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2013年1月 8日 (火)

2013年のジャイアンツを占う…代わりのいない選手の代わりは!?

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昨年はセ・リーグ公式戦、セ・パ交流戦、クライマックスシリーズ、日本シリーズ、アジアシリーズと5冠を制したジャイアンツ。今季は二年連続日本一も期待される。メジャー通算
92本塁打の右打者、ホセ・ロペス内野手の獲得も決まった。ドラフト会議では“二年越しの恋人”菅野智之の獲得にも成功し、盤石に思えるジャイアンツ。だが、実際に二年連続日本一となると、ジャイアンツではV9時代にまで遡らなければならない。リーグ二連覇は果たせても、連続日本一からは遠ざかっている。もちろんリーグ二連覇自体が容易な事では無いのだが…

昨日のファイターズに続き、もう一つの贔屓球団ジャイアンツも占ってみよう。


獲得を目指していた右の好打者、ケーシー・マギーはゴールデンイーグルスへの入団が確実なようで取り逃したものの、メジャー時代の実績ではマギーより上の
92本塁打を放った同じ右打ちの内野手、ホセ・ロペスの獲得が発表された。さらなる打線の強化に抜かりはない。

ロペスが評判通りの働きをすれば、ジャイアンツが(日本の他球団経由でなく自前で獲得してきた)外国人選手としては1995年、1996年のシェーン・マック以来の規定打席到達者となるかもしれない。

ロペスの本職は二塁手だそうだが、経験のある一塁手として原辰徳監督は起用する構想らしい。二年続きの不振から脱却を図る小笠原道大の復調を待つようなチームではないから、そういう起用法になるのだろうが、藤村大介、寺内崇幸を中心とした二塁手としてのポジション争いも競争意識でさらに過熱することでレベルアップを期待したい。ロペスの一塁固定にめどが立てば、大田泰示を便利屋扱いすることもなく外野手一本に絞らせられるだろう。

 

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個人的には二年続きの不振で後がない小笠原道大と、やはりベテランの域に達した高橋由伸、谷佳知がうまく脇に回ってチームを支えれば、故障者が出ないという条件付きでかなり期待は出来ると思う。


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故障の不安が常につきまとうのは捕手の阿部慎之助で、捕手というポジション柄ある意味職業病とも言えそうだが、實松一成と三年契約を結んだのも危機回避の一環だと思われる。
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ただ贅沢を言えばきりがないが、阿部が抜けると實松に次ぐ捕手が不安。一応加藤健がいるが、長年阿部の天下だったこともあり二十歳代の捕手が極端に不安。ゴールデンイーグルスから移籍の井野卓ですら、今年度中に三十歳になり、正真正銘の二十歳代の捕手で一軍経験があるのは市川友也のみ…。ディフェンス面では阿部をかなりカバー出来そうな實松だが、その實松にチャンスで代打を送ったら…くわばらくわばら。

その阿部が今年の開幕前に
34歳になるがレギュラーでは最年長。レギュラークラスに年齢的に不安な選手がいないのは心強いのだが…。

投手陣に眼を向けよう。近年故障がちだったディッキー・ゴンザレスに代わり、マニー・アコスタを獲得した。抑えまたはセットアッパーとして起用する意向らしい。

昨年、日本プロ野球界初の5年連続60試合以上登板を記録した山口鉄也が気になる。
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年連続60試合以上の登板には頭が下がるが、快挙と素直には喜べない。過去にいなかったということはそれだけ異常値であることを意味しないのか?過去の監督、投手コーチは使おうと思えば使えた投手をセーブした結果、年間で60試合以上投げられる投手であっても、それを続けさせなかっただけではないのか。
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久保裕也
の故障は登板過多と無関係ではないだろうし、越智大祐の難病も直接の相関関係こそ不明だが、病気を患う前から調子を落としていた。
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山口がリタイアしてからでは遅い。今季こそは起用法に配慮を加えて欲しいものだが山口をサポートする筆頭候補と予想していた高木京介を先発に回す案が検討されていると言うから何ともはや…。


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高木京介が先発に回るなら昨年後半の高木京の役割を担うのは実績的には高木康成が有力だろう。そして高木康的な役割には辻内崇伸須永英輝に期待したい。生え抜きの元ドラフト1位と、移籍組の元ドラフト1位とでは置かれている立場も違うだろうが、どちらも今年しっかりしないと暮れには東山紀之がナレーションする番組に出演することになるだろう。
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辻内も期待しているが、クビになるか、良くてせいぜい育成選手への降格と想像していた須永が支配下選手のまま残留したのはきっとそれだけの理由があるはず。
個人的には今年の須永に大きく期待している。

