大谷翔平が鎌ヶ谷でプロ初本塁打!
まだオープン戦だからと言えばそれまでだが、とにもかくにも大谷翔平が対外試合で初となる大本塁打を放って鎌ヶ谷のファンを魅了した。
大谷は昨日と同じく「7番・右翼」でスタメン出場。一回表の守備で先頭打者の平田良介のファウルフライを追いかけてスライディングキャッチ。昨日は安打になった打球を処理しただけでいわゆる“守備機会”はなかったが、今日はいきなり打球が飛んできた。今日は大谷に何かが起きるかと思ったが打つ方で待望の一打が飛び出した。
試合はファイターズの先発が森内壽春でドラゴンズは山内壮馬。ファイターズの森内は今月に入って3日、10日と日曜日ごとにイースタン教育リーグで先発していたが、今日は一軍で先発。各種報道によると谷元圭介と森内で一つの先発の枠を争わせているそうだ。
大谷が第一打席に山内にレフトフライに打ち取られて二死になった二回裏、死球で出塁していた鵜久森淳志が鶴岡慎也の打席で暴投により二塁に進むと、鶴岡が上手く右に運んで一、二塁間を破り、ファイターズが先制点。
バックホームの間に鶴岡が二塁まで進むという、いかにもファイターズらしい点の取り方にファイターズファンがわき上がる先制点。
圧巻は続く三回裏。西川遥輝と小谷野栄一の短長打で無死二、三塁とするとマイカ・ホフパワーがセンターオーバーに3ラン本塁打。
一死から鵜久森もセンターのバックスクリーン手前まで運ぶ本塁打で続き、とどめは大谷の右中間への初本塁打(冒頭の写真)。“初本塁打”という点ではあの松井秀喜がルーキーイヤーに東京ドームで高津臣吾から打ったプロ入り第1号を彷彿とさせるミサイルホームランだった。
三回裏を終わって6対0と、ともに投手力を前面に出すチームの対戦とは思えない展開になったが、攻撃を終えてライトの守備に付く大谷を待っていたのはレフトスタンドと三塁側からの“大谷コール”だけでなく、ライトスタンドのドラゴンズ応援団からの暖かい拍手だった。
オープン戦だし、同一リーグじゃないという気楽さというか安心感もあるのか、ドラゴンズファンの暖かい拍手には敗戦処理。も感動。昨日の、大引啓次や赤田将吾に声援を送ったバファローズ応援団といい、胸が熱くなる。スタメン発表や打席に入るときに一塁側のドラゴンズファンから拍手が贈られているのには気付いていたが、まさか本塁打を放っても歓待されるとは…。大谷はレフトスタンドからのコールに応えるのも忘れてドラゴンズ応援団に頭を下げていた。
四回表、ドラゴンズは先頭の山﨑武司が左中間に二塁打を放ち、二死から八番の谷哲也が巻き込むような打撃でレフトのポール際まで運ぶ2ラン。
WBCが終われば、井端弘和が守るショートのポジション。とはいえ井端も今年で38歳。敗戦処理。が提唱<!?>する法則によれば遊撃手がフルに働けるのは37歳まで。 長いシーズンを考えれば井端のバックアップが必要。つい先日、岩崎達郎がゴールデンイーグルスにトレードされて驚いたが、谷はいいアピールが出来たのではないか。
森内はこの一発だけで五回まで投げて2失点。
いいバッターがいないことを除けばほぼベストオーダーと言って差し支えないであろうドラゴンズ打線を相手に合格点を与えられるのではないか。
一方の山内はその裏の四回裏にも一死満塁のピンチを招くとオープン戦では珍しいイニング途中での降板。二番手はC☆B…な訳はなく小熊凌祐(おぐま りょうすけ)。ミケル・アブレイユがライトのフェンス際まで運ぶ犠牲フライでファイターズはこの回も1点を追加。
反撃の失点をした直後に追加点を入れる。これまたファイターズらしい試合運び。
試合はこの後、オープン戦ならではの主力選手が徐々に交代で、荒れていた試合がだんだん落ち着いてくる。ファイターズは三回裏の時点で小谷野に代走、飯山裕志が送られたが代走で出る選手の方が年上でスタンドから笑いが起きてきた。
途中出場組では赤田に代わって四回からセンターに入った浅沼寿紀が五回にライト線に二塁打を放った。
昨日の松本剛に続き、一軍初安打。自信を付けて今後につなげて欲しい。
ファイターズの二番手はダスティン・モルケン。
