イベントのないファイターズスタジアムでまったり観戦。でも思わぬサプライズサービスも…
今日(17日)は鎌ヶ谷に行ってきた。土日にしては珍しくイベントが組まれていない試合なので、まったりと試合を観ようという算段。
ファイターズ対ライオンズ戦、ライオンズは開幕時には先発ローテーション入りを果たしていた岡本洋介が先発、ドラフト1位ルーキーの森友哉とバッテリーを組んだ。また、リリーフ陣も一軍で投げてなければならない顔ぶれだった。ファイターズは高梨裕稔、金平将至という両ルーキーの登板に、二年目の屋宜照悟というリレー。個人的に注目しているライオンズのルーキー、山川穂高が活躍し、村山太朗球審の高らかな声が響き渡る、まさにファームの試合を観ているという感じで満喫できた三時間だった。勝敗を除けば…
(写真:六回まで無失点に切り抜けてきたが、七回に同点にされたファイターズの先発高梨裕稔。ホームベースのバックアップからマウンドに戻る。)
鎌ヶ谷での週末開催はこれでもかこれでもかとイベントを仕掛けてくる。もちろんそれは悪いことではない。ファームと言えども地域と密着し、スタジアムに足を運んで下さるお客さんに単に野球の試合を見せるだけでなく、付加価値を提供して楽しんでもらい、繰り返しの来場を促して収入を上げる試みをすることは意義のあることだ。
ただ、たまにはのんびりと野球を観たいという日もある。もちろんどんなイベントをやっていようと試合そのものは粛々と行われているのだが、試合開始の二時間くらい前から並ばないと、好みの席で観戦出来ないのがイベントを組んだ時の鎌ヶ谷。今日はそれがない、珍しい土曜日。因みに明日(18日)は婚活に因んだイベントがあるらしい。
いつもと同じ西船橋駅10:00発の路線バスでファイターズスタジアムに向かう。ファイターズに因んだラッピングはファイターズスタジアム行き以外にも使用され、すっかり馴染んできたが、このラッピングバスはJAROに訴えられないか心配である<笑>。
ファイターズスタジアムに着いた。正面広場もイベントがないので出店もなく、静かだ。そして列に並んでいるファン(荷物で自分の順番を確保している人)の数も少ない。
一番奥に立っている人が最後部だが、5月5日のイベント試合、ゴールデンイーグルスの松井裕樹登板試合では同じ時間帯で列はセンター後方まで続き、折り返して右中間まで延びていた。普通のイベント試合でもライト後方くらいには行く。「よかった、今日はまったり…」
こういう日に来てくれるファンを大事にしようとしたのか、こういう日でも良いことあるよと拡散されることを見込んだのか、今日の土日、祝日恒例の選手サイン会は武田勝と木佐貫洋という豪華メンバー。
試合前練習の時間帯なので大抵はその日に登板予定のない投手が登場することが多いが、昨日(16日)登板した武田勝と木佐貫の登場に、先着50人の希望者(敗戦処理。を含む)は盛り上がった。ここでサイン会をしていて良いのかと言うのは別にして。因みに昨日は武田勝が先発で2イニング、木佐貫が残りの7イニングを投げた。武田勝が2イニングで降板したのはどうやら中四日で21日の交流戦、ドラゴンズ戦に先発するようだ。
この選手サイン会、、以前は当日のチケット売り場にサインをする選手(二人)の名前が貼られていたが最近はそれがない。開場してコンコースで整理券を配り、だいたい開場してすぐ配布が終わるのだがそのタイミングで選手名が発表される。
両投手とも、本心は鎌ヶ谷でファンにサインをすることに抵抗があるのかもしれないが、そこはさすがファンサービスファーストを謳っているチーム。両投手とも、ファンに声をかけながらペンを走らせていた。
敗戦処理。は武田勝に写真を誉められて有頂天になっていた。因みに木佐貫は今日が34歳の誕生日。
試合はファイターズがルーキーの高梨裕稔、ライオンズが岡本洋介の先発。