スコット・マシソンと西村健太朗がいるにもかかわらず、ゴンザレスの代わりの新外国人がリリーフ型の投手というのは、良く言えば備えあれば憂いなしという発想だが、穿った見方をすると使い捨てとも思える。昨年、いくつかの球団で野手出身の監督と投手コーチの軋轢が表面化したが、川口和久投手総合コーチには時には身体を張ってでも投手達を守る側に回って欲しい。


昨年のポストシーズンを棒に振った杉内俊哉は復帰がWBCとなるのがジャイアンツ的には不安だろうが、それは致し方がないだろう。
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内海哲也
、杉内、澤村拓一デニス・ホールトンの四本柱と宮國椋丞を加えた五人に、昨年の杉内不在時によく穴を埋めてくれた小山雄輝、笠原将生、先発に転向するなら高木京、そして小野淳平らで競うことになるのだろうか。


ドラフト1位の菅野智之は一年間のブランクがあるので、いわゆる「開幕一軍」を見込まない方が良いのではないか。
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あの江川卓でさえ一年間のブランクの影響は大きく、「怪物」の片鱗を見せ始めたのは入団二年目だったからだ。


昨年、五球団を圧倒したジャイアンツが今年もその勢いのままに勝てるほど甘い世界でないことはわかっているつもりだ。特に、山口と阿部に何かあった場合のことは想像するのも恐ろしい。「實松と三年契約を結んでおいて良かった…」なんてオチになる様な気がするが…。とにもかくにも、故障に気をつけて長い戦いを戦い抜いて最後にファンをまた楽しませて欲しい。

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コメント

のんき様、再コメントをありがとうございます。

> >現役時代に超一流選手だと二軍の選手を育てられないのですか?

> 尾花投手は私が子供のころ、巨人戦に強かった印象が強いので、超一流投手と感じたのかもしれません。データでは違うのかもしれませんね。

> 一流選手が二軍の選手を育てられない可能性もあるくらいのニュアンスで書きました。

てっきり断定的に書いたのかと…。

> どうしても一流選手だった投手は自分目線で選手を見てしまう傾向があると思います。よって、高いレベルを求めてしまう傾向があると感じています。基本ができている選手の軌道修正をするというのが向いていると思います。

二軍を担当するのは初めてだと思いますが、ジャイアンツ以外に多くの球団でコーチをしてきた経験の持ち主です。あまりその心配は要らないと思います。

> 高校出たてで、体幹を鍛えるところから、こつこつ教えるのは、敗戦処理。様が言われるように、阿波野、豊田、コーチの方がよいかもしれません。

でも阿波野も豊田も大学からプロに入った投手で最初から一軍でバリバリ活躍した投手ですよ。

> >役割的には以前の小谷コーチのように、不振で二軍落ちした一軍レベルの投手をフォローするとかなのではないかと推測します。

> 私もこの役割の方がよいと思います。尾花コーチが2軍の投手コーチになるのなら、東野をひきとめておいた方がよかったと思います。

だから単なる“二軍投手コーチ”でなく“二軍投手総合コーチ”なのでしょうね…(他球団で監督経験者だから肩書きに配慮したというのもあるかもしれませんが)。

> 後は、高木京の先発転向は反対です。全力で投げるタイプなので、長い回は持たないと思います。2~3試合はよかったとしても、シーズンを通してコンスタントな成績を残せる可能性は高くないと思います。

> それよりも、ここぞという場面のワンポイントとか、主軸が回ってくる回の1回限定のリリーフが、高木京には向いていると思います。

山口に次ぐ左のリリーフの一番手だと思います。どのくらい本気の構想なのかわかりませんが、私もリリーフでさらに磨きをかけて欲しいと思っています。

投稿: 敗戦処理。 | 2013年1月13日 (日) 00時05分

敗戦処理。様、コメントをありがとうございます。のんきです。

>現役時代に超一流選手だと二軍の選手を育てられないのですか?

