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2013年8月22日 (木)

週刊ベースボールの名物連載“豊田泰光のオレが許さん!”が次週発売号で終了

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日発売の「週刊ベースボール92日号」(ベースボール・マガジン社刊)をめくっていて驚いた。同誌の名物連載、“豊田泰光のオレが許さん!”が次週発売号をもって終了すると、同連載の誌面で豊田泰光さん本人が書いている。

1994年に連載がスタートした“豊田泰光のオレが許さん!”は今号でちょうど1000回。本人自ら「来週号で1001回。ここで終わりにしましょう」と冒頭で書いている。


(写真:大相撲の元関脇・逆鉾伸重の引退相撲の断髪式で鋏を入れる豊田泰光。今度は自らが連載“引退”する立場に…。 1993年撮影)



最新号、
92日号の“豊田泰光のオレが許さん!”はいきなり終了宣言から始まる。

「この連載も今回で1000回。94年にスタートして20年。まあ、そろそろ潮時かな、と思っています。言いたいことを言い尽くしたワケではありませんが、このへんでピリオドを打つことにします。来週号で1001回。ここで終わりにしましょう。」

区切りで考えれば1000回でやめた方がいいようにも思えるが、豊田さんは「千一夜物語」と語呂合わせしている。今週号の内容は大雑把にこの二十年間のプロ野球を振り返っている。
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豊田泰光
、昭和
10(1935)212日生まれだから、現在78歳。西鉄ライオンズ黄金時代の中心選手の一人であることは知られているが、さすがに敗戦処理。は現役時代を知らない。現役引退後は一年間だけコーチ経験があるだけで他は一貫して評論家生活。かつてはフジテレビの野球中継やプロ野球ニュースで活躍していたが、フジテレビのお家騒動(鹿内家騒動)による利害対立の煽りを受けて専属契約を解かれ、テレビ東京に移って月曜夜のスポーツニュースで青田昇氏、有本義明氏、ダンカンと面白おかしく野球に関する話題を取り上げて話題になったがその後、フジテレビに復帰。現在は週刊ベースボールと、日本経済新聞の連載“チェンジアップ”で健筆をふるっている。

ライオンズ・クラシックのエグゼクティブ・プロデューサーとしても知られる。
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昨年の「稲尾和久生誕
75周年 永久欠番メモリアルゲーム」では現役引退後、しかも故人となってからようやく永久欠番と功績を讃えられた稲尾和久さんをお祝いするスピーチで、感極まって涙声でスピーチにならなかったことにも驚かされたが、足取りに年齢を感じさせた。
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個人的には豊田さんの週刊ベースボールの連載はあまり真剣に読んでいない。日本経済新聞のスポーツ欄と異なり、野球ファンのみを対象と言っても良いであろう専門誌でのコラムだけに毎号歯に衣を着せぬ提言を…といいたいところだが、近年特に、昔話が多くなるのはともかくとしても建設的な批判よりも愚痴が多くなったと感じていたからである。むしろ敗戦処理。よりももっと若い世代の野球ファンに向けて、今の日本のプロ野球にはこれこれこういう問題点がある…という啓蒙には意義の深い連載だとは思うが…。


敗戦処理。が“この人は違うな…”と感じ始めたのは1990年代後半、パ・リーグで小笠原道大中村紀洋が頭角を現した頃、豊田さんは“あんなただ大振りする選手がタイトル争いにまで顔を出すようではパ・リーグ投手陣のレベル低下が心配”と一刀両断。特にただ大振りするだけの小笠原が本塁打王争いならまだしも首位打者争いすることが我慢ならなかったようだった。豊田さんの頭には、なぜただ大振りするだけの選手が相手の警戒を打ち破って中村なら本塁打を量産し、小笠原なら安打製造機として高打率をマークするのかという視点はなく、ただ投手の低下と嘆くしか目が向かなかったのである。言うまでもないが、それから約十五年を経て両選手とも通算2000本安打を超え、今なお現役である。


“豊田泰光のオレが許さん!”に再三書かれたことの焼き直し的な『プロ野球を殺すのは誰だ』(ベースボール/マガジン新書)も精読したが、直前に同新書の『野球力再生 名将の「ベースボール」思考術』(森祇晶)を読んだばかりだったため、単なるぼやきと自慢話のオンパレードにしか思えなかった。

