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2013年1月26日 (土)

球界版“フィガロの結婚”!?

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昨年
12月に、バファローズの保留者名簿に入っていながらアメリカ大リーグのミルウォーキー・ブルワーズとマイナー契約を結んだとして騒動になったアルフレッド・フィガロ。フィガロの代理人が替わったとかで正確な状況が把握出来ず、ブルワーズが謝罪して契約を断念し、一件落着かと思えたがさにあらず。フィガロ側はアメリカでのプレーを強く要望し、バファローズはついに日本の他球団やアジアのプロ野球界ではプレーしないことを条件に自由契約にし、フィガロとブルワーズが契約を結べる状態にすると言う。

バファローズの村山良雄球団本部長は「本人の都合もあって、米国に残りたい要望があった。制約を付けて保留者名簿から外してあげないといけない」と、コメントした。要は“心ここにあらず”の選手を縛り付けておいても意味がないということだろう。離婚をする前に重婚騒動を起こして既成事実を作り、離婚を勝ち得ようという男女関係に似て無くもない、名作“フィガロの結婚”に例えたらオペラファンに大顰蹙だろうが、見方を変えれば単なる“ゴネ得”にも思える。それでいいの?


(写真:岡田彰布前監督<写真右>時代に二年間所属したアルフレッド・フィガロを手放さざるを得なくなったバファローズの森脇浩司新監督<後ろ姿>。 チーフ野手兼内野守備走塁コーチだった2012年4月撮影)

一応、流れを追ってみよう。バファローズ球団は昨年、

2012年のシーズンを終えて、翌2013年も契約する意思のある選手(その時点で契約更改交渉を行っているか否かを問わない)11月末の時点で連盟に提出した(もちろん他球団も同様)。その中にはアルフレッド・フィガロも含まれている。この時届け出られた選手を“保留選手”と呼び、この時に届けられなかった選手は自由契約選手となる。フィガロはバファローズ球団が来季、即ち今年2013年も契約を更新する予定の選手だ。フィガロはこの状態のまま、昨年12月にアメリカ大リーグのミルウォーキー・ブルワーズとマイナー契約を結ぼうとしたが、二重契約になるわけだから認められない。ブルワーズはバファローズに対し、全面的に謝罪をし、契約を取り消したそうだ。

ところがフィガロ側はバファローズと
2013年の契約をする気はさらさら無く、正真正銘、保留選手から外れた上で新たにブルワーズとマイナー契約を結ぼうという考えのようだから、見出しのように“ゴネ得”なのではないかといいたい のである。

バファローズファンの中には昨年のフィガロの成績が、11試合に登板(すべて先発)05敗、防御率3.09と一昨年の8勝からダウンしていることもあってか、「ゴタゴタになるくらいなら要らない」という意見の持ち主もいるようだが、敗戦処理。はそんな単純な問題ではなく、バファローズ、ひいてはNPBが舐められているのではないかと疑ってしまう。

ここで注意しなければならないのは、例えば昨年までドラゴンズでプレーしていたトニ・ブランコが、ドラゴンズ側は契約続行の意思があるにもかかわらず自由契約を勝ち得て退団して、今年新たにベイスターズと契約するケースと今回のフィガロのケースは明らかに異なることである。
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ブランコに限らず、過去の例えばジャイアンツがアレックス・ラミレスマーク・クルーンセス・グライシンガーらを獲得したケースにも当てはまるのだが、こうした外国人選手はNPBの球団と契約する際に、本人の了承無しに翌年の保留選手に載せないという条項を設けているのだ。それ故に元の所属球団に対し、強気な再契約交渉をぶつけておいて、保留選手提出の時期までに折り合いが付かなければ自由契約にさせろという契約で、実際に自由契約を勝ち得て、より好条件の球団と交渉しているのである。だがフィガロはバファローズが保留選手にしたということはそのような特約を結んでいなかったのだろう。仮に特約を結んでいたのならば、昨年の二重契約騒動の際に代理人側がバファローズ球団に抗戦していただろうから。



