« あっぱれ侍ジャパン投手陣!四投手継投でMLBオールスターズ打線にノーヒットノーラン【回想】敗戦処理。生観戦録-第41回 2014年(平成26年)編 | トップページ | ジャイアンツの久保博球団社長による東京ドームで「TOKYO」ユニ着用構想から思うこと »

2015年1月 3日 (土)

ジャイアンツの久保博球団社長、二軍改革に取り組む。

Adsc_0004_2010
昨年の大晦日のスポーツ報知に興味深い記事があった。昨年
6月にジャイアンツの球団社長に就任した久保博球団社長が来季(つまり今年)の抱負を語ったものなのだが、そこに“二軍の活性化”、二軍改革に取り組むというのがある。


(写真:久保博球団社長が改革に取り組むというジャイアンツの二軍の本拠地、ジャイアンツ球場の初日の出。 201011日撮影)



ジャイアンツの久保博球団社長は、
80周年の区切りを終えて新しい年からは100周年に向けてのスタートだと語ったのを皮切りに、ジャイアンツブランドを作るとか、二軍の活性化、ユニフォームのメーカーを変えてビジターのユニフォームの胸に「TOKYO」の文字を復活させた話や、セ・リーグ共同でのビジネス案などを語っている。本エントリーでは、敗戦処理。もよく足を運ぶ、二軍の活性化に関して触れてみる。


久保社長は「G2プロジェクト」と称して、ジャイアンツ球場を週末は満員にしたいと語っている。「ファームを強化していくためには、100人の観客の中でプレーするより、2000人の観客の中でプレーした方が張り合いもある。」という言い方をしている。敗戦処理。も基本的にはそういう考え方だが、ものの例えとは言え、“100人の観客”という表現は如何なものか。「プロ野球 イースタン・リーグ 観戦ガイド 2014(イースタン・リーグ刊)によると、2013年のジャイアンツ球場でのイースタン公式戦の観客動員は一試合平均で812人。これはイースタン7球団中でファイターズとベイスターズに次ぐ第3位。入場無料の球団もある中でなかなかの数字で、これは常連のファンに失礼な例えではないかとも思える。


単純に入場者数を増やしたいのであれば、抽選で試合後にグラウンドで選手からサインを貰える大サイン会やキャッチボール大会を増やせばいいと思う。
Cdsc_0284
Cdsc_0283
だが、それが本当にファームに親しみを持つファンを増やす特効薬になるかというと疑問ではある。



ジャイアンツよりも本拠地の球場での試合の入場者数が多いファイターズ(2013年一試合平均1416)とベイスターズ(1026)は文字通り、地元に密着している。もちろんそれは一朝一夕に確立されたものでは無い。ジャイアンツ球場の場合、球場の住所は神奈川県川崎市だが、最寄り駅は東京都稲城市の京王よみうりランド駅であるという複雑な事情があるが、基本的には稲城市をホームタウンとして稲城市に根付く努力が必要であろう。


稲城市民でない観戦者の敗戦処理。が感じているのはファイターズやベイスターズの本拠地での客層とジャイアンツ球場の客層に大きな違いがある。これはデータに基づいたものでなく、直感というか主観なのだが、例えばファイターズスタジアムの場合、球団スタッフによると八割くらいが固定客、常連ファンだという。だがジャイアンツ球場は敗戦処理。の推定ではその逆だと思う。ジャイアンツのファンの絶対数が多いから、その中の何割かわからないが、「たまには二軍の試合でも観るか」と思ってジャイアンツ球場に足を運ぶ人がいれば、そこそこの入場者数になると思うのだ。もちろん一塁側やネット裏の前の方の列には常連と思しきファンが占める割合が高いが、歓声の上がり方などに鎌ヶ谷や追浜との違いを感じる。


ジャイアンツ球場でスターティングメンバーが発表されるときの拍手、歓声の大きさは一軍での出場歴にほぼ比例している。そんなの当たり前だろ?と思われるだろうが、ファームの人気者的存在が他の球団には何人かいるものだ。それがチームにとって良いことか悪いことかは一概には言えない面もあるが、昨年、片岡治大矢野謙次が出場した試合をジャイアンツ球場で観たときに特に強く感じた。


もっともこれはチームとして、補強と育成のバランスという意味では明らかに補強に比重を置いているチーム事情から考えれば、致し方ない事態であると思う。ファイターズやベイスターズ(あるいは他のチームも含め)ファームで鍛えて一定のレベルになった若手を多少目をつぶって一軍で使うという環境にないチームで、ファンにファームで苦しみながら成長する選手目当てにファームの試合を観に行こうということ自体に無理があろうというものだからだ。