もちろん長く連載が続くということは敗戦処理。のような感想を持つものより、共感する読者の方が多かったからであり、その多くは正論として球界の当該関係者には耳の痛い話となったことだろう。まだまだ豊田さんの連載を楽しみにしている野球ファンも多いだろうから、区切りの良い連載回数で潮時などと語って去っていくのは残念ではあるが、年齢を考えると、定期的な連載に無理があるのかもしれない。

古き良き時代のことを“情報”として知っている者はまだまだ他にいるとしても、“知識”としてあるいは“体験”として語れる人は少ないだろう。これからさらに少なくなっていくのだ。日本経済新聞の連載がどうなるのか気になるところだが、やはりお疲れ様でしたとの言葉を贈りたい。次週発売の99日号の最終回も見逃せない。

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コメント

こんにちは。今日、最後のコラムをざっと読んできましたが。連載が約20年・・・それだけ豊田氏も年を取ったということ、人間、年を取ると昔話とか同じ話の繰り返しになりがちですよ。それは仕方ない。
今年、豊田氏のコラムでバント以外で共感したのは、野球の五輪復帰を目指すのは止めようって件。

石田氏について
>豊田さん以上に当たり外れが大きいかも…
外れが多いですけどね。今週のは良かったと思います。

投稿: チェンジアップ | 2013年8月30日 (金) 15時10分

ブロワーズ@8.29様、再コメントをありがとうございます。

> 今年は大谷選手が歴史を変える挑戦に成功しかけていて、田中投手が不滅の記録を作り、バレンティン選手が禁断の数値を超えるという野球界のエポックメーキングな年なので、最近のつまらない週刊ベースボールも改革を期待したいです。

なるほど。仰る通りですね。エポックメーキングな一年と言えそうですね。従来の価値観のいくつかは打ち破られる…。週刊ベースボール誌に限らず、各メディアにそういいたスタンスを求めたいですね。

もちろん、ファンである我々も…。

> 一昔前は、マニアックな二軍の選手を週ベが取り上げたら必ずその選手がブレイクしてタイトルを取るという取材力(例:平井光親、鈴木一朗、鈴木尚のり)があったのに、最近はそういう野球の競技者としての実力を見る力が週刊ベースボール編集部は著しく落ちています。 

私は、毎日更新される週刊ベースボールの公式携帯サイトの編集者の日替わりコラムを読んでいますが、時に目を覆いたくなる文章に出会うことがあります。

最近では、楽天球団がこのまま優勝するという仮定の上での文章で、MVPを捕手の嶋と決めつけ、嶋選手礼賛のオンパレードというのがありました。そのコラムには“田中将大”や“マー君”と言う語句が一度も出てこないのです。贔屓の引き倒しファンと変わりないレベルで、よく実名を入れてコラムを書けると感心して呆れた次第です。

> また、このブログでの記事で、豊田さんの公の場での写真を見せて下さってありがとうございます。貴重な映像です。ありがとうございました。

逆鉾関の断髪式ですか<笑>!?

昨年のライオンズクラシックを生で観て、驚きながらシャッターを切りました。

投稿: 敗戦処理。 | 2013年8月30日 (金) 01時18分

ブログ主様

懇切丁寧なコメント、ありがとうございます。

>野村克也による新連載が始まるようで…。どうなることやら…。
野村さんも豊田さんと同い年ですからね。野茂さん、古田さん、桑田さん、あのあたりの40代が球界をいい意味で変える提言を専門誌でやってほしいのですがね。

せめて落合さん、大野さんあたりの世代かな。梨田さんがもうコラムを持ってますが。

今年は大谷選手が歴史を変える挑戦に成功しかけていて、田中投手が不滅の記録を作り、バレンティン選手が禁断の数値を超えるという野球界のエポックメーキングな年なので、最近のつまらない週刊ベースボールも改革を期待したいです。

一昔前は、マニアックな二軍の選手を週ベが取り上げたら必ずその選手がブレイクしてタイトルを取るという取材力(例:平井光親、鈴木一朗、鈴木尚のり)があったのに、最近はそういう野球の競技者としての実力を見る力が週刊ベースボール編集部は著しく落ちています。 

