「生」観戦した野球場(63)-飯能市民球場
いろいろな野球場で日本のプロ野球を観てきました。だからどうしたと言われればそれまでですが。
毎月2日、2月にスタートしたマイセレクトベストナインを偶数月に、 敗戦処理。が生観戦したプロ野球- my only one game of each yearを奇数月に掲載していますが、今回は6月9日に初めて「生」観戦した飯能市の飯能市民球場に関してまだ書いていませんので、「生」観戦した野球場でいきます。
1974年3月に初めて後楽園球場でプロ野球を生観戦して以来、いろいろな野球場でプロ野球を観てきました。チケット代よりもはるかにかかる交通費をかけて北へ南へ…。社会人になって多少経済的に余裕が出てからは「十二球団の本拠地をすべて回ろう」と考え、それを2000年に達成してからは地方球場、ファームの試合を行う球場を積極的に回りました。そうしてついに60箇所を超えました。
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第63回 飯能市民球場 観戦球場ファイル-63-
ライオンズは2008年にチーム名を“西武ライオンズ”から“埼玉西武ライオンズ”と改称し、従来に増して埼玉県のチームということを前面に出して地域密着の姿勢を打ち出した。大宮の県営野球場で公式戦を組むようになったのも、最寄り駅が大宮駅で県外からのアクセスも良いという理由からだそうだが、西武鉄道グループをバックに持つ球団がJRのアクセスの良さを拠り所に球場を選ぶのだから変われば変わるものである。もちろん堤義明 元オーナーの時代にも地域密着という考え方は存在した。堤オーナーはあの「やりたければ、どうぞ」以前はライオンズ球団のオーナーとしてメディアに頻出し、球団のポリシーなどを語っていたがその中でよく「地域密着」というフレーズが用いられていた。ただしその“地域”とは埼玉県というより西武線沿線という感じだったが…。
ライオンズのファームもその意味では西武第二球場を出て県内の公営球場での試合を組んでいるが、越谷、上尾などが定番だ。
敗戦処理。は6月9日(日)にライオンズ対ファイターズ戦を観るために飯能市の飯能市民球場を初めて訪れた。
西武池袋線で池袋駅から一時間弱の元加治駅が最寄り駅。本当にこの駅の近くに二軍とはいえプロが試合をするような野球場があるのか不安になるローカルさ。ただ、サーベラスから売却しろと言われている路線ではない。球場がどこにあるのか、地元の人に聞いた報が早いかなと、歩いている人に聞いたが答えてくれない。これが本当の“反応しない”(飯能市内)。教えてくれない代わりに指をさしている方向を見ると、周辺の地図があった。
この地図にあるとおり、踏切を渡り、道路沿いにひたすら真っ直ぐ歩き、T字交差点を右折するとすぐに球場が見えてくる。資料によっては“元加治駅より徒歩15分”と書いてあるものもあるが、初めてなら20分は見た方がいい。なお元加治駅を降りてすぐと、踏切を渡ってすぐにコンビニがある以外は球場まで食べ物などを売っている店はない。さすがにイースタン・リーグ公式戦ともなると、球場に売店が多数出ていたが。
スタンドに入ってまず驚くのはネット裏席のすぐ後ろが崖になっているということ。(冒頭の写真)山を切り崩して作ったということだろう。
そしてレフト後方は一面の緑に覆われている。
球場のすぐ近くに駿河台大学の校舎があるそうで、駿河台大学がこの試合のスポンサーになっていた。地方球場開催にありがちな地元の名産品を両球団に進呈という儀式も行われた。
ライオンズもマスコットのライナが登場する力の入れよう。もちろん、この日は一軍がビジター。某マリーンズのようにマスコットに一日に二箇所も登場させる過重労働はしない。
ちなみに試合の始球式は飯能市長さんではなく、駿河台大学の理事さんだった。
普段は高校野球の県大会や、大学野球のリーグ戦に使用されているらしい。両翼が92mで、中堅は120m。外野の天然芝が場外にそびえる木々の緑にマッチして美しい。ナイトゲーム用の照明もある。ナイトゲームで外野の天然芝がどのように映えるのかも見てみたい気がするが…。
試合の観戦記に関しては6月9日付エントリー、ファイターズのファーム、今季初の三連勝を逃す。 を参照されたい。
西武第二球場や、ファイターズスタジアムのライオンズ戦での一塁側スタンドからは想像が付かないほどのライオンズファンが一塁側に詰めかけた。
この試合は金曜と土曜に西武第二球場で行われた試合に続く三連戦の三戦目だった。このカードにしては珍しく、試合後には両軍スタンドでエールの交歓が行われた。ファイターズ側のスタンドにはファイターズスタジアムのいつもの顔がずらりと並んだが、彼らの中には前泊する合宿を組んでこの試合の観戦に備えた面々もいた。
ライオンズ側も応援の音頭を取るファンだけでなく、おそらくは近隣のファンが多いのだろうから、こういう地域での試合開催を継続してほしい。サーベラス社の西武鉄道株の買い増しが思う様にいかなかったのは、沿線の個人株主がなかなか手放さなかったからとの見方もある。そういう意味では堤義明 元オーナーの“地域密着”は誤りではなかったことになるのか…。
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