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2015年3月 7日 (土)

「バッター、指名打者荒波に代わりまして、ピッチャーの須田が入ります。」

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いやはや、珍しいものを見た。今日
(7日)はイースタン・リーグ春季教育リーグ「大和スタジアムリニューアル記念試合」、ベイスターズ対ジャイアンツ戦を観てきた。


故障、調整中の選手が多いのか、今日のベイスターズはぎりぎりの人数で試合に臨んでいたのだが、七回裏二死、指名打者で出場している荒波翔の打席で、代打に登板中の須田幸太が告げられた。


二刀流・大谷翔平でも未体験の、登板中に代打で登場。これは教育リーグ(非公式戦)ならではの特例でなく、ルール上の正式な起用である。


(写真:七回裏二死、指名打者の荒波勝の代打で登場した、登板中の須田幸太)



公認野球規則
6.10 リーグは、指名打者ルールを使用することができる。
()
指名打者ルールは次のとおりである。
(10)
投手が指名打者に代わって打撃した場合、それ以後指名打者の役割は消滅する。試合に出場している投手は、指名打者に代わってだけ打撃ができる。


投手の打力が弱いから指名打者制というルールが出来たのだから、投手が指名打者の代打として打席に立つケースは滅多にないだろうが、ルールは必要な訳で、指名打者がそもそも当主の代わりに打席に立つ打者であることを考えれば、投手が打席に立てるとしたら、指名打者の選手の打席のみに限定するのは極めて理にかなっていると思う。


たまに何らかの事情で試合途中に指名打者の選手を守備につかせ、指名打者が消えて打順表に投手が入る事はシーズン中にもあるが、指名打者の代打に登板中の投手が打席に入るのはレアケースだろう。少なくとも敗戦処理。は初めて見た。



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「ドカベンスタジアム」
の愛称で親しまれる大和引地台野球場が昨年
4月に大和スタジアムに改称し、人工芝の全面貼り替え等のリニューアルを経て今回記念試合を行うことになった。今季は他に、822()にはイースタン・リーグ公式戦、対マリーンズ戦の開催が決定している。


ファームの帝王、大田泰示に因んで名付けられた東京都大田区にある大田スタジアムと並ぶ、現役プロ野球選手の名が冠となる野球場の誕生。タイガースの大和選手の来賓としての参加こそなかったが、セレモニーには大和市の市長と、経済再生担当大臣が臨席した。


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大木哲
大和市市長はやたらテンションの高い声で挨拶。続いて、甘利明経済再生担当大臣も挨拶。
「今日は一軍の選手も多数参加されています」と、聞き様によっては皮肉とも取れる発言があったが、それも無理はない。
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ベイスターズが、
10日と11日に欧州選抜と強化試合を実施する侍ジャパンのメンバーに選ばれた井納翔一筒香嘉智を一軍のファイターズ相手の札幌遠征には参加させず残留させて、ファームチームに合流させていたのだ。一軍が大阪遠征のジャイアンツは特に一軍メンバーが参加していなかったが<>


井納は先発、筒香は一軍で今季期待されているのと同じ「四番・筒香」で出場した。


実は一軍の主砲、筒香が加わっても、今日のベイスターズは野手がぎりぎりの人数だった。詳しい事情は把握出来なかったが、故障、調整の選手が多く、守備練習では一つのポジションに1人ずつ。二人いたのは捕手だけだった。


公式戦が始まれば、一軍の登録選手は上限が28人。しかし、一軍がオープン戦を続けるこの時期は、この28人の一軍枠を争う候補者が一軍で競い合うため、28人を超える人数が一軍に帯同し、その分二軍は人数が少なくなるのはありがちだ。そこに故障者が出ると、晩夏のファイターズスタジアムのような光景になるのだ。グラウンドにはシートノックを受ける選手の他、一塁手の後方、ファウルグラウンドで返球を受ける荒波翔の姿があった。
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荒波は何らかの故障でまだ守備には付けないのだろう。「六番・DH」で出場。



先発の井納はさすがに「侍ジャパン」に選ばれるだけあって、ジャイアンツの二軍打線を寄せ付けない立ち上がり。
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立岡宗一郎、吉川大幾を連続三振に仕留めるなど三者凡退に。



一方のジャイアンツの先発はもう入団四年目になる松本竜也
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菅野智之をまさかの抽選で外した
2011年のドラフト会議での外れ1位。同期、同年齢で2位入団の今村信貴が一年目からイースタンでノーヒットノーランを成し遂げ、現在一軍の先発ローテーション入り候補に名を連ねているのに比べて遅れは確か。期するところはあるはずだが、立ち上がりから制球がままならない。先頭の乙坂智に四球を与え、すぐに二盗を決められると続く内村賢介にも連続四球。無死一、二塁とピンチを拡げると三番の井出正太郎にあっさりと右中間を破られる先制二塁打。返球の中継も乱れ、二者生還、井手も三塁まで進んだ。


