捕手受難のスワローズ、相川亮二スタメンマスク出場の一方で若手捕手がまた…
府中市民球場で行われたイースタン・リーグ公式戦、ジャイアンツ対スワローズ戦で、左肩鎖関節亜脱臼で戦列を離れている相川亮二がスタメンマスクをかぶって元気な姿を見せた一方、相川に代わって途中出場した八年目の水野祐希がホーム上のクロスプレーでジャイアンツの横川史学と交錯。アウトにしてチェンジになったものの一時はその場から動けず。球場の空気が一瞬凍りついた。
水野はこの後もマスクをかぶり続けたが、田中雅彦がタックルを受けて左鎖骨を骨折してから一週間での出来事だけに不安を増長させた。こういうシーンは敗戦処理。としても贔屓チームの選手であろうとなかろうと、いやなものだ…。
(写真:七回裏二死一、二塁から丸毛謙一のレフト前安打でホームに突入した二塁走者の横川史学をクロスプレーながらアウトにした捕手の水野祐希。この後うずくまり、しばらく動けなかった。)
特にファイターズのファームの試合を見ていると感じるが、選手にとってはチームメートもライバルと考えれば、別の選手の故障は自分にとってのチャンスのはずだが、度が過ぎると試合でメンバーを組むのがやっとという状態になる。スワローズはさすがにそこまではいっていないが、正捕手の相川亮二と、その相川不在の間を守っていた田中雅彦までが負傷欠場となると、呪われているのかと思うスワローズファンも少なくないだろう。
水野祐希
球界で最も女優っぽい名前の選手と言われて久しいが、早くも八年目で現在25歳。本来なら今こそ一軍に上がっていたい時期だが、まだ一軍公式戦の出場経験がない。後輩の西田明央に先を越されてショックかもしれないが、何とかチャンスをつかんで欲しい。
今日(19日)は鎌ヶ谷も気になるところだったが、地元にほど近い府中市民球場でのイースタン公式戦ということで、ジャイアンツ対スワローズ戦の観戦を選んだ。
府中といえば東京競馬場。
一週間後の26日には東京競馬場で第80回日本ダービーが行われる。京王線の新宿駅などは既に仰々しく告知している。
ジャイアンツとスワローズは一軍がともに東京都をホームタウンにしているからこのカードは“東京ダービー”とも言える。来週の日本ダービーの前契機を煽るには格好の舞台であったが、そのPRは昨日神宮球場で行われていた。
いやはや、最近のかつらは精密に…と感心している場合ではない。この試合では高野律雄府中市長が始球式を務めた。
ちなみに写真の左端は今秋行われる東京国体のマスコットのゆりーと君だ。
試合はジャイアンツの先発が小山雄輝で、スワローズの先発がラファエル・フェルナンデス。スワローズは左肩鎖関節亜脱臼で戦列を離れている相川が二度目のスタメンマスク。奇しくも今春のWBC出場バッテリーとなった。
フェルナンデスの立ち上がりは酷かった。
先頭の橋本到に初回裏先頭打者本塁打を食らったと思ったら、その後三連続四球。ジャイアンツはそこから横川史学、坂口真規に連続タイムリーが出て4点を奪った。
さらに無死一、二塁と追加点のチャンスが続いたが、隠善智也、丸毛謙一、市川友也が倒れ、フラフラのフェルナンデスにとどめを刺すことが出来なかった。
こういう投手が往々にして立ち直って別人のような投球をするのがファームの試合なのだが、ジャイアンツ打線はフェルナンデスを三回に再び捕える。
横川の安打と暴投でつかんだ一死二塁から隠善がセンター前に弾き返して1点を追加。
この後、丸毛が投手強襲安打。ライナーで左手のグラブに当たったように見えたが、フェルナンデスは左手を痛そうにしたままベンチに下がり、降板。
三回で5対0と、先発投手にとっては大きな援護だったはずだが、直後に小山が乱れた。
先頭の松井淳に死球を与えて動揺したか、続く「六番・捕手」でスタメン出場の相川がセンター前に運んで無死一、二塁。
続く藤本敦士こそ打ち取ったものの、小山は川崎成晃、又野知弥、荒木貴裕、山田哲人に相次いでタイムリーを打たれ、5対4と1点差に迫られた。
なんかこのところ縁深くなっている“馬鹿試合”にはまりそうだったが、スワローズのリリーフ陣と、小山が五回以降立ち直り、5対4のままイニングが進んでいった。
スワローズの相川は15日のフューチャーズ戦から実戦復帰。「五番・捕手」でスタメン出場し、2イニングだけながら久々にマスクをかぶった。打っては1打数0安打。イースタン公式戦では17日からのこのカードに出場。昨日はDHでの出場だったので二試合ぶりのスタメンマスクとなった。
素人目には故障上がりの選手という感じでは無かった。打撃は遊ゴロ併殺打の後、上述のセンター前安打、そして第三打席では一、二塁間を破って3打数2安打。
三試合で8打数4安打となった。
一軍では若き司令塔・中村悠平が頑張っているが、相川がいるのといないのとでは大違い。動きに問題ないと判断されれば、相川の一軍復帰も近いのではないか。
相川に代わって六回裏からマスクをかぶったのが上述の水野。阿部健太とバッテリーを組んだ。七回裏二死一、二塁のジャイアンツにとっては追加点のチャンス。スワローズにとってはこれ以上1点もやりたくない場面で丸毛の安打でホームに突入した横川をレフトの飯原誉士のバックホームで刺したのだが、その際の交錯で一瞬ヒヤリとさせた。水野は最後までマスクをかぶり続けた。どうやら大事には至らなかったようだ。
ジャイアンツは立ち直った小山が六回まで投げ、その後は野間口貴彦、公文克彦、香月良太で1イニングずつつないで5対4で逃げ切った。