尾花投手は私が子供のころ、巨人戦に強かった印象が強いので、超一流投手と感じたのかもしれません。データでは違うのかもしれませんね。

一流選手が二軍の選手を育てられない可能性もあるくらいのニュアンスで書きました。

どうしても一流選手だった投手は自分目線で選手を見てしまう傾向があると思います。よって、高いレベルを求めてしまう傾向があると感じています。基本ができている選手の軌道修正をするというのが向いていると思います。

高校出たてで、体幹を鍛えるところから、こつこつ教えるのは、敗戦処理。様が言われるように、阿波野、豊田、コーチの方がよいかもしれません。

>役割的には以前の小谷コーチのように、不振で二軍落ちした一軍レベルの投手をフォローするとかなのではないかと推測します。

私もこの役割の方がよいと思います。尾花コーチが2軍の投手コーチになるのなら、東野をひきとめておいた方がよかったと思います。

尾花コーチのもと、WBC組がいない間、貴重な先発投手として活躍する可能性があったと思います。

ま、本人が移籍を希望したのでは、仕方ないですが。

後は、高木京の先発転向は反対です。全力で投げるタイプなので、長い回は持たないと思います。2~3試合はよかったとしても、シーズンを通してコンスタントな成績を残せる可能性は高くないと思います。

それよりも、ここぞという場面のワンポイントとか、主軸が回ってくる回の1回限定のリリーフが、高木京には向いていると思います。

頑張れ巨人軍
のんき

投稿: のんき | 2013年1月12日 (土) 09時20分

のんき様、コメントをありがとうございます。

> 今年は、個人的には巨人選手が多くでなければならないWBCがあるので、開幕直後はよくても、WBC組がばててくる時期が心配です。

確かに。私は逆に時差ぼけその他で開幕直後がヤバイかと思っていましたが…。

> ただ、尾花コーチは選手時代、超一流投手でしたから、1軍の一流投手を育てられても、基本もできていない、2軍の選手を育てられるかが心配です。

ちょっと待ってくださいよ。現役時代に超一流選手だと二軍の選手を育てられないのですか?

(それ以前に尾花が超一流と言えるのかというのもありますが…)

ただ二軍を教えるのは初めてですね。まあ実際には豊田と阿波野の両コーチが直接的な指導をして、尾花コーチはそれらを統括、文字通り“総合コーチ”なのでしょう。

役割的には以前の小谷コーチのように、不振で二軍落ちした一軍レベルの投手をフォローするとかなのではないかと推測します。

> 個人的には、リーグ2連覇を狙って欲しいと願っています。セリーグでは唯一狙える球団なので。

そうですね、また優勝して欲しいです。14日に、行けたらジャイアンツ球場の新人合同自主トレを観てこようかなと思ってます。

投稿: 敗戦処理。 | 2013年1月12日 (土) 00時37分

敗戦処理。様、こんばんは。のんきです。

今年は、個人的には巨人選手が多くでなければならないWBCがあるので、開幕直後はよくても、WBC組がばててくる時期が心配です。

代わりに出てくれる選手がいればよいのですが。。。

橋上コーチもWBCにとられてしまうので、戦略的にも心配があります。

また、もちろん、山口投手の登板過多は気になります。同点や僅差で負けている試合には、登板させるべきではないと思います。

ところで、2軍の投手コーチに尾花コーチが入ってくれたのはびっくりしました。尾花コーチの去った次の年に、防御率が1点程度悪化したので。

ただ、尾花コーチは選手時代、超一流投手でしたから、1軍の一流投手を育てられても、基本もできていない、2軍の選手を育てられるかが心配です。

昨年と状況がかなり違うので、期待3割心配7割といったところです。

個人的には、リーグ2連覇を狙って欲しいと願っています。セリーグでは唯一狙える球団なので。

頑張れ巨人軍
のんき

投稿: のんき | 2013年1月11日 (金) 21時52分

チェンジアップ様、コメントをありがとうございます。

> 単純に巨人の戦力は今年も突出してると思いますけどね。
中日とヤクルトが離れた2位争いかな?と。そこに広島が加わると面白いんですけどね。

そんなにうまくいかないとは思いますが、現時点ではかなり期待が持てると思います。

> 巨人で気になるのは、阿部の体調かな?
昨秋・・アジアシリーズとかキューバ戦などは、気の毒だった。「休ませてやれよ」と思ったし、阿部を潰す気か?とか思ったほどですよ、私は。

