「生」観戦した野球場(64)-久留米市野球場
いろいろな野球場で日本のプロ野球を観てきました。だからどうしたと言われればそれまでですが。
毎月2日、2月にスタートしたマイセレクトベストナインを偶数月に、 敗戦処理。が生観戦したプロ野球- my only one game of each yearを奇数月に掲載していますが、今回は9月15日に福岡県久留米市の久留米市野球場で初めて「生」観戦したので、「生」観戦した野球場でいきます。マイセレクトベストナインVol.4ヤクルトスワローズ~東京ヤクルトスワローズは12月2日に掲載予定です。
1974年3月に初めて後楽園球場でプロ野球を生観戦して以来、いろいろな野球場でプロ野球を観てきました。チケット代よりもはるかにかかる交通費をかけて北へ南へ…。社会人になって多少経済的に余裕が出てからは「十二球団の本拠地をすべて回ろう」と考え、それを2000年に達成してからは地方球場、ファームの試合を行う球場を積極的に回りました。そうしてついに60箇所を超えました。
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第64回 久留米市野球場 観戦球場ファイル-64-
今シーズンの一軍、二軍の日程が判明した時点でマークしていた試合が二試合あった。4月13日の神戸サブ球場でのバファローズ対ドラゴンズ戦と、9月15日の雁の巣球場でのホークス対バファローズ戦だ。この二つの球場での生観戦を果たせば、現在の十二球団のファームの本拠地での生観戦を一通り経験できるからだ。どちらも東京在住の敗戦処理。にとっては遠方で、なおかつ屋外の球場なので試合開催が天候に左右される。事前に予定を組みづらいのだが、この二試合はどちらもその日にファイターズの一軍が遠征しているので、一泊二日で観戦予定を組めばリスクが軽減される。神戸の場合は最悪一軍、二軍とも中止の可能性もあるが…。
で、4月に神戸観戦を成し遂げて9月の三連休を利用してまずホークス対ファイターズ戦を見て翌日に雁の巣球場でホークス対バファローズ戦を観戦する観戦旅行を組んだ。14日のホークス対ファイターズ戦では久々の再会となる旧友と一緒に観戦出来ることになり、準備万端のはずだったが、いつの間にか15日のウエスタン・リーグの開催球場が雁の巣球場から久留米市野球場に変わっていた。14日から16日の三連休、雁の巣球場での三連戦だったのが15日だけ久留米市野球場に変更になっていた。
恥ずかしながら、14日のファイターズ戦の試合後に、埼玉県から来て外野席で観戦していた別の知人に挨拶に行ってそこで教えてもらうまで開催球場変更を知らなかった<苦笑>。
もっとも、どこかの時点で気付いたとしても、14日と15日の観戦予定を入れ替える事はしなかったと思うし、福岡に残って16日に雁の巣で観戦するという選択肢もあったが「台風18号」で交通機関が麻痺するおそれがあったので15日に久留米市野球場で観戦して帰京することにした。
天神から西鉄天神大牟田線で約1時間かかる櫛原(くしわら)駅で下車。天神方面から乗ると、四両編成で最後部の車両しかドアが開かない狭い駅で、念のために先に帰りの切符を買っておこうかと思ったら切符の自動販売機がない。拍子抜けして帰りの切符は帰りに買うことにした。
櫛原駅に着く少し前に、進行方向左側の外を見ていると、ナイトゲーム設備のあるグラウンドが見えてくる。ホークス球団の公式サイトなどによると“櫛原駅から徒歩約10分”とあるが、見た感じそんな目安だ。民家と畑が並ぶなかを電車の中から見た方向を頼りに向かっていくと、陸上競技場や植物園などの一帯に久留米市野球場があるのが見えてくる。
両翼が各98m、中堅が122mで外野が天然芝で、内野は土。照明灯があり、収容人数は12,000人。スコアボードは電光掲示で、他にメッセージゾーンがある。なかなかの球場だ。
「ウエスタンリーグ久留米大会」と銘打っているので定期的に開催されているのかと思いきや、樽原利則市長さんの挨拶によるとこの球場でプロの公式戦が開催されるのは九年ぶりだとか。
ちなみに樽原市長はウエスタンリーグ久留米大会の名誉会長に当たり、会長は久留米商工会議所の本村康人会頭だった。プロ野球の二軍公式戦を招致するということは外から見るより仰々しいことなのだろう。
ホークスも一軍の試合が同時間帯にヤフオクドームで開催されているにもかかわらず背番号100のハリーホークが応援に来る力の入れよう。
しかし素朴な疑問として、一軍の試合には背番号100はいなかったのか?こっちには試合終了後までいたが…<笑>。
