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2015年3月29日 (日)

おめでとう高木勇人、開幕第三戦で早くも初登板初先発初勝利!

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ジャイアンツにとっては記念すべき一日となった。長野久義が、かねて交際中と報じられていたテレビ朝日の下平さやかアナウンサーとの入籍を発表した。



あ、すみません。それもおめでたいのですが、今日(29)は敗戦処理。が生観戦した試合の方でおめでたいことがありました。


ジャイアンツのドラフト3位ルーキー、三菱重工名古屋から入団の高木勇人が開幕第三戦で公式戦初登板初先発。これだけでも、ドラフト制度実施以来、ジャイアンツでドラフト3位以下の新人投手が先発するのが初めての快挙なのに、6イニングを2失点に抑えて見事に勝利投手に輝いた。


報道によると、ジャイアンツで開幕カードに新人投手が先発して勝利投手になったのは55年ぶりだとか。言われてみれば、上原浩治菅野智之も勝てなかった


おめでとう、高木勇人!
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(写真上:記念すべきプロ入り第一球を投げ込む公式戦初登板初先発の高木勇人。
62失点で見事に勝利投手に輝いた。写真下:ヒーローインタビューで笑顔を見せる高木勇。)



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(写真:打席でもプライベートでも高めのボール球に手を出す

と言ったらさすがに失礼か。七回裏、とどめを刺すタイムリーを放つ長野久義)


早速本題に入ろう…


シーズンはまだ始まったばかり、とは言うものの昨年1113敗とセ・リーグの5カードの中で唯一負け越したベイスターズ相手の開幕カードの三連戦。11敗で迎えた以上、勝ち越したいところだ。


そんな大事な試合に、オープン戦で好調だったとはいえドラフト3位のルーキー投手を抜擢するとは原辰徳監督も思いきったなというより、他にいないのかというのが率直な感想。


シーズン前、今季のジャイアンツの先発ローテーションを占う際、菅野智之、内海哲也、杉内俊哉、大竹寛の四人はまずは当確で、六人ローテーションなら五人目以降をマイルス・マイコラスアーロン・ポレダの両外国人助っ人、リリーフから転向する西村健太朗、昨年6勝を挙げた小山雄輝に、若手の宮國椋丞、今村信貴らで争うという見方が一般的だった様に思えた。それが内海の故障があったとはいえ、ルーキーがいきなり開幕第三戦の先発に抜擢というのは高木勇人にとっては名誉なことであるが、素直に喜んでいいのかという気もしないではない。


もちろん、開幕カードの三連戦に最も信頼の置ける投手から順に三人を選んで先発させるとは限らない。次の三連戦も合わせ、六試合を一組と考えて投手をバランス良く配分することもある。実際、相手のベイスターズもこの三連戦に昨年11勝を挙げた井納翔一9勝のギジェルモ・モスコーソを先発させていない。


ジャイアンツは昨日(28)の第二戦を先発のアーロン・ポレダらが打たれて試合を落としたが、ポレダは初回から打たれて走られてで3失点。前回の登板、21日のファイターズとのオープン戦でも盗塁フリーパスの兆候を見せて不安視させたが、それが現実のものとなった。高木勇も自分のためにも、チームのためにも立ち上がりは気をつけたい。


だが、立ち上がりでけちを付けたのは初登板初先発のルーキーではなく、昨年、入団二年目で開幕投手を務めながら期待を裏切って今季にかけているベイスターズの三嶋一輝の方だった。


高木勇が石川雄洋、桑原将志、梶谷隆幸の三人を打ち取る三者凡退と、これ以上無い立ち上がりだったのに対し、三嶋の方はいきなり坂本勇人、井端弘和に連打、長野久義には女子アナとの交際の様に長く粘られて四球。あっという間に無死満塁のピンチを作った。


ここで四番に座る阿部慎之助がレフトに高々と打ち上げる先制の犠牲フライ。
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打球の上がった位置からして、余裕でホームイン出来る飛距離だったが、三塁走者の坂本がスピードを落として走っていたためレフトの筒香嘉智からショートの倉本寿彦を経由してのバックホームはぎりぎりだった。坂本はバックホームは返ってこないとたかをくくっていたのか、ホームベースを走り抜けようとして返球を受ける捕手の黒羽根利規とぶつかって転ぶほどだった。


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坂本は何たる怠慢な走塁なのだろうか?そして次打者の村田修一は滑り込めというポーズを何故示さなかったのか?首尾良く先制点を挙げたとはいえ、新キャプテンのキャプテンらしからぬ走塁に、幸先良い先制点の喜びも半減といった感覚になった。


