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2015年3月 9日 (月)

オープン戦が少なすぎる!?

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昨日
(7)は観戦した大和スタジアムの天候が試合開始が近づくにつれて回復して無事試合終了まで行われたが、今日(8)は観戦予定のイースタン・リーグ春季教育リーグ、ファイターズ対ライオンズ戦が開場前に雨天中止になってしまった。


イースタン・リーグは次の土曜日、14日に開幕するから、今年はファイターズの教育リーグの戦いぶりを観ることなくシーズンに突入しそうだ。


ファイターズでは今年から本拠地ファイターズスタジアムで行うイースタン春季教育リーグの試合を無料試合から有料試合に改めた。非公式試合であり、練習の延長と位置づけられる教育リーグは、どの球団も自前のスタジアムで行うものは無料にしているが、イースタンで最も多くのファンを集める球団が真っ先に有料にするとは


文句を言いながらも金を払って観戦してしまう敗戦処理。のようなカモがいるから球団も強気の商売を目論むのだろう。お目当ての試合が雨天中止になった今日、春季教育リーグや一軍オープン戦について考えてみた。


オープン戦が少ない!



きっかけは、スポーツ報知の蛭間豊章記者のブログだった。
3月の最初の土日から、ドーム球場を本拠地に持つ球団の主催で、ドーム球場でのオープン戦が組まれていることから、かつて南から徐々に北上していくオープン戦の風情がなくなってきたことを嘆いている。

春の息吹を感じさせないオープン戦日程


長いオフシーズンの間、ずっと待ち焦がれていた「野球」が早く帰ってくる分にはファンとしてはありがたく、実際に敗戦処理。もまだ2月なのに東京ドームで行われるジャイアンツのオープン戦を楽しみにチケットを確保し、観戦してきた。


だが、蛭間氏が嘆くように風情を感じないのも事実。敗戦処理。が子供の頃、ジャイアンツのオープン戦はオリオンズ相手のビジターで、オリオンズのキャンプ地、鹿児島鴨池球場からスタートするのが相場だった。年に一回、テレビ東京がジャイアンツ戦を中継するのが常だった。昼間の試合を、ナイトゲーム中継の時間帯に短縮して録画中継していた。


その後キャンプ地の宮崎で試合を行う。今はジャイアンツのファームがキャンプを張るひむかスタジアムと名を変えた宮崎県営球場だ。それからはまだ福岡に本拠地を置いていたライオンズ相手に北九州を転戦。その後在阪球団の本拠地でオープン戦を行い、後楽園に戻ってくる。最後の一週間は在京球団を相手に北関東を転戦し、最後に後楽園で締めるというパターンだ。


ファイターズは日本で初めて沖縄でキャンプを張った球団だが、初戦はドラゴンズを相手にすることが多く、東京時代のファイターズの土日のデーゲームを中継してくれていたテレビ朝日が沖縄から中継してくれていた。解説は武上四郎氏だった。

手元に、昭和52(1977)のオープン戦の日程表がある。ジャイアンツの日程に絞って、今年のオープン戦と比べてみよう。


1977(昭和52)
2月19日 土曜日 
2月20日 日曜日 
2月21日 月曜日 
2月22日 火曜日 
2月23日 水曜日 
2月24日 木曜日 
2月25日 金曜日 
2月26日 土曜日 オリオンズ 宮崎
2月27日 日曜日 
2月28日 月曜日 
3月1日 火曜日 
3月2日 水曜日 
3月3日 木曜日 
3月4日 金曜日 ライオンズ 熊本
3月5日 土曜日 ライオンズ 小倉
3月6日 日曜日 ライオンズ 平和台
3月7日 月曜日 
3月8日 火曜日 
3月9日 水曜日 
3月10日 木曜日 
3月11日 金曜日 
3月12日 土曜日 ホークス 大阪
3月13日 日曜日 ブレーブス 岡山
3月14日 月曜日 
3月15日 火曜日 バファローズ 藤井寺
3月16日 水曜日 
3月17日 木曜日 バファローズ 岐阜
3月18日 金曜日 
3月19日 土曜日 ホエールズ 水戸
3月20日 日曜日 スワローズ 後楽園
3月21日 月曜日 スワローズ 静岡
3月22日 火曜日 
3月23日 水曜日 ファイターズ 後楽園
3月24日 木曜日 ファイターズ 前橋
3月25日 金曜日 
3月26日 土曜日 オリオンズ 宇都宮
3月27日 日曜日 オリオンズ 後楽園
3月28日 月曜日 
3月29日 火曜日 
3月30日 水曜日 
3月31日 木曜日 
4月1日 金曜日 
4月2日 土曜日 公式戦開幕