まあ今季は、ドラフト1位で高校卒の岡本和真を獲得したので、岡本がファームスタートとなれば、黙っていても昨年よりは観客動員が増えると思うが、岡本頼りではさすがに心細い。


選手、試合に魅力を持たせる動機付けが難しいとなると、イベントの増加だけでは長い目で見てのファン増加は難しいと思う。ジャイアンツにはファイターズとベイスターズ同様にファームの試合にもマスコットが登場するが、近年のマスコットブームの割にはジャイアンツはマスコットの活用がヘタだと思う。


しばらく、ジャイアンツ球場の試合では東京ドームでパフォーマンスをする五人のマスコットとは別に背番号1105の六人目のマスコットが登場していた。
Dsc_0289
背番号
1105は“従兄弟(イトコ)”を意味し、2007年のファーム日本選手権ではあのドアラとも共演した。だがこのイトコの存在はジャイアンツの公式ホームページを見てもどこにも載っていない 。それでもジャイアンツ球場の試合にフル出場していれば、C☆Bやかつてのレックの様にファンに根付くはずなのだが、イトコはジャイアンツの一軍がホームゲームをしている時が主な出番で、一軍がビジターで試合をしているときには一軍に同行しない五人のマスコットの中から555番のジャバか333番のジャビィがジャイアンツ球場に現れるのだ。これではイトコは定着しない。マリーンズのように同時に一軍と二軍の異なる試合場所にマー君やリーンちゃん達を登場させるよりは気が利いている様にも思えるが、マスコット戦略としては粗末と思わざるを得ない。


なおかつ2012年の八王子市民球場での主催試合では何の断りもなく背番号8105番のハトコを登場させる節操の無さを露呈した…。
Dsc_0012


Cdsc_0026
そして球団創立
80周年だった昨年は80周年記念の“おじいちゃんジャビット”を登場させたために、六人では多すぎるということなのか、東京ドームでの主催試合から背番号555番のジャバが姿を消し、ジャイアンツ球場に派遣されるようになり、イトコが姿を消した。ファンをなめているとしか思えない。
Cdsc_0009


それにも増してマスコット戦略で致命的なのが、昨年出版されたこの書物。

Bdsc_1491
タイトルで「ジャビットです。」と謳っているが、中をめくると背番号
333ジャビィしか登場しない。そもそも“ジャビット”とはジャイアンツのマスコットの総称であり、五人の中の誰かの名前ではない。イトコやハトコが登場しないのはまだしも、ジャバ、ビッキー、ツッピー、チャピーがどこにも登場しないのはどうしたことなのか<!?>敗戦処理。のようにツッピーとチャピーの区別が付かない(兄と妹だが双子らしい)ファンにアピールする意味でもせめて五人を登場させ、そのなかでジャビィをクローズアップするべきであろう。
Bdsc_1497


これらの指摘が的を射ているものだとしたら、ジャイアンツの二軍の問題は単に二軍だけの問題ではなく、一軍を含めた全体に及ぶ改革を伴わざるを得ない問題だと思える。



そもそも、2009年に室内練習場が移転して現在のようにジャイアンツ球場に隣接する形になったときに、空いた旧室内練習場跡地に選手寮を移転させるのだと敗戦処理。は勝手に想像していたが、やるならそこまでやるべきだと思う。そうすれば大田泰示のような自転車事故も防げるし、ファイターズタウンのようなファンと選手の距離が近いファンサービスも可能になるだろう。選手寮の移転には相当の金額がかかるから即断は出来ないにしても、ここまで書いてきたように一筋縄では改革は無理だろう。久保社長はビジターユニフォームに「TOKYO」の文字を復活させるなど着眼点は確かな人物と期待出来そうなので悪条件の中、どんな改革を施すのか期待はしてみたいと思うが…。


巨人を世界発信!…久保球団社長インタビュー

2軍活性化へ「G2プロジェクト」発足


※ どちらも
20141231日付けスポーツ報知より


P.S.
次エントリーでは「TOKYO」ユニフォームについて思うところを記したい。

 

|

« あっぱれ侍ジャパン投手陣!四投手継投でMLBオールスターズ打線にノーヒットノーラン【回想】敗戦処理。生観戦録-第41回 2014年(平成26年)編 | トップページ | ジャイアンツの久保博球団社長による東京ドームで「TOKYO」ユニ着用構想から思うこと »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ジャイアンツの久保博球団社長、二軍改革に取り組む。:

« あっぱれ侍ジャパン投手陣!四投手継投でMLBオールスターズ打線にノーヒットノーラン【回想】敗戦処理。生観戦録-第41回 2014年(平成26年)編 | トップページ | ジャイアンツの久保博球団社長による東京ドームで「TOKYO」ユニ着用構想から思うこと »