選手の肉声が入っている週べオーロラビジョンと記録の手帳くらいですかね。金払ってみる価値があるのは。

昔はよかったなあでは豊田さんのコラムのままなので、ここらで長文でしたが失礼させていただきます。

また、このブログでの記事で、豊田さんの公の場での写真を見せて下さってありがとうございます。貴重な映像です。ありがとうございました。

投稿: ブロワーズ@8.29 | 2013年8月30日 (金) 00時16分

名無し様、コメントをありがとうございます。

> 野球評論家の近藤唯之氏が豊田さんのことを「頭の切れる文章を書く」と評されていましたが、ここ数年はその切れもまったく感じられずさびしかったです。

私も近藤唯之氏が(豊田さんのことでなかったかもしれませんが)「私らは足で稼いで取材したことに基づいて文章にするが、豊田さんは頭の中にあることを私らより上手く文章にする」と、お手上げとばかり評していたのを記憶しています。

> イチロー選手も3割は難しそうですし、
人間は老いるものということを
豊田さんは教えてくださったような気がします。

こればっかりは誰も避けられないと思います。

ところで昨日(28日)、連載最終回の載っている週刊ベースボール9月9日号を購入し、最後の「豊田泰光のオレが許さん!」を読みました。前号で告知していたからでしょうが、いつもの見開き2ページで読者への感謝の言葉が2行、23文字のみでした<笑>。

次号予告によると、次号から野村克也による新連載が始まるようで…。どうなることやら…。

今後とも拙ブログをよろしくお願いします。

出来ましたら次回は、ハンドルネームで構いませんからお名前をご記入ください。

投稿: 敗戦処理。 | 2013年8月29日 (木) 00時18分

20年間拝読していた豊田コラムの読者です。

野球評論家の近藤唯之氏が豊田さんのことを「頭の切れる文章を書く」と評されていましたが、ここ数年はその切れもまったく感じられずさびしかったです。

本当に、毎週「昔はよかったなあ」でしたから。

イチロー選手も3割は難しそうですし、
人間は老いるものということを
豊田さんは教えてくださったような気がします。

ブログ主様のおっしゃるとおり、
体験は時間とともに情報や知識となっていくのでしょう。
オレが許さんの連載中にあった
Jリーグ創成期のプロ野球界の焦燥や
ライブドア球界再編騒動さえもう昔のことなのかもしれませんね。

リアルタイムで観て体験した自分にはさびしいことですが。

投稿: | 2013年8月28日 (水) 22時21分

チェンジアップ様、コメントをありがとうございます。

> 私も昔は面白かったけど、近年は・・・という感じですね。近年の記事で支持出来たのは、送りバント多用への批判ぐらいですね。

いいことを書いているなぁ…と思う時もありますが、その頻度が年々少なくなってきた様な気がします。

> 私は豊田コラム以上に石田雄太コラムの方が不快なんですけどね。

豊田さん以上に当たり外れが大きいかも…

投稿: 敗戦処理。 | 2013年8月22日 (木) 23時10分

こんばんは。昨日、MIXIの知り合いが連載終了と書いてたので、そこで知りました。岡山は木曜発売というのもあり、今日、たまたま書店に遭遇したので、読んで、確認しました。

 私も昔は面白かったけど、近年は・・・という感じですね。近年の記事で支持出来たのは、送りバント多用への批判ぐらいですね。

 昔話の多用など見てると連載自体が、惰性でやってるような印象ですね。
日経の方のコラムは読んだことないですけど。

 今週号のコラムで気になったのは、ON対決で「いつまでON頼りなんだ?」の件ですが、20世紀の頃の読者アンケートで、日本シリーズでON対決興味ありますか?に最も多かった回答が、どーでもいい。でしたが、翌週号のコラムでは、「いや、我々の世代にはたまらんのですよ」と書いてたので、ちょっと突っ込みたくなったんですけどね。

 私は豊田コラム以上に石田雄太コラムの方が不快なんですけどね。

 

投稿: チェンジアップ | 2013年8月22日 (木) 21時14分

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