2015年
2月21日 土曜日 カープ 那覇
2月22日 日曜日 ゴールデンイーグルス 那覇
2月23日 月曜日 
2月24日 火曜日 
2月25日 水曜日 
2月26日 木曜日 
2月27日 金曜日 
2月28日 土曜日 スワローズ 東京ドーム
3月1日 日曜日 スワローズ 東京ドーム
3月2日 月曜日 
3月3日 火曜日 ファイターズ 札幌ドーム
3月4日 水曜日 ファイターズ 札幌ドーム
3月5日 木曜日 
3月6日 金曜日 バファローズ 京セラドーム
3月7日 土曜日 バファローズ 京セラドーム
3月8日 日曜日 タイガース 甲子園
3月9日 月曜日 
3月10日 火曜日 ホークス 長崎
3月11日 水曜日 ホークス ヤフオクドーム
3月12日 木曜日 ホークス ヤフオクドーム
3月13日 金曜日 
3月14日 土曜日 ライオンズ プリンスドーム
3月15日 日曜日 マリーンズ QVCマリン
3月16日 月曜日 
3月17日 火曜日 
3月18日 水曜日 ベイスターズ 横浜
3月19日 木曜日 
3月20日 金曜日 ファイターズ 東京ドーム
3月21日 土曜日 ファイターズ 東京ドーム
3月22日 日曜日 マリーンズ 東京ドーム
3月23日 月曜日 
3月24日 火曜日 
3月25日 水曜日 
3月26日 木曜日 
3月27日 金曜日 公式戦開幕


当時と比べると、開幕は一週間早まっただけであるが、オープン戦に春の息吹を感じなくなったと感じる蛭間氏の気持ちがわかるほど、地方開催が減っている。もちろん、比較した1977年にはまだドーム球場がない。日本で初めて人工芝が後楽園球場に取り入れられて二年目という時代、今と比較するには問題のあるデータかもしれない。


だが、開幕が早まったからと言って、オープン戦の時期を前倒しすれば同じ調整が出来るという訳ではない。当たり前だが、気候の変化は前倒しされないからだ。現実にはあり得ないと思うが、オフシーズンを短縮してキャンプインを一週間早めたとしても、気候の問題は解決しない。要するにこの当時より、調整期間が一週間短くなっただけなのだ。当時は一球団あたり130試合、今年は143試合。今年は11月に国際大会であるプレミア12の開催が決まっているが、来年以降も11月には侍ジャパンの強化試合を組みたいのがNPBの意向で、それがために日本シリーズを10月中に終了出来るような日程を組む。


40年前もドーム球場のない時代に日本シリーズは10月中か、11月初旬で終わるように組まれていた。当時と今の違いは交流戦を含め、試合数が多くなったことだ。だから開幕戦が早まり、オープン戦が削られる。短期間で調整に必要な数の実戦をこなさなければならないから、天候、気候に左右されずに試合を行えるドーム球場での試合が増えていく。そして自ずと地方開催が減っていく。


今年、交流戦の試合数が昨年までの一球団あたり24試合から18試合に減少した。その減少分は同一リーグ同士の対戦を増やすことに充てられたため、公式戦の試合数としては昨年までと比べて1試合減っただけだった。開幕戦は昨年と同じ、3月の最終金曜日。


