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2013年11月 3日 (日)

ジャイアンツ打線が今季無敗のマー君を攻略!日本シリーズは第7戦に!

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正直に言うと、大きな声では言えないが先に
2点入れられた時点で、半分くらい負けを覚悟した。今季の田中将大に序盤で2点の先制は「鬼に金棒」と同義語だ。

しかしその2点目のタイムリーエラーをやらかしてしまったホセ・ロペスが田中から同点本塁打!「おいおい、これはひょっとしたら!」と期待したら高橋由伸のタイムリーで逆転。結局田中から4点を奪い、菅野智之、山口鉄也、スコット・マシソンのリレーで4対2で逃げ切った。日本シリーズはこれで三勝三敗となり、今日3日、日本シリーズ第7戦にもつれこむ!


(写真はイメージです。2011年9月撮影)



ジャイアンツばかり見ているジャイアンツファンの中には、ジャイアンツの田中将大からの勝利が如何に大変なことなのかわかっていない人もいるかもしれないが、パ・リーグ、特に今季だけでなく二年半も田中に手も足も出ていないファイターズの試合を中心に田中を見てきた敗戦処理。にとって田中に先に2点を与えてしまうなんて、二勝三敗で後のないチームのやることではない。四球で出た走者を内野ゴロとタイムリーエラーで2点献上なんて、田中相手でなくとも論外だ。

 

ところが、田中がいつもの田中ではない。第5戦まで無安打だったホセ・ロペスに初安打が出たと思ったら、不振をかこっていた阿部慎之助坂本勇人に外野を抜ける打球が出始めた。そしてロペスの打球がレフトスタンドに落ちたので「おいおい、これはひょっとしたら!」と期待感が高まった。しかし、ここまでならパ・リーグの球団でもたまにはやれるのだ。今季の田中はここからが凄い。そして不思議なことに打線も目を覚ますのだ。だから田中は負けないのだ。シーズンに24勝した投手は歴史をさかのぼれば過去には存在する。だがそれほど勝って0敗で終えたのは田中以外にいない。

そんな田中に勝つとしたら、この回に一気に攻めるしかない。第2戦で田中から本塁打を放った寺内崇幸がしぶとくライト前に運び、長野久義も続く。一死一、三塁と千載一遇の勝ち越しチャンスをつかむと、この試合で二番に抜擢した松本哲也に代打、亀井善行を送って勝負をかけた。何が何でも1点を奪うという点では叩きつける打球を打つ松本哲の方が期待を持てるのではとも考えたが、亀井の打撃にかけた…と思ったらダブルスチール。もちろん嶋基宏がこんな小細工に混乱するはずもなくここは失敗に終わったが、田中は亀井に四球を与えてしまう。やっぱり今日の田中はいつもの田中ではないのか…。ここで高橋由伸がセンター前に勝ち越しのタイムリー。ジャイアンツは一気に逆転に成功した。

ジャイアンツは続く六回表にも村田修一の二塁打を皮切りに無死一、二塁とすると、ジョン・ボウカーが危なっかしい構えから見事なバントを成功させて一死二、三塁。ここでロペスの高く弾む三塁ゴロでもう1点を追加した。田中の4失点は今季初めてだそうだ。

ゴールデンイーグルスが田中を先発に立てた時点でほぼ勝利が保証されたのと同様、ジャイアンツも六回までリードを保てば95%以上の確率で勝てる。菅野智之は落ち着いて七回裏まで2失点のままで好投。八回裏に山口鉄也を投入。山口は九回裏の先頭打者、左打者の銀次までを抑え、最後は第5戦で乱調だった西村健太朗ではなく、スコット・マシソン。右対右とはいえ相手はアンドリュー・ジョーンズとケーシー・マギー。力対力の勝負が一つでも裏目に出たら…と一瞬心配したが、緩急を上手く使う阿部のリードもはまり、二者連続三振でしめくくった。

 