この後、村田の二塁ゴロの間にもう1点を加え、高木勇に2点の援護を授けた。


高木勇は直後の二回表に二死から連打を浴びたものの下位打線に回ったことが幸いして二死満塁まで攻め立てられたが無失点に凌げた。


だが二回り目の三回表、先頭の石川にセンター前に運ばれると、送りバントと四球で一死一、二塁のピンチを招き、開幕から二試合連続本塁打と絶好調の筒香にセンター前に運ばれて1点を失う。
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さらに一死一、三塁と同点、下手をすれば逆転の恐れもあるピンチが続いたが、高木勇はホセ・ロペス、アーロム・バルディリスをともに詰まらせて一塁フライに打ち取って最少失点に食い止めた。このあたり、高木勇は非凡なものを感じさせた。
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ゴロの捕球や他の内野手からの送球を受けるのにまだまだ危なっかしい阿部だが、さすがにフライはお手のもの。ここでは「アベノリスク」は回避出来た。



試合が膠着状態に入るかな、と感じられ始めた四回裏、亀井善行が、前に座っていたお客さんが立ち上がって見にくいハンディをものともせずライトスタンドに2ラン本塁打。
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次の五回表に、勝利投手の権利取得を意識しがちなことを考えると、ナイスなタイミングで追加点をプレゼント。2対1から4対1とリードを拡げた。



この2点が効いたのか、ポイントになるはずだった五回表のベイスターズの攻撃は二番からの好打順であったが高木勇はあさり三人で退けた。


前の回の2失点はともかく、その失点直後の攻撃で反撃の姿勢を示すでもなく上位打線が三者凡退。親会社が変わり、中畑清監督以下首脳陣がこのチームを変えようといろいろと苦心しているが、改善は見られてもAクラスに手の届かないチームの現実を見た様な気がした。


その裏、先発の三嶋は先頭から井端、長野とともにテレビ朝日の女子アナをゲットした選手に連続四球で無死一、二塁。阿部を迎えて投手交代かと思えたが続投して阿部にライト前に運ばれ、この試合二回目の無死満塁のピンチ。さすがにベイスターズベンチは三嶋を諦めて二番手に、日本テレビの女子アナと交際して破局してからテレビ東京の女子アナをゲットした林昌範を投入。


打順的には、その後に高橋由伸、亀井と左の強打者二人が控えているとはいうものの打席には右打者の村田。村田と林の相性を調べた訳ではないが、右の強打者相手にサウスポーの林投入はリスクが高いのではと思えるが、村田は開幕からここまでノーヒットと絶不調。
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なめられたと思ったら、案の定、浅いライトフライで犠飛すら打てず。


続く高橋由伸の打席でこの日出場登録されたスイッチヒッターの金城龍彦を代打に送って勝負をかけるかと思ったがそのまま高橋由が打席に立って三振。無死満塁から追加点を取れない様ではといやな予感がしたが、亀井がライトへ2点タイムリー二塁打。


貴重
な2点が加わって6対1とジャイアンツはさらに点差を広げた。


ここで食い止めていればまだ良かったものの、ベイスターズは二死二、三塁の状況で八番の相川亮二と勝負してセンター前に2点タイムリー。何故次の投手の高木勇との勝負を選択しなかったのか?


攻撃が長くなったこの回、併殺なら攻撃が終わる一死満塁の高橋由の打席でも、二死満塁になってからでも高木勇は次の回からの投球に備えるベンチ前の投球練習をしていない。だが五回裏の場合、攻撃が終わってもグラウンド整備があるので攻撃中はベンチで休む投手も少なくない。そもそも勝利の方程式が盤石でないジャイアンツでは高木勇に五回終了時では代打を出しにくい。結果的には高木勇にも安打が出て、さらに坂本にも安打が出てもう1点加えてそこでようやく林から加賀繁にスイッチ。ベイスターズは亀井のタイムリー以後の3失点は防げたはずだが、亀井のタイムリーでプッツンと緊張の糸が切れたのか、もちろんジャイアンツファンにとってはありがたいことなのだが、この回5点が加わった。


同じ事を二度書くのもナンだが、ベイスターズというチームはまだ。セ・リーグはパ・リーグに比べると上位と下位の差がはっきりしていると言われるが、今日のこの中盤の攻防を見る限りでは、過去二年間、ファンに期待を持たせても5位より上に上がれないのも宜なるかなと感じた。もちろん今日のこの中盤の攻防を見る限りでの印象だ。次の対戦では逆にジャイアンツがしてやられる場面もあるかもしれない。


高木勇は六回表に、センターの長野がひょっとしたら試合中に他のことを考えていたんじゃないかという感じで飛雄馬のセンター後方の打球を取り損なって1点を失うがこの回まで投げて6回を自責点2と好投。見事に大役を果たした。今日は捕手が若い小林誠司でなく、ベテランの相川だったのも高木勇には大きなプラスだったのではないか。
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スタンドでは「さすが相川はベイスターズを知り尽くしているなあ…」という声も聴かれたが、相川がベイスターズにいたのは2008年まで。今日のメンバーで2008年にベイスターズに所属していたのは石川、梶谷、黒羽根のみ。このチームの選手の入れ替わりは早い…。



