2014年ファイターズ新入団選手歓迎式典&交流会
ファイターズが鎌ヶ谷でこの時期に新入団選手歓迎式典と交流会を開くようになってもう七年目になる。もともとはファイターズの新人選手が勇翔寮の一員になることで鎌ヶ谷市民になり、住民票の転入届けを提出する儀式で、かつては新人選手達の方から市役所に出向いて市長に転入届けを提出する儀式だったが、ダルビッシュ有が入団した2005年にファンが殺到しすぎたため、ダルビッシュ以来の大物新人、中田翔が入団した2008年から市長や市の有力者を招いてファイターズスタジアムで転入届けを提出する形式に変わり、合わせてファンとの交流会を行うようになった。
ちなみに斎藤佑樹、大谷翔平のルーキーイヤーには室内練習場では収まりきらない規模の来場を予想してグラウンドで行うという措置を講じたが、昨年は悪天候で室内練習場に移動。スタジアムのグラインドで行われたのは斎藤のルーキーイヤーだけである。
今日(19日)は午前中の新人合同自主トレからファンに見てもらおうとスタンドを開放する予定であったが、雪の影響でグラウンド、スタンドとも凍結の危険があるということでスタンド開放は中止になった。敗戦処理。はスタンドでまったり座って新人合同自主トレを見物しようと目論んで早めに家を出たのだが、途中“開放中止”の報をツイッターで聞いたので予定を変更して先に所用を済ませてからファイターズスタジアムに向かった。ところが冒頭に書いた通り既に多くのファンが開場待ちの長蛇の列を作っていた。
そのせいか、ステージの正面を確保したものの前にも人が幾重にも立っているような場所で、最初の歓迎式典では撮影に苦労した。真正面なので距離があっても隙間さえあれば何とかなるのだが、運悪く前の人がやたらに顔を前後左右上下に動かす人だった<笑>。
最後の、手形採りは何とか八人を1枚に収められたが…(冒頭の写真)。
この後は交流会。ここからはファイターズスタジアムの年間パスポート会員や、地元の親睦団体会員が優遇され、それ以外のファンより近距離で見物出来ることになり、敗戦処理。も幸運にも斜めながら最前列のちびっ子ファン達に次ぐ前方をキープ出来た。
まずは新人選手の自己紹介から始まった。ドラフト3位の岡大海(おかひろみ)や8位の石川亮(いしかわりょう=写真)は自分の名前をネタに笑いを取っていた。
続いて選手一人一人のプライベートに関する○×クイズを出し、選手が指名したファンが正解したら事前に書いたサイン入り色紙をあげるというコーナー。
ファンに○か×かをポーズで示してもらい、それから選手が指名するのだから、正解しているファンを指名すればいいのだ<笑>。
今はまだ有名とは言えなくても、新人選手から直に色紙を手渡しされればその選手に親近感を持つだろう。毎年、スタッフが手を変え品を変え、ファンが選手に親近感を持つゲームを考えている。
続いては新人選手がファンの輪の中を回り、1分間で色紙に多くのファンに名前を書いてもらった選手が勝ちというゲーム。
ドラフト4位指名の高梨裕稔は最前列のちびっ子からサインを集めようと考えたが、ちびっ子の中には趣旨を理解出来ない子がいて、自分が色紙をもらえると勘違いする子もいて時間を食い、最下位になってしまった<笑>。
そして交流会恒例の新人選手全員とC☆Bによる人文字作成。
斜めなのでわかりにくいが、“CHAMPION(チャンピオン)”だそうだ。
そしてサインボールの投げ入れ。
灯台もと暗し<!?>前の方の列には来ないものだ<笑>。
その後は一人ずつ、書き初めと称して意気込みを漢字一文字で表したものを披露。
ドラフト1位の渡辺諒は「いろいろと経験を積む」という意味で“経”と書いた。以下、浦野博司は“進”、岡大海は“一”、高梨裕稔は“投”、金平将至は“将”、白村明弘は“耐”、岸里亮佑は“勝”、石川亮は“前”だった。
最後に年間パスポート契約者らファンを背後に記念撮影。選手はこの時初めてグラウンドコートを脱いでユニフォーム姿を披露した。
「ファンサービス・ファースト」を標榜するファイターズ。新人選手達は日々、新人合同自主トレのメニューをこなし、プロ野球選手としての一歩をスタートしている。だが、新人選手はポストシーズンのこの時期、特例でトレーニングコーチらの指導を受けているとはいえ、本格的な指導を受けるのは2月の春季キャンプから。このタイミングで短時間とはいえファンの前に身体を晒すのは球団としてはある意味勇気の要ることかもしれない。既に多くの球団で新人合同自主トレのルーキー達がファンにサインを書いたり、記念撮影に応じる機会を設けている様だが、こういう形での交流会が定着している球団は少ないのではないか…。
