マドンナジャパン~女子野球日本代表
女子代表は野球日本代表、侍ジャパンのカテゴリーの一つ、小久保裕紀監督率いるトップチームを頂点として、社会人代表、21U代表、大学代表、18U代表、15U代表、12U代表、女子代表で構成されている。
今日の女子代表は今年の9月に宮崎で行われる第6回IBAF女子野球ワールドカップの代表候補。女子プロ野球の選手は含まれていないようだが、日本代表と言うくらいだから日本の女子野球で最もレベルが高い選手を集めたのだろう。対戦相手は関東女子硬式野球(ヴィーナスリーグ)選抜。マドンナジャパンとヴィーナス選抜の対戦となった。
冒頭にも書いたように予備知識ほとんど無し。知っている選手も竹村裕児さんの野球ラジオに出演していた六角彩子選手くらい。女子プロ野球の試合を一年目と二年目に観たことがある程度で女子代表の試合を観るのは初めて。
行田市の行田市総合公園野球場。Suicaやパスモが使えない秩父鉄道「行田市駅」が最寄り駅。墓地とお寺と葬儀所と民家しかない道を抜けると、今度は広大な田畑。途中で道を間違えたか、行田市駅から徒歩15分のはずが40分かかってしまった。
女子代表に対する関東選抜の先発、長尾朱夏が制球難。初回から二つの四球と安打で無死満塁としてしまい、一死後のショート後方のフライをレフトが目測を誤った感じでポテンヒットとなり女子代表が1点先制。
二死後ライトの前に落ちる安打を右翼手が後ろに逸らす間に2点が入り、一回表で女子代表が3点先制。
女子代表は二回にも二死から兼子沙希が四球を選び二盗、六角彩子の左中間を破るタイムリー三塁打で1点を加えた。
一方的な試合になるかと思いきや、その裏、関東選抜は一塁手の金由起子のマウンド付近のフライの落球から死球と安打で無死満塁と攻め立て併殺打の間に1点を返すと、続く三回裏にはこの回から登板の二番手、サウスポーの田中茜を攻め立てて安打二本と四球で一死満塁とすると、四番のブストス、じゃなかった有坂有理香が左中間を深々と破る二塁打で走者を一掃。
一気に4対4の同点に追いついた。有坂は体格が立派。北京五輪などのソフトボールのアメリカ合衆国代表で日本戦でも本塁打を放って強烈な印象を残したクリストル・ブストスを彷彿とさせる。いずれは女子代表に選ばれるのではないか…。
試合が接戦だったのはここまで。四回表、女子代表は先頭の田中亜里沙のレフトオーバーの二塁打を皮切りにバントで一死三塁として平賀愛莉の右翼線二塁打で勝ち越し。兼子の三塁前バントヒットで三塁手が一塁に悪送球する間にもう1点。この後二死一、三塁から一塁走者二盗の間に三塁走者が本塁に走るディレードスチールで1点。
バッテリー交代の後、さらに四球と連続二塁打でこの回一気に6点を挙げ、10対4と一方的になった。その後も点の取り合いで12対7で女子代表が勝った。
【12日・行田市総合公園野球場】
日本代表 310 601 1 =12
関東選抜 013 020 1 =7
日)黒崎、○田中茜、田中露、新宮-笠原、西
関)●長尾、笹川、星野、原、海老-船越、菊池、高島
本塁打)両軍とも無し
日本の代表が日本国内の相手と試合をして勝つのはいわば当たり前かもしれないが、その割にはどちらもミスが多かった。風が吹き荒れ、ファウルフライを始め捕りにくいのはわかるにしてもお粗末に感じた。ストライクとボールがはっきりしている投手も多い。
ただ、女子代表は二年に一度開催されるIBAF女子ワールドカップに2008年の第三回大会から三連覇している。世界一なのである。そのチームがまだ代表候補人選の時期とはいえ、格下の関東選抜に圧勝したものの折々にミスが目立った…。代表ってこの程度なのか?これで三連覇?ということは世界の女子野球も!?
“女子野球”そのものがまだ熟成されていないということなのではないか?
上述のように女子プロ野球も第一印象は最悪だった。だがその翌年に観たら格段の進歩があった。女子代表も次に観るとき(があればの話だが…)には目を見張る変化があると信じたい。
もちろん、三遊間の深いゴロを捕球して踏ん張って一塁に刺すプレーや、女子代表は併殺コースの打球で四度とも流れるように併殺を完成させるなど流石と思わせる面もあった。強風もあり、この一試合での評価が難しい面はあろう。
試合の様子はこちらでご確認下さい。場内アナウンスが選手名に「○○さん」とさん付けにするのも印象に残りました。
ただIBAF女子野球ワールドカップに前回大会からプロの参加が認められたのに現状の女子代表にプロの名が見当たらないのは残念だ。今日に限っては女子プロ野球のアストライアとレイアが昨日から神宮球場で二連戦を行っており、合流は難しい状況だが…。
帰りは現地で購入した関東女子硬式野球ヴィーナスリーグのパンフレットの地図を見て行田市駅に向かったが30分以上かかった。やはり徒歩15分というのは…。
“日本代表”に物足りなさを感じた敗戦処理。は帰京して神宮球場に向かった。やはりプロの方も見ておきたい。日本女子プロ野球リーグヴィクトリアシリーズ、レイア対アストライアを急遽途中観戦。
「ミスター女子プロ野球」川端友紀がショートでなく二塁を守っていて二塁ベース後方のフライを一瞬ショートに任せようとして落球するなどプロも似たり寄ったりのミスが目立つ試合だった。
だが日本代表と銘打つ以上プロもアマも一体となった上で国内最強のチームを作るべきであろう。
代表強化のためには根本的には裾野を広げることだろう。ヴィーナスリーグのパンフレットを見ると企業チーム、大学生チーム、高校生チーム計17チームによって成り立っている。さらに中学生チームが9チームある。これからなのだろうな、というのは将来に期待感を持たせるということだ。なかなか生で観る機会を作るのは難しいかもしれないが、変化した姿を次回みたいものだ。
【今日のオマケ】
レイア対アストライア戦より
アストライア、リリーフ登板の楢岡美和に声をかける辻内崇伸コーチ。拙blogを読んで下さる方に人気の元ジャイアンツドラ1にして甲子園の星。ジャイアンツで果たせなかった夢を新たな進路で果たして欲しい。
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