須永英輝、ジャイアンツ移籍後初の一軍入りへ!
交流戦前最後の一週間を1勝5敗と惨憺たる成績で終えたジャイアンツ。中軸打者が揃って不調というのも痛いが、この6試合で被安打77、被本塁打12本、自責点42という投壊。特に先発投手が打たれてビハインドで降板すると歯止めが利かなくなる投手陣も酷いもの。
18日の対カープ戦に先発して序盤から失点を重ねたクリス・セドンと中継ぎで追加点を献上した笠原将生が19日、出場選手登録を抹消された。
一部報道によると、交流戦が始まる明日20日、福田聡志と須永英輝が登録されるという。
2012年に、先発投手が早々とマウンドを降りたシチュエーションで緊急登板して何度もチームを救った福田の復調は心強いが、もう一人、須永に敗戦処理。は注目する。
(写真:明日20日、ジャイアンツ移籍後初の一軍入りが有力視される須永英輝。2014年5月1日撮影)
◆巨人 4被弾10失点で大敗…試合後にミーティング
セ・リーグ 巨人3―10広島 (5月18日 東京D)
(スポニチアネックス)
…前略…指揮官も「恥ずかしい」と話し、セドンと笠原の2軍降格、須永、福田の昇格を決めた。
須永英輝 浦和学院高のエースとして注目を浴び、ドラフトではジャイアンツからの指名を希望していたと言われるが、2003年のドラフト会議ではファイターズから2位指名を受けて入団。一年目にイースタン・リーグで9勝を挙げ、近未来の一軍主力投手へ順調に歩むものと期待されたが、一軍と二軍を何度も往復。時に好投してプロ入り初勝利を目前にすることもあったがなかなか一軍では勝利を得られず、2010年のオフにトレードでジャイアンツに移籍。ジャイアンツに移籍してからは一軍のマウンドには上がっていない。それどころか左肘を痛め、2012年3月に左肘靱帯再建手術を受け、実戦復帰に一年を要した。
(ジャイアンツ球場でリハビリに励む須永。2012年7月撮影)
ファイターズから通算して十年。戦力外通告が為されても仕方ない状況かと思ったが、幸いにも逃れ、今季はイースタン・リーグ開幕から左のリリーバーとして結果を出し続けてきた。
初めは対左打者のワンポイントリリーフが主だったが、相手打者の左右に関係なく1イニングを任されたり、ピンチを抑えて次のイニングも続投するいわゆる“イニングまたぎ”も増えてきて実戦的な起用が増えてきた。チーム41試合中、約半数の19試合に登板。すべてリリーフで3勝0敗。14回2/3を投げて被安打12、与四死球7ながら、14奪三振と要所を抑え、自責点1の防御率は0.61。走者を残して後に投げた投手に救われたケースもありそうだが、イニングの途中でマウンドを降りたのが3試合しかないのできちんとショートリリーフの仕事をこなしていると思われる。
ジャイアンツのファームの左投手では、主に先発で登板する阿南徹を別にすれば、昨年一軍で活躍した青木高広や、昨年ルーキーながら一軍を経験した公文克彦の調子が上がらず失点するケースが目立ち、須永と、昨年支配下登録に返り咲いた星野真澄が結果を残している。一軍で山口鉄也に次ぐ左のリリーバーの高木京介も一昨年ほどではない。星野(16試合1勝1敗1S、防御率2.45)より精度の高い須永に白羽の矢が立ったと思われる。
須永英輝、11年目。昨年までの一軍成績は通算で24試合、0勝3敗0S。57回1/3、被安打69、奪三振33、与四死球32。防御率7.53。2004年から2010年まで在籍したファイターズでは2008年を除く6年間に一軍登板を経験したが2011年にジャイアンツに移籍してからは一軍登板0。調べてみたら十二球団の現役の投手で、今年11年目の須永は未勝利で最も長く現役を続けている投手だ。本当によくここまで首が繋がったと思う。
もちろん、2009年8月5日の対ライオンズ戦のように、先発して六回までノーヒットに抑えたものの七回裏に先頭の中島裕之に初安打を打たれ、続く中村剛也に二塁打を打たれ無死二、三塁のピンチを招くと、リードが2点だったこともあり降板。リリーフした菊地和正がめった打ちにあって勝利投手の権利が消失し、あげく逆転負けというようなアンラッキーもあった。この時は次こそと期待したが、一週間後の8月12日のバファローズ戦の先発で5回8失点、四回と五回に計4本の本塁打を浴びる と、そのまま二軍に逆戻り。
振り返れば入団一年目。ファイターズのイースタン・リーグ優勝に貢献し、ウエスタン・リーグの覇者ドラゴンズとのファーム選手権(宮崎)に先発。3点のリードを背負って九回一死まで被安打2、無失点の好投を続けたが、そこで力尽きて三連打で1点を返されたところで関根裕之に後を託したが、関根も勢いづいたドラゴンズ打線を食い止められず、逆転サヨナラ負けをしてしまった、あの時の勝ち運の無さが尾を引いているのではないか…。
ただ、今回昇格すれば、当面はビハインドでのショートリリーフだろう。先発投手と違い、勝利投手になるチャンスは、もちろん好投するのが前提だが、運次第ともいえる。打線が低調なのがネックだが、与えられたチャンスで結果を残していけば11年目での遅咲き初勝利が手中になる期待も出来る。
そしてもう一つ、須永と言えば、やはりファイターズ鎌ヶ谷時代に流した汗が忘れられない。交流戦では三カード目に古巣ファイターズ戦がある。ファイターズでは現在、須永同様鎌ヶ谷で汗を流した尾崎匡哉が一軍登録されている。ここはぜひ交流戦で須永vs尾崎の鎌ヶ谷ダービーが実現して欲しいものだ。因みに須永vs尾崎は2011年以降のイースタン・リーグで対戦経験があるが、移籍した2011年のイースタン・リーグ開幕戦で実現している。東日本大震災から8日後に開幕したジャイアンツ球場で、須永は尾崎にレフトオーバーの本塁打を浴びた。
明日の選手登録の期限は午後3時。須永が出場選手登録されればジャイアンツ移籍後では初めてだが、同時にラストチャンスかもしれない。上がるタイミングとしてはよろしくないが、そんなことを言っている場合ではない。男になってくれ、須永英輝!
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント