イースタン・リーグ開幕!ジャイアンツ、三年目の松本竜也で開幕戦を飾れず…
一軍のオープン戦では“○○開幕OK!”などの見出しがスポーツ新聞に踊り、主力選手の調整の仕上がり具合にファンが期待を高める中、ファームは一軍より約二週間早く本日(15日)開幕。昨年最下位のファイターズはもちろんビジターで開幕を迎えるが、3位のジャイアンツはホームのジャイアンツ球場で開幕を迎えることが出来た。相手は6位のライオンズ。
今年野球生観戦40周年の敗戦処理。は既に東京ドームとファイターズスタジアムでの生観戦を済ませているのでジャイアンツ球場で観戦すれば、メインの三球場で一通り観戦した事になる。そう思うと、年々体力的にきつく感じる、京王よみうりランド駅からの283段の石段を登る「巨人への道」を前に気が引き締まる。
一般の入場料が1,000円から1,100円に上がっているのは消費税対応にしてはちょっと早い様な気がするが…窓口で今年も「プロ野球イースタン・リーグ観戦ガイド2014」を購入。今年もイースタン・リーグ開幕に合わせて販売された。
こちらはゴールデンイーグルスの公式サイトによると、今月購入しても4月以降でも同額の500円据え置きだそうだ。
内容は毎年の各球団の選手名鑑やファームのサービス案内に加え、審判技術委員の山崎夏生氏と平林岳氏のロングインタビューが読ませる。
特に鎌ヶ谷などで一部の熱いファンと交流を深める山崎氏のファンには必見な内容だ。
試合開始1時間半前の11:30頃にはジャビィによる大抽選会に黒山の人だかり。さすがに開幕戦だけあって、ファンの出足が早い。
この時点で一塁側内野席に関しては8割方埋まっていた。
チームヴィーナスダンススクールのダンスパフォーマンスや地元の川崎市立中之島中学校吹奏楽部の演奏などで盛り上げた後、岡崎郁二軍監督が挨拶。
今年がジャイアンツにとって球団創立80周年であること、ファンには対戦相手にも暖かい目で見て欲しいと、サッカーJリーグのトラブルを意識したかのようなフレーズもあった。
ジャイアンツの先発は、2011年のドラフトで菅野智之を抽選で外した後のいわゆる外れ1位の松本竜也。
過去二年間は故障に泣かされたが、今季はファームで開幕投手を任される期待感は相変わらずだ。
同期、同年齢の今村信貴が昨年一軍で投げ始め、日本シリーズでも登板した。今季も先発ローテーション入りが期待され、この試合での登板も予定されている。松本竜としては負けたくないだろう。
松本竜は初回、先頭の石川貢に中前に運ばれるも、後続を断ち無失点に切り抜けると、三回までで5奪三振を奪う力投。伸びのあるストレートが低めに集まっていた。
ライオンズの先発も同じサウスポーで二年目の佐藤勇。
こちらも緩急を織り交ぜ、上位に左打者を並べたジャイアンツ打線を抑えていく。
ジャイアンツで初安打を放ったのは「六番・三塁」でスタメン出場の、高知高からドラフト2位入団の和田恋。
あわや三塁線を破るかという痛烈な打球で初打席で三塁内野安打を放った。ただこの後、二盗に失敗。
試合が動いたのは四回表。松本竜は先頭の渡辺直人を歩かせてしまった。先頭打者を四球で出すよろしくないパターンだが、続く梅田尚通の一、二塁間のゴロを和田凌太がうまく捕球したかに思えたが間一髪内野安打。駒月仁人に死球で無死満塁にしてしまい、アブナー・アブレイユにレフト前に運ばれ、先制点を喫した。
アブレイユは走者がいなかった第一打席では大振りしている印象があったが、この打席は初球をコンパクトなスイングで仕留めた。
松本竜は一死後、満塁から米野智人の打席で暴投してもう1点。
二、三塁となって二死から二塁への牽制球が走者と遊撃手の辻東倫が交錯する感じで捕球できずボールが逸れる間に三塁走者の駒月が生還と、まさかの3失点。走者を置いての投球に難があることを露呈した。