今日は弟のマリーンズ香月良仁もセーブこそ記録されなかったもののイースタンのファイターズ戦で勝ち試合の最後のマウンドに立っていたそうだ。兄弟対決も近いか…イースタンで<小声>。
【19日・府中市民球場】
Ys 000 400 000 =4
G 401 000 00× =5
Ys)●フェルナンデス、太田、大場、阿部、久古、松井光-相川、水野
G)○小山、野間口、公文、S香月-市川
本塁打)橋本1号ソロ(フェルナンデス・1回)=初回裏先頭
ジャイアンツの選手の中では三番手の公文を初めて生で見た。ルーキーながらイースタンで頻繁にショートリリーフで登板していて、前日まで13試合に登板して0勝3敗ながら防御率1.88が光る。14回1/3を投げて12奪三振ながら11四死球、13被安打と、登板あたり1イニング投げて三振、四死球、安打がいつもセットのようだ。
フォームは特にクセがなく相手打者を幻惑するタイプでは無さそうだ。高知高、大阪ガスを経てのドラフト4位。球団も即戦力と期待しているのかじっくり育てるのか…昨年の高木京介の背番号57を受け継いだ点に即戦力としての期待の大きさを感じさせるが…。この日は三振こそ奪えなかったが、四球の走者を出したのみで無失点に抑えた。
序盤と中盤以降のコントラストが大きい試合展開だったが、それでも3時間半を超えるロングゲームとなった。午後1時試合開始だったから、普通に3時間弱で終わると京王線で帰るファンは東京競馬場帰りの利用者ともろに重なる可能性もあったから結果オーライか…。
ジャイアンツファン目線ではあと1点か2点、追加点を奪えなかったものかと思う。スワローズ必死の小刻みな継投が立ちはだかった。
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コメント
チェンジアップ様、コメントをありがとうございます。
> 捕手以前にヤクルトの故障者の数の多さは異常です。
確かに他のポジションも含めて多いですね。
> トレーニングコーチは何をしてるのか?ということですね。
試合中の不可抗力のアクシデントもあるでしょうから一概にトレーニングコーチの問題ではないかもしれませんが、何か抜本的に手を打つ必要があるでしょう。
投稿: 敗戦処理。 | 2013年6月 9日 (日) 21時26分
こんにちは。捕手以前にヤクルトの故障者の数の多さは異常です。
トレーニングコーチは何をしてるのか?ということですね。
投稿: チェンジアップ | 2013年6月 9日 (日) 11時51分
HARA88様、コメントをありがとうございます。
日曜日はお疲れ様でした。
> 初めて府中市民球場に行きましたが、この間の南アルプスの時と違って時間を気にせず観戦が出来ました(笑)。
私は終電まで7時間くらい余裕がありましたよ<笑>。
> 点数的には1点差でジャイアンツが勝ちましたが欲を言うと終盤に追加点が欲しかったですね。
スワローズは先発のフェルナンデス以外は好投してましたからね。トップ写真の横川の安打が出た回以外はほとんどチャンスすらなかったですね。
タイミングからしてアウトっぽかったのに回した結果、あわや双方ともケガというシーンですからね…何ともはや…。
投稿: 敗戦処理。 | 2013年5月21日 (火) 00時57分
白老改めtsuchi様、コメントをありがとうございます。
ブログもtwitterもよろしくお願いします。
> 巨人のファームの試合はG+で月に数回あれば良い方なのでありがたいです。(他のチームはそもそも中継自体がない場合が多いので恵まれているのかもですが)
大谷や斎藤佑樹が投げるとGAORAが“緊急生中継!”するくらいですかね<笑>。
> 巨人の選手では丸毛に期待しているのですが一発の魅力はありますし、盗塁も出来る。ただ、率がいまのところ厳しい状態ですね。劣化版大田のような現状ですがここからの成長に期待しています。
丸毛は開幕当初は四番を任されてましたからね…。岡崎監督によるとこれまで足を活かすことにばかり考えが行っていたので、打撃の素質を磨くために脚力をあまり問題にしない四番を打たせて適性を試したと言っています。
とりあえずは今の打順で結果を出し続けるしかないでしょうね。
投稿: 敗戦処理。 | 2013年5月21日 (火) 00時51分
遅くなりましたが昨日はお疲れ様でした。
初めて府中市民球場に行きましたが、この間の南アルプスの時と違って時間を気にせず観戦が出来ました(笑)。
点数的には1点差でジャイアンツが勝ちましたが欲を言うと終盤に追加点が欲しかったですね。
横川と水野のクロスプレーのシーンは見ててヒヤッとしましたよ。
投稿: HARA88 | 2013年5月20日 (月) 22時01分
巨人のファームの試合はG+で月に数回あれば
良い方なのでありがたいです。(他のチームはそもそも中継自体がない場合が多いので恵まれているのかもですが)
ヤクルトはネタにされる位に怪我が多いですね。それが代用の効きにくい捕手なら特にブログ内にある通り度が過ぎると試合でメンバーを組むのがやっとという状態ですね。
巨人の選手では丸毛に期待しているのですが一発の魅力はありますし、盗塁も出来る。ただ、率がいまのところ厳しい状態ですね。劣化版大田のような現状ですがここからの成長に期待しています。
投稿: 白老改めtsuchi | 2013年5月20日 (月) 15時58分