そこまで出続けて、ジャイアンツでは真のリーダーとみなされるのです。

善し悪しはともかく、それがジャイアンツです。

投稿: 敗戦処理。 | 2013年1月10日 (木) 00時22分

なたか様、初めまして。コメントをありがとうございます。

> 実松はまだまだ阿部の足元にもおよばないと思います
カバーはそこそこできても

固定できる正捕手がいるチームの第二捕手としては充分及第点だと思います。

> 実松ら捕逸が多くてそれだけでなん失点もしてるし、杉内とくんだら杉内9失点しちゃうんですからww

記録上は昨年が53試合で1捕逸、一昨年が18試合で1捕逸。捕逸が多い捕手という印象は少なくとも私にはありません。

9月22日の杉内9失点の試合(対スワローズ)は私も東京ドームで観ていましたが、確かにあの試合の杉内は別人のような感じでしたね。

調べると昨年杉内が先発した試合で實松がスタメンマスクだった試合はその試合を含めて3試合。残り2試合は完封勝利と7回自責点0で決して杉内と實松が相性が悪かったということは無いようです。

> 実松に体して投げるときだけは杉内暴投連発だし。

杉内、實松のバッテリーでは7回自責点0だった8月9日の対タイガース戦で3度、9失点したスワローズ戦で1度、計4度も暴投を投げていますね。年間で9暴投の内の4度ですから、確かに多いですね。

> 2番手としての出来ならまだ普通より良い方だと思いますけど。

そこが貴重なのですよ。ファイターズの鶴岡と大野のように実力が割と拮抗している例は稀少ですから、實松の存在は貴重だと思います。

投稿: 敗戦処理。 | 2013年1月10日 (木) 00時18分

みつるぼん様、コメントをありがとうございます。

> 今年もブログでもよろしくお願いします。

こちらこそよろしくお願いします。

> ライバルを見渡すと、ドラゴンズは外国人流出で戦力ダウン、タイガースは藤川抜けた後のリリーフ陣が手薄、全球団にCS進出チャンスありの戦国時代、パワーバランスが分散してきましたね。ジャイアンツからすると強敵不在です。

だといいのですが、蓋を開けてみるとそうでないことが、往々にしてあります<苦笑>。

> 記事に書かれた心配事はある程度中期的な課題で、山口の酷使は気になりますが負担を減らすべく他駒コマを使うこともできるし(それだけのコマがある)首脳陣の裁量しだいですね。阿部の後釜は難問ですが、ヤクルトがポスト古田に苦労したように名捕手にこの問題はつきもの。地道に若手を育成しつつ、大型新人やFA選手を虎視眈々と狙うのが強豪球団のスタイルだと思います。

山口に何かあったら代わりはいませんよ。筆頭候補と見ていた高木京介を先発に回すなら、余計に厳しいです。

まあ、それらを割り引いても、現段階でかなり期待できるとは見ています。楽しみです。

投稿: 敗戦処理。 | 2013年1月 9日 (水) 23時47分

こんにちは。単純に巨人の戦力は今年も突出してると思いますけどね。
中日とヤクルトが離れた2位争いかな?と。そこに広島が加わると面白いんですけどね。

阪神と横浜は5位争いですかね?
横浜はブランコが来たのは+ですが。

巨人で気になるのは、阿部の体調かな?
昨秋・・アジアシリーズとかキューバ戦などは、気の毒だった。「休ませてやれよ」と思ったし、阿部を潰す気か?とか思ったほどですよ、私は。

投稿: チェンジアップ | 2013年1月 9日 (水) 15時03分

実松はまだまだ阿部の足元にもおよばないと思います
カバーはそこそこできても
実松ら捕逸が多くてそれだけでなん失点もしてるし、杉内とくんだら杉内9失点しちゃうんですからww
実松に体して投げるときだけは杉内暴投連発だし。

2番手としての出来ならまだ普通より良い方だと思いますけど。

投稿: なたか | 2013年1月 9日 (水) 10時53分

今年もブログでもよろしくお願いします。

2013年のジャイアンツに関しては、かなーり優勝確率は高いと思っています。現有戦力の底上げ・故障者の復帰・的確な補強、他球団から見ると勘弁してくれ…という充実ぶりでしょう。

しかもライバルを見渡すと、ドラゴンズは外国人流出で戦力ダウン、タイガースは藤川抜けた後のリリーフ陣が手薄、全球団にCS進出チャンスありの戦国時代、パワーバランスが分散してきましたね。ジャイアンツからすると強敵不在です。

記事に書かれた心配事はある程度中期的な課題で、山口の酷使は気になりますが負担を減らすべく他駒コマを使うこともできるし(それだけのコマがある)首脳陣の裁量しだいですね。阿部の後釜は難問ですが、ヤクルトがポスト古田に苦労したように名捕手にこの問題はつきもの。地道に若手を育成しつつ、大型新人やFA選手を虎視眈々と狙うのが強豪球団のスタイルだと思います。

投稿: みつるぼん | 2013年1月 9日 (水) 08時48分

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