WBCのカナダ代表に参加していたが、戦列に戻ってきてオープン戦初登板。四番からのドラゴンズ打線をあっさりと三人で片付けた。モルケンは“モルケンボーク”と揶揄されるように走者を置いてからバタバタするのが心配の種なのだが今日はそういう展開にならなかった。気持ち的には走者を置いての投球を見たかったが…。
ボビー・ケッペルが復帰すればファイターズの外国人選手はアブレイユを含めて5人。少なくとも誰か一人はファームに回らざるを得ない。昨年の開幕時と比べると田中賢介、糸井嘉男、ターメル・スレッジと三人の主力が抜けていることを考えると、右打者ではあるがアブレイユも出来れば使いたい。ケッペルとモルケンの争いになるのだろうか…。
七回表には三番手の植村祐介が四球を連発。
先頭打者から二者連続でストレートの四球。たまらず黒木知宏投手コーチが出てきて身振り手振りで指導。
ジョニーでなくてデニーだったら鉄拳制裁だったかもしれないが、その檄も効果なく二死から三つ目の四球を与えたところで左の森野将彦に対してサウスポーの乾真大を投入。
乾もツーボールナッシングにしてしまうが森野を投ゴロに打ち取った。
この後、八回に登板した石井裕也も四球を二つ出すなど安定感に欠けていたが、最終回は増井浩俊が三人で締めた。
またファイターズは八回裏にも二死から西川がこの日三本目の安打を放つと、すかさず二盗。これまた途中出場の飯山がライト前に放ち、1点を追加した。
終わってみれば8対2でファイターズが圧勝した。
【17日・ファイターズスタジアム】
D 000 200 000 =2
F 015 100 01× =8
D)●山内、小熊、岡田、武藤-谷繁、田中
F)○森内、モルケン、植村、乾、石井、増井-鶴岡、大野
本塁打)ホフパワー3号3ラン(山内・3回)、鵜久森1号ソロ(山内・3回)、大谷1号ソロ(山内・3回)、谷1号2ラン(森内・4回)
今日の大谷は第一打席から左飛、右中間本塁打、三振、三ゴロと4打数1安打。イースタン教育リーグでは4試合で14打数5安打3打点、打率.357と結果を残せているが、一軍オープン戦では前日まで7打数0安打だった。今日も初安打、初本塁打を放ったとは言え4打数1安打だから一軍オープン戦の打率は.091となる。打者としても非凡なものがあるのは間違いなさそうだが、まだまだ一軍のレベルには壁が厚いように思える。
21日に東京ドームでのゴールデンイーグルスとの一軍オープン戦でいわゆる“二刀流”を実践するというが、その後に待っているものはファームでの調整ということになるかもしれない。
守備では上述のように一回表の先頭打者の右邪飛をスライディングキャッチするなど前日とは打って変わってライトフライがよく飛んできたが、七回表無死一、二塁から高橋周平のライトフライを捕って、タッチアップする三塁走者を刺そうとした返球がカットマンの位置とは違って三塁手の飯山がレフト寄りに移って捕球するコースに行ってしまったのが残念だった。
これまではDHでの出場だったが外野を守るのならカットマンへの返球など基本的な練習を反復して身につけてもらいたい。
求めるものが高いので、苦言を書いてしまったが、この時期に一軍のオープン戦で特大の本塁打を見せてくれるだけで本来“規格外”なのだ。松井秀喜の1号本塁打と比較してしまったが、敗戦処理。の記憶に誤りがなければ、松井秀喜は一年目の治のオープン戦で本塁打を放っていないと思うから、それだけでも大したものだ…。今日はWBCの日本絡みの試合もない。今夜のスポーツニュースや、明日のスポーツ新聞では大きく扱ってくれるのではないか…。
日曜日、大谷見たさ、そしてさすがにセ・リーグの人気強豪チームドラゴンズとの対戦とあって、昨日のバファローズ戦を上回る4,586人が入場した。
ファイターズスタジアムで行われたオープン戦では過去最多だそうだ。
P.S.
【本日のオマケ】
試合終了後のライトスタンドの一コマ
今日は昨日左手首に死球を受けた陽岱鋼が欠場したが、陽岱鋼が出場していたらこの横断幕を掲げるつもりだったのだろうか…。
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