ジャイアンツは二番手にもルーキーの戸根千明を投入。
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前日に続く登板だ。左対左とは言え梶谷にはライトのフェンスまで運ばれて二死からピンチを招くが、絶好調の筒香を空振り三振に仕留めてピンチを切り抜けた。
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戸根は高木勇より一巡早いドラフト2位ルーキー。高木勇が高校を出て社会人に七年間所属したのに対し、戸根は日本大学からの入団。高木勇より三歳若い。しかし、テレビ観戦された方は感じたかもしれないが、風格は戸根の方が上<>


今思えば、1月の新人合同自主トレで、グラウンドを何周も回る
3000mの持久走で川相昌弘ヘッドコーチの息子、川相拓也が独走する中、戸根はマイペースで走っていて「大物だなぁ」と感想を持った。
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この物怖じしない性格
<!?>で今後はハードルの高い場面での登板も増えていくのではないか。まだ早いかもしれないが、出来れば山口鉄也の付加を軽める存在になって欲しい。


結局点差もあったからか、高木勇から戸根、笠原将生、高木京介と勝ち試合か負け試合かわからないようなリレーで11対3と大勝した。


冒頭に書いた様に、ジャイアンツでドラフト3位以下のルーキー投手が開幕カードで先発したのはドラフト制度が実施されてから初めてだったそうだ。なおかつ、ルーキー投手が開幕カードで先発して勝利投手になったのは55年ぶり。1960年の堀本律雄、青木宥明両投手以来らしい。堀本律雄さんなら名前は知っているが、青木宥明さんは失礼ながら初めて聞く名前だ。そして開幕カードに限らなければ、ルーキー投手の初登板初先発初勝利に関してはジャイアンツではたぶん真田裕貴以来だと思う。


上述したように、ルーキーの高木勇を開幕第三戦に抜擢したということは、実績のある先発ローテーション投手達に不安が多いという実態の裏返しではないか。その意味では昨年セ・リーグで唯一負け越したベイスターズ相手に二勝一敗と勝ち越したのは好スタートと言えるが、まだ次のドラゴンズ三連戦で先発する投手を見てみないことにはまだ好スタートと言えるかどうかはわからないだろう。


一方攻撃側では、オープン戦では「水鉄砲打線」と揶揄された打線が13安打11得点と爆発。そもそも大田泰示を四番に据えた時点で「無鉄砲打線」だと思ったが、野球の神様にそっぽを向かれたかのごとくの貧打ぶり。大田以外にフレデリク・セペダが四番に入ったりしたが、打線はつながらなかった。オープン戦の終盤に本命の阿部が四番に座る様になって打線が落ち着いた。一塁の守備では危なっかしく仮に打棒が復活しても不慣れな守備では「アベノリスク」も併せて考えなければならないだろう。敗戦処理。は阿部の一塁コンバートに反対してきたが、いろいろな報道を見ると、もはや身体がボロボロでマスクをかぶっての常時出場は困難だとか。であれば早く一塁守備を自分のものにして欲しいものだ。


なお先ほど名前を挙げた金城は開幕一軍登録からは外れたが、今日登録されて八回裏に代打で登場。FA移籍前の古巣相手との対戦になった。だが代打金城がコールされると、レフトのビジター応援席では拍手をしているファンの姿も目立った。
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三年前の村田の横浜スタジアムでのオープン戦でのブーイングの嵐とは偉い違いだったが、とにもかくにもベイスターズファンよ、ありがとう!



最後にその村田。


実はジャイアンツは昨年も開幕戦に勝って、翌日に負けての一勝一敗で第三戦を迎えた。このときには三戦目にして打順を大きく変えた。それが年間を通して打順を固定出来ず、「猫の目打線」と呼ばれる戦い方を余儀なくされるきっかけになったのだが、今日の原監督は捕手を変えた以外、打順をいじらなかった。


打順や、それどころか起用する選手をころころ変える原監督独特の采配は、個人的にはどうも好きになれない。選手の尻を叩く方法は他にないのか?推測だが原監督がやたらに荒療治に走るのは、選手を信用していないというより、選手の間にマンネリズムが発生することを極度に恐れている様に思える。連続優勝を続ける中にくるマンネリズムがあれば、そこからチームにほころびが生じると考えて、常に気を緩めないで戦う。そのために選手が不振と見るや、すぐに打順を変えたり他の選手に替える。おそらくは当たらずとも遠からずではないかと思うが、もっと腰を据えて戦って欲しいと個人的には思うのだ。今日の打順変更無しは吉兆なのだろうか



ただ、打線の
13安打は、上述した様にベイスターズの采配ミス、継投ミスに救われた下駄を履かせた猛打かもしれない。だがそんなお祭り攻撃でも村田のバットから快音が聞かれなかったのは残念だ。
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オープン戦期間とはいえ一度二軍落ちという荒療治は試みた。次のカードでも村田に復調の兆しが見られなかったら



そうならないことを祈るのみである。


最後になったが、長野もおめでとう!

 

 

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