スタンドにはホークスファンが大半を占めた。敗戦処理。は三塁側の内野席の空いているところに陣取ったが、バファローズ側の三塁側を含めてもファンの比率は9:1くらいでホークスが多かったのではないか…それでも三塁側スタンドの最も外野寄りには熱心にバファローズの選手に一軍選手の応援歌を交えながら応援する集団がいて、鎌ヶ谷や追浜を彷彿とさせる感じであった<笑>。
この日(9月15日)の試合はホークスの先発が東浜巨。
この試合の前までで、12試合で5勝3敗、防御率3.65。勝ち数はともかく、防御率を見ると何とも言えない。藤浪晋太郎や大谷翔平といった高校卒ルーキーがいきなり活躍をしているが、大学卒組ではドラフトの時点では一年の浪人があって不安視された菅野智之より即戦力としての評価が高かった事を考えると、この時期にまだここで投げているのが寂しい。
試合はホークス打線がバファローズ先発の伊原正樹を序盤から攻め、初回に中西健太の2ランなどで4点、三回までに7点を奪って圧倒。終盤に3点を返されるが、7対3で逃げ切った。この前日の時点でホークスはウエスタン・リーグの首位で、バファローズは五球団中四位で11ゲーム差がついていたが、その通りの結果になった。東浜は6イニングを投げて無失点ながら被安打が5本。この登板のあと、一軍に再昇格が決まり、9月23日のマリーンズ戦に先発してプロ入り初勝利を記録した。
なおホークスファンが大半を占めるスタンドが最も沸いたのは二軍落ちしているブライアン・ラヘアがネクストバッターズに姿を見せた時だったが、二打席立っていずれもタイミングが合ってない内野ゴロだった。
また、ペナルティで二軍に落ちたままの松中信彦も代打で登場。こちらはラヘアほどの大歓声が沸かなかったのはホークスファンの怒りが一部まだ収まっていないのか…。
ツーナッシングと追い込まれながらも四球を選ぶとはさすがの貫禄か、豪快な一打を見たかったが…。
そして寺原隼人のFA移籍に伴う人的補償でホークスからバファローズにトレードとなった馬原孝浩の登板も沸かせた。
3対7の八回裏に登板。四球を一つ出したものの1イニングを無安打、無失点に抑え、双方のファンから拍手を浴びていた。馬原も9月28日に一軍公式戦のマウンドを踏んだ。
余談だが馬原の登板が八回裏で、松中の代打登場が七回二死一塁からだったのだが、七回裏は二死から猪本健太郎が中前安打を放って続く亀澤恭平の代打として松中が登場。ということは猪本で七回の攻撃が終わっていたら、八回に馬原対松中の対戦が実現していたかもしれないと思うとちょっと残念だった。
ところで、8月の頭に、こんな報道が出た。
ファーム球場用地を募集 プロ野球ソフトバンク
ホークスが二十年以上ファームの本拠地として使用している雁の巣球場に代わる新しいファームの専用球場を探しているというのだ。「効率的な運営を目指し、施設の一体化を考えたい」、「グラウンドやサブグラウンド、室内練習場、寮、クラブハウスも一体となった施設」ということは例えていえば鎌ヶ谷のファイターズタウンのようなものをイメージしているのかもしれない。
現状は雁の巣球場でウエスタン・リーグ公式戦を行い、練習は寮が隣接されている西戸崎練習場で行っている。どちらもJR香椎線の駅から近いが、二駅離れているらしい。ベイスターズ総合練習場と横須賀スタジアムのイメージだろうか。
そして先月募集を締めきり、5県にまたがる34の自治体から応募があった という。更地で募集しているということだから、この久留米市野球場のような既存の施設を利用しようとは考えていないようだ。年内に決定し、2016年シーズンからの使用を予定しているという。敗戦処理。は福岡県に土地勘が全くないが、移転の背景と条件の一つである「ヤフオクドームから車で1時間圏内」を考えると、福岡市内の立候補地が有利なのは想像に難くない。
雁の巣残留の可能性も残っているというが、基本的には移転するのだろう。雁の巣球場を本拠地にしているあと二年間の間に「生」観戦を果たしたいものだ。実は昨年も6月にファイターズ戦を福岡ドームで観戦して翌日に雁の巣球場で観戦するプランを組んでいたが、大雨で雁の巣球場での試合が中止になったのだ。上記の写真はその時に撮影したものである。未練がましく大雨の中ながら現地に行き、こっそり中をのぞいて帰った。
敗戦処理。の十二球団のファームの本拠地「生」観戦制覇は来季へ持ち越しとなった。
今季の遠征観戦では神戸に出発する当日の朝に淡路島で地震が起きたり、南アルプスに向かう電車が事故の影響で新宿駅に足止めを食らったり、ナゴヤ球場に向かう新幹線も途中で足止めを食らった。そして「台風18号」…。遠征ではないが、足かけ二日間にわたるロングゲームに当たったり…<笑>。
四十年目の生観戦の最後の遠征がこの顛末なのはすべて予兆があったのかもしれない。
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