ここで、保留選手として載せない項目を特約にすること自体が、外国人選手は日本人選手よりはるかに短期間で実質的にFA権を取得しているのと同じではないかという批判が出てくる。フィガロの件とは直接関係ないので割愛するが、外国人選手はよく“助っ人”と称される通り、働きが悪いとシーズンの途中でも平気でクビになる。日本人選手でシーズン開幕から絶不調でも途中で回顧される選手などまずいないが、外国人選手にはありがちだ。いわばハイリスク・ハイリターンな契約実態がある。これはまた別の機会に提言したい。


昨年のフィガロとブルワーズのマイナー契約は例えてみればかつてのジャイアンツの江川問題、「空白の一日」と同じようなもので、何らの合理性もない契約だ。ブルワーズは謝罪したというが、フィガロが自由契約を勝ち得たらブルワーズのキャンプに参加する予定だという。これはもちろん推測だが、フィガロの代理人は強行突破を最初から狙っていたのではとも考えられる。

ブルワーズに関してはポスティングシステムで独占交渉権を得た青木宣親をテストしてから契約内容を決めるという措置を講じた球団。「日本を代表する安打製造機でもその程度の評価なのか…」と唖然としたが、青木が無事ブルワーズでそれなりの成績を残したのだから、今後もNPB球団を人材供給源の一つと見なすだろう。それならばフィガロ側に対し、「日本での問題を片付けてきたら話に乗るよ」位のスタンスを示しても不思議ではない。

バファローズといえば、2007年にジャイアンツを退団したジェレミー・パウエルを獲得しようとしてホークスに横槍を入れられて獲得を逃す脇の甘さを示した。このオフは寺原隼人のFA移籍という流出に際し、人的補償で馬原孝浩を獲得し、(個人的にはファイターズ側の仕掛けと推測しているが)糸井嘉男の獲得に成功するなど編成の現場のやる気が前面に出ているが、フィガロを簡単に手放してしまう姿勢は如何なものかと思う。

新外国人選手として投手のブランドン・ディクソンと外野手のビニー・ロッティーノを獲得した。ともに推定年俸が3000万円とどの程度の期待感なのか不明だが、これでアーロン・バルディリスイ・デホと合わせて一軍の外国人枠が埋まる。岡田彰布前監督のようにフィガロとエバン・マクレーンを一軍登録を入れ替えながら使い分けるという方針だったのかもしれないが、フィガロの重要度が低くなったのは確かだろう。だが、そういう台所事情はこの際関係あるまい。“ゴネ得”ととらえられかねない悪しき前例を作ってしまうことと、保留選手提出の時点で見極めきれない編成面の手腕は問われて当然であろう。

そして一連の補強は今季だけでなく、オリックスが創業50周年を迎える来2014年をも視野に入れた編成体制だと言われているが、大リーグへの移籍願望が強いと言われている糸井がポスティング移籍を申請してきたらどうするのか?ポスティングシステムの利用に関しては球団は拒否権があるが、かつて入来祐作..佐藤を担当したという糸井の代理人がフィガロのような何らかの裏技を行使して強行してきたときの対応を今から考えて置いた方がよいだろう。

※追記
hamonさんのコメントでのご指摘により、本文中の“ジャック・パウエル”を“ジェレミー・パウエル”に訂正します。

大変失礼致しました。

hamonさん、ご指摘ありがとうございました。

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コメント

hamon様、コメントをありがとうございます。

> 記事中のパウエル選手の名前はジェレミーパウエル選手だったと思います

ご指摘の通りですね。

早速エントリーを訂正させていただきます。

ご指摘ありがとうございます。

投稿: 敗戦処理。 | 2013年1月26日 (土) 22時20分

記事中のパウエル選手の名前はジェレミーパウエル選手だったと思います

投稿: hamon | 2013年1月26日 (土) 21時45分

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