38歳井端弘和、宮本慎也を抜いて遊撃手出場試合数で現役トップに。歴代でも7位に浮上!
ドラゴンズの井端弘和が昨日19日のホークス戦での「七番・遊撃手」としての出場で、遊撃手としての出場試合数が1451試合となり、前日並んだスワローズ宮本慎也を抜いて遊撃手としての出場数で現役単独1位となった。宮本は三塁手に転向していることもあって、19日と20日のゴールデンイーグルス戦にも遊撃手としては出場せず井端に抜かれた。
宮本が三塁手専任となっていることから、再逆転の可能性は低そうだ。井端の遊撃手としての1451試合出場は歴代でも単独7位となり、今季中に6位の小池兼司の1494試合、さらには5位の高橋慶彦の1543試合をも抜く可能性がある。そうなれば文字通り、日本のプロ野球で五本の指に入る長持ちの遊撃手となる。
(写真:遊撃手としての出場試合数が歴代単独7位になったドラゴンズの井端弘和。 2012年10月撮影)
拙blogでは何度か触れているが、内野手の中で最も肉体的負荷が大きいと言われる遊撃手のポジションをベテランの域に達しても守り続けるのは至難の業である。
ポジション別の歴代最多出場選手を見てみよう。
投手 米田哲也 949試合
捕手 野村克也 2921試合
一塁手 王貞治 2799試合
二塁手 高木守道 2179試合
三塁手 長嶋茂雄 2172試合
遊撃手 石井琢朗 1767試合
外野手 張本勲 2429試合
金本知憲 2410試合
福本豊 2293試合
(2012年終了まで)
投手を別にすれば、2000試合出場の選手が出ていないのは遊撃手だけ。これだけでもいかにハードなポジションか想像できる。
ではその遊撃手の歴代出場試合数記録を見てみる。これも昨年まで。
1位 石井琢朗 1767試合
2位 吉田義男 1730試合
3位 豊田泰光 1579試合
4位 白石勝巳 1561試合
5位 高橋慶彦 1543試合
6位 小池兼司 1494試合
7位 宮本慎也 1449試合
8位 井端弘和 1407試合
9位 河埜和正 1370試合
10位 松井稼頭央1368試合
足腰により負担がかかると言われる人工芝の球場が大半となっていながら、昨年まで現役だった石井琢朗が歴代トップなのはあっぱれと言うしかないが、宮本慎也、井端弘和、松井稼頭央と現役選手が三人も10位以内に入っている。宮本は既に遊撃手から三塁手に転向しているので今年の開幕から井端は差を縮める一方。今季宮本が1試合だけ遊撃手として守備に付いたが、井端は18日に追いつき、19日に初めて追い抜いた。
逆に言えば井端に抜かれた宮本は遊撃手から三塁手に転向したことで選手生活を長くしていると言える。
これが重要で、多くの遊撃手は何らかの事情で他のポジションに回ることが多い。
打撃を活かす。守備力に衰えが出たなど状況は様々だが、遊撃手から他のポジションに回る選手は多い。だからこそポジション別最多出場選手で他のポジションより少ないとも言える。
そんななか、井端を含め、昨年は松井、金子誠が同じ37歳になる年度で、守備の規定出場数(投手の規定投球回数、打者の規定打席数に相当。遊撃手の場合は試合数の3分の2。)96を超えた。これは快挙であり、実はこれまで敗戦処理。が調べた限りでは38歳、または38歳を超える年齢で遊撃手として守備の規定出場数を超えた選手がいない。直近では宮本と石井も37歳止まりである。
この点ではこの三人には38歳になる年度の今季、96試合以上遊撃手として出場して欲しいものだが、故障で出遅れた金子誠は今季は二塁手に回っており、一塁手、二塁手、三塁手としては出場したが遊撃手としてはまだ出場していない。井端と松井には期待したい。
井端は遊撃手としての出場試合数が1451試合となって歴代単独7位となった。第6位の元ホークスの小池兼司が1494試合だから43試合差。今季中に抜くのが見えてきた。その上の第5位の元カープなどの高橋慶彦とは92試合差。今季の残り試合が100試合だから不可能ではないが今季中に抜くのは難しいかもしれない。
(今季の記録は5月19日現在。以下同じ)
それというのも、38歳という年齢に加え、井端らしからぬ打撃不振でこのままでは早晩ポジションを奪われる可能性も無いとは言えないからである。WBCでは神がかり的な勝負強さを発揮して日本中の野球ファンに「井端はいいバッター」との親父ギャグを口にさせたが、その反動か、ドラゴンズでの打撃には精彩を欠いている。そしてそればかりか、14日のファイターズ戦では中継プレイに入らなかった云々で高木守道監督と揉めたと言われる…。高木監督が鬼の決断をするか、それでなくても休養をはさみながらと考えても不思議でなく、今季中に高橋慶彦超えは難しいかもしれない。
もう一人の松井は今季開幕後に元ジャイアンツの河埜和正を抜いて9位になっているが、井端に抜かれて8位になった宮本にも45試合差と迫っている。今季中に抜きたいところだ。
松井は大リーグに行ってからゴールデンイーグルスで日本球界に復帰するまでの間に7年間のブランクがあり、それでこの位置にいるというのは素晴らしい。
他に現役では鳥谷敬が順調なら来年には河埜を抜いて歴代10位に入る。鳥谷はまだ今年で32歳。鳥谷は今季を含め、(今までよりペースダウンしたとして)毎年130試合のペースで遊撃手として出場すると、2017年、36歳になるシーズンに石井琢朗の1767試合を抜くことになる。故障とコンバートと大リーグ流出がなければという条件付きながら、日本プロ野球歴代ナンバーワンの出場数を記録する遊撃手になる期待がかかる。
「shortstoprank.xls」をダウンロード
(鳥谷の出場ペースに関してはExcelのタグ“年齢別出場数”をクリック)
いずれにしても、人工芝球場が大半の時代に、最も肉体的に負荷がかかると言われるポジションである遊撃手として石井といい、井端といい、長寿の選手が出ていることはもっともっとマスコミも取り上げて欲しい。
【参考資料】
「THE OFFICIAL BASEBALL ENCYCLOPEDIA 2004」日本野球機構
「ベースボール・レコードブック」各年度版 ベースボール・マガジン社
今季の記録は日本野球機構のHPによる。
| 固定リンク
« 捕手受難のスワローズ、相川亮二スタメンマスク出場の一方で若手捕手がまた… | トップページ | 敢えて言う。大谷翔平に“二刀流”を究めさせたいなら投打ともファームで腕を磨かせるべきではないか!? »
この記事へのコメントは終了しました。
コメント