カープは黒田博樹獲得に成功、バファローズは大型補強…もうお金がないとの言い訳は出来ない!?
このオフはどちらかというとこれまで補強には積極的でなかった球団の精力的な補強が目立っている。FA戦線に積極的でなかったスワローズの成瀬善久、大引啓次の連続FA獲得、かつては「ケチックス」と揶揄されたバファローズも小谷野栄一のFA獲得、中島裕之の獲得に、ブライアン・バリントンとトニ・ブランコと日本で実績のある外国人選手の獲得に加え、流出必至かとも思われた金子千尋との四年契約とオフの主役と化した。そして、十二球団で唯一FA選手を獲得したことが無く、勝つことより黒字経営優先と思われたカープがずっと出し続けた黒田博樹へのオファーに黒田が応え、カープファンを中心に大喝采が送られている。
そう、予算が無いと思われがちな球団も、やる時はやるのだ。予算が無いことを理由に補強に積極な姿勢を見せず、逆に主力選手に出て行かれてばかりの球団には“怠慢”のそしりを免れない時代になる…!?
ここまで書けばおわかりであろうが、ファイターズの今後を憂えている。
育成を重視して、FA補強などのマネーゲームには乗らない。主力選手流出の穴は若手育成で埋める。ファイターズ球団のこの方針は北海道に移転してから四回のリーグ優勝という成果を得たこともあって、多くのファンやマスコミ、評論家の支持を得ている。だが、上述のようにこれまで補強に積極的でなかった球団が補強に精力的になって補強に成功するようになると、ファイターズも頑なに育成重視のスタンスに固執しなくても良いのではないかと思える。
11月6日付拙blogエントリー糸井嘉男×大引啓次らのトレードは何だったのか!? でも触れたが、糸井嘉男を放出した理由を、当時敗戦処理。はポスティングシステムによるメジャー挑戦志向を抑えきれないと見てのトレードという逆転の発想と無理矢理に納得していたが、バファローズ移籍後、本心はどうかわからないが二年を経てポスティング手続きは取られていないし、三年目になる来季は主将の大役を担う。
大引啓次のFA流出で二年前のトレードが蒸し返された形だが、フロント擁護派のある人は、当時糸井放出に踏み切ったフロントを正当化する理由にポスティングによる移籍願望の強さを抑えきれない点を挙げていたが、今では給料が高騰化しすぎて経営を圧迫するからと理由を差し替えている。どちらにせよ、ファイターズが投げ出したことをバファローズ球団は上手く抑え込んでいるのは確かだ。ましてや金子千尋の流出を食い止めた手腕には「あっぱれ」と言いたい。
これは個人的な意見なのだが、予算が少なく、人件費(選手の年俸)を抑えたい球団は、そもそも選手の給料を払いきれなくなるほど上げなければ良いと思う。選手の年俸は高くなればなるほど、さらに高くなるためのハードルは高くなるはずで、そう考えればかつてのダルビッシュ有にしろ、糸井にしろ、あんなに鰻上りに毎年毎年年俸が大幅アップするはずはないのだ。何億ももらっている選手はそれこそ昨年の田中将大の様に24勝0敗という前人未踏の成績でも残さない限り、大幅なアップは望めないはずだと思う。そんなことは無いと思う人は、例えば年俸1億円の選手が現状維持になる成績はどのくらいの成績か考えてみればよい。そしてその次は年俸2億円の選手が現状維持になる成績を考えてみる。これをやっていくと、昨今の日本プロ野球選手の高額年俸選手の契約更改が選手有利に進められているかわかる。
もちろん、選手の年俸(雇用条件)は成績の積み重ねという側面以外に、需要と供給という要素がある。むしろその要素の方が年俸の高騰を招いていると思えるが、予算のない球団は、そこをシビアに上げ幅を抑える査定システムを構築すればよい。その代わり、選手のポスティング入札希望には応えてやればよい。
個人的には補強戦線を制したバファローズや、黒田博樹獲得に成功したカープが必ずしも直ちに優勝戦線に浮上するとは思えないが、もしも奏効すればファイターズの様な球団にはプレッシャーになるだろう。もちろん、ファイターズファンとしてこれらの大型補強をした球団や、今季の王者ホークスをかいくぐってファイターズが覇権を得ることになれば痛快だという思いはあるが、そう簡単にはいかないだろう。
と、ここまで書いてきて、敗戦処理。の批判の矛先がファイターズ球団に向いているようで実は向いていないことに気付いた。
ファイターズの球団フロントへの厳しい指摘は拙blogやtwitterで展開してきたが、そのたびに反発がある。選手や監督を批判した時以上に早く、かつ高い確率で反発がある。そんないわば、フロント擁護派とも思えるファン層への批判、矛先はそこではないかと。
ファイターズの様な、予算が豊富でないと思われる球団にとって、選手の働きに加えて球団フロントの働きが重要だと思われる。だが選手の成績にシーズンごとに波があるのと同様、フロントの成果にも波があっても不思議ではないし、選手同様、結果に応じて矢面に立つ存在であるだろう。だが何故かフロント批判にのみ過剰とも思える拒否反応があるのもこのチームのファンの特徴<!?>
カープにしろバファローズにしろ、低迷期間が続いたからこその大転換かもしれない。ならばファイターズにはそうなる前に、本当に今のやり方で今後も大丈夫なのか、検証をしておいてもらいたい。
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