昨年のファイターズスタジアムの入場者数は過去最高だったようだ。 豪華すぎるビジョンの新設やプールの設置、怒濤のようなイベント試合設定だけがその要因ではないだろう。こうした手作りの交流の積み重ねもあるのだろう。
司会を務めた羽生瑞貴さんも、あの天沼由香利さんの後釜ということで心配する向きもあったが一年を経て落ち着いた仕切りを見せるようになった。C☆Bとの息もピッタリだ。首都圏事業部の成田龍太郎部長が「昨年に続くハードとソフトの充実で…」等と最後の挨拶で延べ、早速新しい鎌スタ限定ユニフォームの購入予約を受付開始するなど商魂逞しいところを見せていたが、基本的には手作り感と、いつも同じサービスが受けられることが重要だと思う。
最後に、中田翔入団の年からこのスタイルになったと書いたが、その2008年からこの式典&交流会と引き替えのように終了したイベントに触れておく。2007年まではイースタン・リーグ公式戦開幕を目前に控える3月中旬にファンとの交流会が開かれていた。これは文字通りの交流会で室内練習場でファンとファームの選手が何の境もなくサインをもらったり、一緒に写真を撮ったりできるものだった。
2005年の交流会では入団一年目のダルビッシュが謹慎処分後に初めて公の場に出たのもその交流会だった。結果的に現役最終年となった岩本勉の独壇場となったのも今となっては懐かしい。
2006年の交流会ではC☆Bが初めてファンの前に姿を現した。だが、あの頃とは比べものにならない人数が昨今の鎌ヶ谷には訪れる。あのスタイルの方が良かったというファンの気持ちはわかる。敗戦処理。も同感だが、もうあの再現は無理だろう。
【参考エントリー】
2013 年新入団選手歓迎式典&交流会
2012 年新入団選手歓迎式典&交流会
2011年新入団選手歓迎式典&交流会
2010 年新入団選手歓迎式典&交流会
2009 年新入団選手歓迎式典&交流会
2008 年新入団選手歓迎式典&交流会
2007 ファイターズ交流会
2006ファイターズ交流会
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コメント
肉うどん様、ご無沙汰しています。コメントをありがとうございます。
> 球場での実感なのですが、この数年の間に生観戦する人がじわりじわりと増えてきているような気がします。プロ野球が、芸能や他のスポーツと比べて、身近で低廉な娯楽として地味に根付いてきているのように感じます。だからと言って球団経営が楽になったとの報道も耳にしません。
たぶんそれは入場料収入などの増加よりも選手の年俸高騰が激しいのではないでしょうか?
大リーグへの流出防止も兼ねた年俸高騰が相場を上げているのかもしれませんね。
> やはり球場やイベントに足を運ぶ人々が多少増えたところで、経営面で殆どプラスにならないということなのでしょう。虚しさを覚えると同時に我が国で球団を経営することの歪みを感じます。
選手の年俸の査定の項目が、チームの目標への貢献度であって、それが為されたとしても必ずしも球団の収入増と結びつかないからだと思います。
あ、最後になりましたが今年もよろしくお願いいたします。
投稿: 敗戦処理。 | 2014年1月25日 (土) 23時10分
ご無沙汰いたしております。
本題そのものよりも、「ファンの数が多かった」との記載が気になりまして.....
球場での実感なのですが、この数年の間に生観戦する人がじわりじわりと増えてきているような気がします。プロ野球が、芸能や他のスポーツと比べて、身近で低廉な娯楽として地味に根付いてきているのように感じます。だからと言って球団経営が楽になったとの報道も耳にしません。
やはり球場やイベントに足を運ぶ人々が多少増えたところで、経営面で殆どプラスにならないということなのでしょう。虚しさを覚えると同時に我が国で球団を経営することの歪みを感じます。
話が横にそれまして申し訳ありませんでした。
投稿: 肉うどん | 2014年1月25日 (土) 10時58分