」の二人の背後の壁にあるユニフォームに注目していただきたい。
わかりにくいかもしれないが、一場が歩んだゴールデンイーグルスとスワローズのレプリカユニフォームだ。ゴールデンイーグルスのユニフォームは背番号10、新規参入時代から一貫してファンの番号となっている番号だ。スワローズのユニフォームは背番号11。
当時、一部のファンから「パ・リーグは指名打者を含めれば10人野球。高校野球風の背番号並びなら背番号10は指名打者だろ?」というツッコミが入った。2004年のオリックス・ブルーウェーブと大阪近鉄バファローズの合併表明に端を発した球界再編問題でライブドアに続いて新規参入の名乗りを挙げた楽天は「ライブドアを潰すために差し向けられた刺客」と一部では揶揄され、先に名乗りを挙げたライブドア(というかホリエモンこと堀江貴文)が野球ファンから救世主的に持ち上げられたのとは対照的に“讀賣の回し者”とまで勘ぐられたほどだったから、背番号11ではなく背番号10をファンの番号にしたために「それ見たことか」的に(にわかづくりだから基本的なことで間違える?)受け止められた。そしてその背番号11を新規参入球団で付けたのは一場靖弘だった。
一場はご承知の通り、球界再編騒動のさなか、明治大学のエースとしてこの年のドラフト会議の有力選手の一人であったが、一場獲得を目指すジャイアンツから裏金(通称「栄養費」)を支給されていたことが発覚し、学生野球憲章に違反。後日タイガースとベイスターズからも支給されていたことがわかり宙に浮いた存在となっていた。新規参入でろくにアマチュア選手のスカウト活動を出来なかったゴールデンイーグルスだけが事実上一場を指名できる空気になり、ドラフト1巡目で指名した。
こんな経緯で入団した一場をゴールデンイーグルスの象徴のように見ているファンはながさわさん以外にも少なくないようだ。一場は2009年途中に宮出隆自との交換トレードでスワローズに移籍したが、一場の動向を気にしているゴールデンイーグルス参入当初からのファンは少なくない。あくまで意図せざる結果論だが、ゴールデンイーグルスの背番号11はファンの番号に準ずる象徴的な“記号”になったと思う。
一場のスワローズ入りを機にながさわさんもスワローズに傾倒していくのだが、そんなながさわさんの作品がゴールデンイーグルスの本拠地クリネックススタジアム宮城のスタンドのコンコースに飾られることになり、そのお礼から一場が初年度の2005年に実使用したユニフォームを贈呈されたという。そしてながさわさんの個展には毎年ゴールデンイーグルスの池田敦司副社長から花が届く。
ちなみにながさわさんは、このレプリカでない本物の一場のユニフォームに袖を通したことがないという。「それは一場のユニフォームだから」だそうだ。
その気持ち、わかるような気がする…。
奇しくもこの日の朝、松井秀喜が現役引退を表明した。
自分で引退を決められるプロ野球選手はある意味、幸せ者かもしれない。ただ松井でさえ、所属のタンパベイ・レイズからの戦力外通告だった。日本時間の朝7時過ぎからの記者会見の情報は当日朝の日本のスポーツ紙の1面に間に合ったようだが、そのなかの日刊スポーツにはセ・リーグ各球団で今季限りでユニフォームを脱ぐ選手の一覧表が出ており、スワローズの欄に一場の名もある。一場の今後の進路の欄には“現役続行希望”とある…。ながさわさんは一場が来季どこかの球団のユニフォームを着ることがあれば、また考えを変える可能性もあるとも語っていた。
ながさわさん、肩肘張らず来年以降も!
【参考】ながさわたかひろ進退表明後編
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普通はリンクを貼るのだが、結構長いのと、もう一つの理由で貼らないことにする。検索すればヒットすると思うのでお手数をおかけするが、興味のある方はぜひ!
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