ライオンズの岡本洋は開幕から一軍のローテーションに入っていた投手。調子を上げて一軍に復帰したいところだろう。ドラフト1位ルーキーの森友哉とのバッテリー。
ライオンズはその森が五番を打ち、四番は森に次ぐドラフト2位の山川穂高。“おかわりくん”中村剛也二世という感じの体格で、三塁を守り、足は意外と早そう。昨年の東アジア大会の壮行試合で社会人の精鋭の中で唯一大学生でスタメンを張り、しかも四番。そして本塁打を放ったので注目していた。キャンプでの故障で出遅れたが、ファームで四番を任されているようだ。
ファイターズの高梨は、ボールが先行し、自分で自分を苦しめている感じだった。だが、三塁側応援席付近のファイターズファンはそんな高梨にあまり文句を言わない。ボールツーとか、打者がウエイティングする確率の高い場面になると、今日の球審、村山太朗審判員の甲高いコールが聞こえてくるからだ。
7月、8月の炎天下でも一服の清涼剤となる村山球審のコール。スタンドからはライオンズの打者に「ファウル打つくらいならストライク見逃せ」などと自分勝手なヤジも飛んでいた。
試合が動いたのは四回裏。先頭の松本剛が右中間を破る二塁打で出ると、続く岸里亮佑がきれいに送って一死三塁に。ここでこのところ三番を打つ森本龍弥が前進守備の三遊間を鋭く破る先制タイムリー。
ファイターズは1点を先制した。さらに鵜久森淳志が歩いた一死一、二塁から五番の赤田将吾の一塁ゴロをライオンズの一塁手アブナー・アブレイユが大きく弾く間に二塁走者が生還して2対0とリードした。
高梨は2点のリードをもらって余裕が出来たのか、直後の五回表には初めてライオンズ打線を三者凡退に仕留めるなど安定し始めたが、序盤に球数を要したのがたたったか、投球数が100球に到達する七回表につかまった。
2対0と2点リードで迎えた七回表、高梨は二死まではスイスイ取ったが、八番打者の美沢将を歩かせてからおかしくなる。続く九番打者の水口大地にレフト前に運ばれて二死一、二塁。ここから石川貢にセンター前タイムリー、途中出場の星孝典にレフト前と連続タイムリーで同点とされてしまった。
高梨はこの回限りで降板した。
同点で迎えた八回表、ファイターズは高梨に代えてサウスポーの金平将至を投入。
ルーキーからルーキーの継投となったが、こちらは開幕一軍入りを果たしたサウスポー。しかも開幕戦にいきなり登板して話題を呼んだが、開幕三節目の4月9日に登録抹消。イースタン・リーグ公式戦では3試合目の登板だが過去2試合は一軍公式戦開幕前。つまり降格後は初めての公式戦登板。約一ヶ月、何をやっていたのか?(ただし非公式戦では今月10日のフューチャーズ戦に登板)
金平は先頭の山川に上手く合わせられてセンター前に運ばれた。無死一塁。森の代打、中田祥多の送りバントを自ら二塁送球して一塁走者を二封する好フィールディングを見せたが、直後に捕手の石川亮がパスボール。
一死二塁となってしまった。続く斉藤彰吾を二塁ゴロに打ち取るが、この間に三塁に進んだ中田が、続く藤澤亨明の代打、駒月仁人の打席でバッテリーエラー(おそらく暴投ではなく捕逸)で生還。ライオンズが勝ち越した。
石川亮はこの試合ではスローイングに目を見張る点があったが、キャッチングに課題を残した。
因みに勝ち越し点を奪って機運の高まった一塁側スタンドはこの回の攻撃を終えると、勝ち越しのホームを踏んだ中田に中田コールを送って讃えていた。得点が相手バッテリーエラだったが故の苦肉の策かもしれないが、中田がホームを踏んだのは送りバントを失敗して塁に残ったからだ。中田も複雑な思いだったのではないか…。
四回に先制点を取った後は沈黙していたファイターズ打線。八回裏には二番手の岡本篤志から二つの四球で二死一、二塁のチャンスを作るが、鵜久森が三振で同点、逆転機を逃した。九回表には三番手の屋宜照悟がアブレイユの2点タイムリー二塁打でとどめを刺された。