ゴールデンイーグルスは六回までで4失点して2点のビハインドだった田中を完投させた。報道によると星野仙一監督は途中交代を打診したが本人が強く続投を申し出たという。

第6戦のベンチには則本昂大も加えられていたが、第5戦で5イニング、79球投げた則本を使うならリードしたショートリリーフ限定だろう。田中の降板は実質的に負けを覚悟した様にモチベーションの低下を招きかねない。「斎藤隆がいるじゃないか!」というかもしれないが、斎藤隆が万全なら第5戦の九回裏か、十回裏に出てきたはずだ。第7戦の奇跡の連投のためにも、田中を早めに降ろすべきとの見方もあったようだが、田中自身がこの試合の完投にこだわったようだ。


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(2日のテレビ東京系「ネオ・スポーツ」より)


「今日で最後だという思いがものすごくあったんじゃないかな 立派だよ」



「今日で最後」なのは今年の最後なのか、ゴールデンイーグルスの選手として最後なのか意味深ではあるが、もしも噂されるように日本でプレーするのが今年で最後だとしたら、田中将大はあの高校野球の甲子園でも、ゴールデンイーグルスでも、最後はファイターズのドラフト1位に投げ負けて終わるということになるが…。

ジャイアンツも、今日勝たなければ明日がない訳で、何が何でも勝つしかないのだが、菅野の好投もあって菅野、山口、マシソンのリレーとなった。第5戦で同点の十回表に先頭の投手の則本に四球、藤田一也に死球とおよそ西村らしくない投球でピンチを拡げ、銀次とジョーンズの安打で2点を奪われた西村は昨年に続いて最後の最後に“戦力外”になってしまったのか…。

 

2005年のプレーオフで、勝てば日本シリーズ進出が決まるという試合で4点のリードを守れなかった小林雅英ボビー・バレンタイン監督は最終戦の最終回にためらわずにマウンドに送った。監督とクローザーの信頼感はかくあるべしと思うのだが、原監督はとにかく勝利の確率を追う。不安な要素は排除する。第6戦でリリーフに立たなかったということは、おそらく西村は第7戦でも重要な場面では使われないだろう。ぶっちぎりのシーズン優勝を支えた西村の42セーブはどこに消えてしまうのか…。

それと同じ理由で、“もしも第7戦までいったら中二日で内海で…”と言う事前の意見が散見されたが、杉内俊哉ってそんなに信用を置けない投手なのだろうか?


余談だが敗戦処理。が日本シリーズは“ご褒美”のようなもの。応援はするし、勝って欲しいと願うけど、負けても批判しない、というのはこういうことで、仮にジャイアンツがこの日本シリーズに敗れた場合、第
5戦の西村を戦犯扱いして叩く輩が必ず出てくる。だが、仮にそうなったとしても、その日本シリーズのマウンドに立てるのは誰のお陰なのかということだ。日本シリーズに勝つにしても負けるにしても、日本シリーズまで駒を進めなければ味わえないのだ。そして七試合で四勝することより、半年間の戦いで六球団のトップに立つことの方が難しく、尊いことで賞賛されるべきことなのだ。だが、その事に気付かず、日本シリーズに負けると戦犯捜しに躍起になる輩が意外に多いのだ。個人的にはそういうレベルの人を無視しているが、そういうことのないように、西村が日本シリーズ第7戦の九回裏を締めくくって欲しいものだが、おそらく第7戦の九回裏(があればの話だが)にマウンドに立っているのは山口かマシソンの可能性が高そうだ。


日本シリーズ第7戦。それはジャイアンツとゴールデンイーグルスのファンだけが注目するのではなく、ほとんどの野球ファンが注目する一年間の集大成だ。そして相変わらずジャイアンツファン以外はほぼ全員がゴールデンイーグルスを応援するだろう。しかも場所は仙台と、この上ない完全アウェイだ。だが、今この時期まで真剣勝負の世界にいるのは十二球団でジャイアンツとゴールデンイーグルスだけ。他でもないジャイアンツのファンと、ゴールデンイーグルスのファンはまずこのことに感謝し、誇りを持ち、その上で原監督いうところの「世紀の一戦」を満喫しよう。

そしてジャイアンツには勝って欲しい。川上哲治さんが監督をされていた時代以来の二年連続日本一を天国の川上さんに報告して欲しいものだ。ナイスゲームではなく、勝って欲しい。

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