各球団は、短くなったオープン戦を補うために、キャンプ期間にやたらに「練習試合」を組む。オープン戦と練習試合の違いは、練習試合は球団同士の話し合いでイニングを短くしたり、指名打者のルールに融通を利かせたり、柔軟に実戦が出来るメリットがある。週刊ベースボール3月9日号「日本球界の未来を考える」ではこの問題に触れていて、オープン戦という形式にこだわらずに練習試合を増やすことで調整を前倒しすれば、公式戦の開幕を今より前倒し出来、今はスケジュール的に厳しい侍ジャパンの国際試合のが編成しやすくなると論じているが、敗戦処理。に言わせればそれは極論すれば本末転倒。各球団はオープン戦期間の短縮化に対応する調整法に苦慮しているのだと思う。そしてその打開策の一つが、本来はファーム選手の、リーグ戦本番前の鍛錬、教育の場である教育リーグの一軍のための活用であろう。


敗戦処理。が生観戦した7日の大和スタジアムの筒香嘉智、井納翔一の出場は侍ジャパンの強化試合出場に備えたレアケースであろうが、近年、イースタン春季教育リーグにあっと驚く選手が出場するケースが増えている。6日にはジャイアンツの主砲、阿部慎之助が出場したし、昨年は鎌ケ谷で行われた試合で武田久、増井浩俊、宮西尚生が相次いで登板した試合もあった。ゴールデンイーグルス時代の山崎武司は教育リーグで実戦始動するのを常としていた。教育を受けなければならない立場の選手達の教育の機会が減ってしまうというデメリットがあるが、一軍が優先なのは致し方あるまい。


教育リーグは練習の延長という考え方なのか、非公式戦と言うこともあってか、通常は各球団のファームの本拠地を使って入場無料で行われるのが普通だ。


ところがファイターズが、今年から春季教育リーグの試合の有料化を打ち出した。


イースタン・リーグの球団の中で最も多く本拠地にファンを集める球団が何故、昨年まで入場無料だった試合を有料にするのだろうか?


公式戦であろうとなかろうと、お客さんをスタンドに入れれば清掃などの経費が発生するから、受益者負担の原則でファンから費用を徴収するという考え方なのかもしれないが、そうであればイースタン・リーグ公式戦と同額の入場料を設定する必要はあるまい。半額あたりに出来ないものか。


地元に密着した徹底的なファンサービスが奏功して、ファイターズスタジアムの入場者数は飛躍的に増加した。ファイターズスタジアムの試合運営や、一軍の東京ドーム主催試合を運営する首都圏事業グループはその功績が認められてグループから部に昇格した。


その牽引車たる成田龍太郎グループ長は事業部長と呼ばれる身になった。
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blogでこれまでにも言及したことがあるが、この人は年間パスポートや駐車場料金などを適宜値上げしてきた。それでもファンが付いてきたのは値上げしてもそれに伴う付加価値のアップがあったからなのだろう。だが、練習の延長で、非公式戦である教育リーグの有料化にはどんな付加価値があるのだろうか?


昨日の教育リーグ初戦からFAN’ LOUNGEなるものがお目見えした。冒頭の写真は外観だが、中はこんな感じだ。
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豪華すぎるビジョン、夏に暑気払い出来るプールなど来場者が楽しめる仕掛けを次々と断行してきたが、今度はファンがくつろげるラウンジだ。ファイターズスタジアム創立以降の歴史を感じさせる展示ものの掲出もあり、それはそれで有意義な空間だと思うが、このラウンジの使用料は300円だという(10日までは無料で公開)。いやはや



オープン戦の短縮による調整の難しさを解決するには、日本中にドーム球場を建設しまくるか、公式戦の試合数を元に戻すかの二者択一しかないような気がしてきた。上述した様に今年から交流戦の試合数が減ったが、交流戦の適正な試合数をいくつに設定するかも、本来は公式戦そのものの適正な試合数をまず決めて、その中で交流戦の占める割合を考えるべきなのである。


十二球団の大半が赤字であることを考えると、公式戦の数を減らし、春先の調整に時間を割き、秋には日本シリーズと国際試合で機構としての収入を増やすという発想も必要かもしれない。だが、いくら財源として期待出来るからと言って、侍ジャパンの興業のために公式戦や、ましてや日本シリーズの日程を考え直す週刊ベースボールの考え方は本末転倒になりかねないと敗戦処理。は思う。



観る側としてもまだ準備期間のような感覚で観ているオープン戦や教育リーグにもいろいろな問題を内包しているのだ。お目当ての試合が雨天中止になって、そんなことを考えた一日だった。

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