九回裏には中郷大樹に三人で抑えられた。
【17日・ファイターズスタジアム】
L 000 000 212 =5
F 000 200 000 =2
L)○岡本洋、岡本篤、S中郷-森、中田
F)高梨、●金平、屋宜-石川亮
本塁打)両軍とも無し
ライオンズの四番山川は4打数4安打と大暴れ。敗戦処理。が注目している、と書いたのは昨年たまたま観たプロアマ交流戦で活躍したからだ。昨年8月4日付拙blogエントリー社会人主体の東アジア大会日本代表チームがイースタン・リーグ混成チームに逆転勝ち! で書いたが、東アジア競技大会に合わせて組まれた社会人主体のアマチュア日本代表チームで、学生として唯一選ばれ、なおかつ四番スタメン。マリーンズの植松優友から第一打席でいきなり本塁打を放った。この試合、あらためて振り返ると今年のルーキー達の名前が随所に出てきて面白い。お時間のある方はエントリーに目を通していただければ幸いである。
第一打席は右中間を破る二塁打、第二打席はユニフォームのお腹をかすめる死球、第三打席は左中間を破る二塁打、第四打席は上述の技ありの中前安打。そして第五打席は左前安打と各方向に鋭い打球を打ち分けていた。
また、三塁の守備では常に大声を出していた。
打者を迎える度に確認も兼ねてアウトカウントをコールするのは常套だが、山川は打者の打席途中で突然アウトカウントを叫んだり、守っている味方野手に向けて大声を発している。杉谷拳士と似ている感じだがちょっと異なるタイプか。これからも注目したい選手だ。
また、ドラフト1位の森は特に目立った活躍はなかったが、一時期の中田翔を彷彿とさせるような低重心打法が目を引いた。
イベントもなく、少ないと思われた入場者数も恒例の八回終了時の場内発表では1,022人。
ただ、5月5日付拙blogゴールデンルーキー松井裕樹6回72球9K!鎌ヶ谷ファイターズに格の違い見せつける で触れたような、内輪受けのようなネタは、ゴールデンウイークより今日のような日に行った方が良かったのではないか。
因みにこの試合までのファイターズスタジアムでの公式戦は21試合。合計で28,420人の入場者を集め、一試合平均で1,353人。ファイターズスタジアムでは歴代最多の73,625人の入場者数を集めた昨年の一試合平均が1,416人だったから今季も検討している。長年にわたる、地元を中心としたファンとの深い関わりが安定した観客動員に繋がっているのだろう。
最後にファイターズの先発、高梨を生で観るのは二試合目。山梨学院大学から入団のルーキーだが、ファームでは先発ローテーションに加わっている。7イニングを投げたのは前回登板に続いて二回目だが、今日は序盤に投球数を費やしすぎてスタミナ切れという感じだった。あるいは六回で降板して継投した方がこの試合に勝つためにはベターな選択だったかもしれない。だが、投手をつぎ込めない事情があったのならともかく(主に勝ち試合のクローザーを務める白村明弘はバットボーイを務めていた)、そうでなくて七回まで投げさせたのはペース配分の誤りを反省材料にさせるべく、敢えて続投させたのかもしれない。勝つと言うことの難しさを痛感させることで反省点を自覚させるために、敢えて球威が落ちる7イニング目のマウンドに送ったのかもしれない。そういう前向きなトライの結果のスタミナ切れであれば(何度も繰り返されてはたまらないが…)今日の結果に関しては問うまい。今は一軍で投げている上沢直之や中村勝もそうした試行錯誤の末の今であるからだ。
P.S.
【今日のオマケ】
武田勝に誉められた一枚!
武田勝「おー、良いタイミングで撮ってますねえ」
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