松本竜は続く五回表も再び三者凡退に抑え、ここまで8奪三振と、ライオンズ打線をねじ込んでいるのだが、ひとたび走者を許すとよろしくない。六回表には先頭の梅田にセンターオーバーの三塁打を打たれると、駒月にセンター前に運ばれて追加点。駒月に二盗を決められ、アブレイユにレフト後方のネットに直撃する二塁打を打たれて0対5となったところで降板(冒頭の写真)。はっきりと課題がわかる残念な開幕マウンドとなった。
代わった公文克彦が送りバントと犠飛で6点目を奪われ、6点差で迎えた七回表、一軍復帰を目指す今村がマウンドに上がった。
今村は二死から二本の安打で一、二塁のピンチを迎えるが駒月を三振に仕留めてピンチを切り抜けると、続く八回も三者凡退で2イニングを無失点。一軍復帰のアピールをした。
今村の2イニング目の八回にはライオンズのドラフト1位、大阪桐蔭の森友哉が代打で登場。
今村の140km台前半のストレートにファウルで食らいつきながら、最後は左中間に大飛球を放つも、惜しくも左中間を破れず左飛に倒れた。森は打席の後マスクをかぶった。
ジャイアンツ打線は佐藤に疲れの見えた七回裏に連続四球の無死一、二塁から和田恋の三塁ゴロを梅田が後逸する間に1点を返したが後が続かず1点止まり。2,106人の入場者数を迎えての開幕戦に1対6と完敗した。
【15日・ジャイアンツ球場】
L 000 303 000 =6
G 000 000 100 =1
L)○佐藤、中﨑、宮田-藤澤、森
G)●松本竜、公文、今村、須永-加藤、井野
本塁打)両軍とも無し
両軍とも登板した投手はすべて左投手という珍しい継投となった。
ジャイアンツでは九回表に登板した須永英輝が、5点ビハインドの最終回とはいえ、三振、三振、左飛と圧巻の投球で劣勢の試合に溜飲を下げる快投を見せてくれた。
ファイターズで七年間、ジャイアンツで2011年から三年間未勝利のままついに十一年目を迎えた。昨年、左肘手術から再起の登板を果たしたが、よくぞ首が繋がったと思う。首にならなかったと言うことはまだ期待されていると言うことだろう。公式戦未勝利の投手としては現役では最古参。ショートリリーフでの登板が続くだろうが、何とか結果を残し続けて一軍に上がり、初白星を挙げて欲しい。
全体に湿っていた打線で一人気を吐いたのが前出の和田恋。
第一打席に続き第二打席でもセンター前に弾き返し、チーム四安打の半分を一人で稼いだ。
ただ出塁した二度とも二盗に失敗したのも気になる。五回裏の第二打席は先頭打者として出塁し、次打者隠善智也のフルカウントからのスタート。隠善のハーフスイングがスイングを取られ、盗塁も刺された。
写真に写っているのは三塁塁審。審判三人制で無死一塁では三塁塁審が三遊間に陣取っていた。ハーフスイングの判定は球審自ら下し、三振ゲッツーとなった。四球なら無死一、二塁となっていた場面だから惜しまれた。左投手相手という難しい場面での二度の二盗失敗。二安打デビューとは言え和田恋は素直に喜べなかったことだろう。
一週間前のファイターズスタジアム同様、場内アナウンスでは「ワダベン」と紛らわしく、スタンドから茶化されていた。しかしファンに名前を覚えられるという点ではプラスだろう。これから試合に出ながらいろいろなものを身につけてもらいたい。
試合では贔屓球団が一方的に敗れ、大サイン会の抽選にも外れた敗戦処理。は試合を見終えると、ジャイアンツ球場を後にして原宿のレンタルスペースさくらにてこの日一日のみで行われている「世界の野球展」に向かった。世界各地の野球事情をおさめた写真が並ぶ「世界の野球写真展」も興味深かったが「東京野球ブックフェア」の部屋へ。
昨年10月の月島での同フェアにも出品された広尾晃 氏、ながさわたかひろ氏、堀治喜 氏、村瀬秀信 氏らから短時間ながら「ここだけの話」なども聞くことが出来、有意義な時間を過ごせた。
あとは一軍公式戦開幕を待つのみ。今日のジャイアンツ球場は試合途中から寒くなってきたが、球春はもうすぐだ!
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント