巨人軍第81代四番打者大田泰示
開幕戦で四番を託した村田修一を筆頭に、26日にセ・リーグ優勝を決めた試合まで今季は八人の四番打者が登場したジャイアンツ。キューバ球界からの受け入れ態勢としての誠意を示す意味もあったと言われるフレデリク・セペダの四番打者デビューにも驚いたが、優勝決定直後の試合とはいえ大田泰示の四番抜擢には正直驚いた。
村田修一、阿部慎之助、ホセ・ロペス、レスリー・アンダーソン、長野久義、高橋由伸、フレデリク・セペダ(順不同)と一貫性のなかった四番打者起用のとどめが大田だった…。
敗戦処理。はセペダの四番起用にすら抵抗を感じるが、さすがに大田の四番起用は伝統を重んじる球団としてはいかにも安直すぎるのではないかと思わざるを得ない。ジャイアンツは自ら常勝を旗印にしている球団だ。これまでにも優勝を決めた翌日に試合を行ったケースも少なくなかったはずだが、そういう試合に分不相応の選手に四番を打たせていたら、「第○○代四番打者」等と代々語り継がれることはなかったろう。推測だが、これまでは優勝決定の翌日だろうと、然るべき選手が四番スタメンに名を連ね、疲労などを考慮するなら一、二打席で退いていたのだろう。それが四番打者というものだろう、ジャイアンツでなくても。
確かに今季は村田、阿部といった四番打者にふさわしい格と実績の持ち主が数字を残していない。それ故に原辰徳監督は次々と四番打者を入れ替え、それに伴い打順を大きく変えてきたのだろう。だからこそ主力を休ませる優勝直後の試合で「四番・大田」なのかもしれないが、格を考えればロペスかアンダーソンを四番に据えるのが妥当ではないのか?拙blog9月18日付けエントリー最近ジャイアンツに関するエントリーが少ない理由 で引用した広岡達朗氏の不満に妙に説得力を感じてしまう。
敗戦処理。は拙blogやtwitterで大田に対して常に厳しい言葉をぶつけてきたが、それは期待の大きさの裏返しでもある。五年前の2009年3月29日付けエントリーがんばれ中田翔&大田泰示-2017年WBCの三、四番は君たちだ! 今はファームだけど… で書いた気持ちは今も変わらない。
そもそも大田が第何代目かの「巨人の四番」に据えられるとしたら、それは大田が徐々に実績を積み重ね、それが認められたときに初めて「巨人の四番」に抜擢されるというイメージを描いてきたが、今後それが実現しても、「2014年のリーグ優勝直後以来の四番抜擢」と書かれるだけなのだ。これは大田にとっても不幸だ。
リーグ優勝を決めても、クライマックスシリーズの存在がある限りジャイアンツには“消化試合”は存在しないはず。この二日間くらいは主力、ベテランを休ませるというのだとしても、大田の四番起用はジャイアンツが大切にしてきた「四番打者観」という伝統に対する冒瀆なのではないか。このところめきめきと頭角を現した大田への二日間限定のご褒美という見方もあるようだが、だとしたら、まだまだこの程度の実績で大田泰示を持ち上げないで欲しい。大田は上述の中田翔とは一学年しか違わない。ベイスターズ打線の中軸を担う筒香嘉智より年上なのだ。この程度で満足してもらっては困る選手なのだ。
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