ここで侍ジャパンのクリーンアップ候補、筒香が打席に。
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筒香はいとも簡単に大きめのレフトフライを放ち、3点目となる犠飛になった。



二回表、ジャイアンツ打線が井納に食いかかる。四番の和田恋が左中間を破る二塁打、鬼屋敷正人が三遊間を破って無死一、三塁と反撃ののろしを上げると、打席には「六番・三塁」でスターティングメンバーに名を連ねるドラフト1位ルーキー岡本和真。日本代表に名を連ねる投手にどこまで食らいつけるか注目。


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初球空
振りのあと、二球目をフルスイングした打球は三遊間を抜けるかと思えたが詰まらされたのか逆シングルのショート内村に阻まれ、一塁走者の鬼屋敷が二封。和田が生還して打点1が記録されたものの安打にはならなかった。


今日は岡本の打席を見やすくしたいがために、ベイスターズ側の一塁側内野席最前列に陣取り、おとなしく観戦していたが、岡本はその後も中飛、三ゴロと凡退、第四打席にようやく左翼線二塁打を放って大器の片鱗を見せてくれた。


試合は1対3のまま進む。井納は5イニング、59球を投げて被安打2、奪三振2、与四死球1で自責点1(敗戦処理。調べ)。10日、11日の欧州選抜戦ではどのような役割を課されるのだろうか?


ベイスターズは六回から二番手に五年目の須田幸太。ジャイアンツは立ち直った松本竜が続投。


六回裏、筒香が左飛に倒れたあと、ベイスターズ打線が再び猛攻。靏岡賢二郎、荒波の連続安打で一、二塁。赤堀大智三振の二死から、加藤政義の内野安打で二死満塁とすると、渡邊雄貴の初球に暴投。
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これで1対3から14になっただけだが、何とも締まりのない空気を感じた。松本竜は渡邊雄にも四球を与え再び二死満塁とすると、乙坂が右中間を深々と破る走者一掃の三塁打で勝負を決めた。
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8と一方的な展開になり、この回で筒香はお役御免。第一打席の左犠飛のあとは、三回裏の無死一塁から痛烈な一直で併殺、第三打席は左飛で3打席2打数0安打1打点だった。


筒香に代わって一塁を守っていた赤堀がレフトに回り、一塁には捕手の靏岡が回り、捕手にはこの試合唯一の控え野手である西森将司が入った。だが、筒香が引っ込んだことが冒頭の珍事を演出した。


七回裏のベイスターズの攻撃は、この回からマウンドに上がったジャイアンツの二番手、田原啓吾の前にその西森と靏岡が倒れて二死となると、DH荒波の打席で代打、須田が告げられた。
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須田は全く打つそぶりを見せず見逃し三振に倒れた。敗戦処理。の後ろの列のベイスターズファンは「点差が離れているときに投手が本気で打つのはマナー違反だから打たなかったのでは
!?」と言っていたが、ただ黙って立っているだけなら荒波でも出来たと思うが、それすらままならない故障なのか?荒波は六回裏の猛攻では内野安打を放って一塁まで全力疾走その後は二塁、三塁と進みホームイン。この間に何かアクシデントがあったのだろうか?


上に書いた、登板中の投手がDHの打順でのみ代打に立てるというルールは知っていた。大谷翔平がやってくれるのではと密かに期待していたが、意外なところで実現した。


DH制特有のルールでは、かつてカープの野村謙二郎監督が不勉強を露呈した、DHとしてスタメン出場する選手は少なくとも1打席を終えてからでないと交代出来ないというルール(6.10(b)(2))が有名だったがこのように他にも特有のルールがある。野村監督を茶化してネタにして楽しむのも野球ファンの一興には違いないだろうが、そのルールの存在を誰かから聞いて、「監督なのにそんなことも知らないのか?」と笑うのは如何なものか。そのルールを事前に知っていたファンのみに許されると敗戦処理。は思うのだが。因みにその1打席ルールにも例外があり、もしも相手の先発投手が降板していればDHの選手に第一打席から代打を使える。さらに余談だがDHの選手の交代は、代打なり代走なり、その場面がくるまで交代を告げないでよいというルール(6.10(b)(13))があるから、例えばDHの選手が見逃し三振の判定に抗議して退場処分になっても、次の打席まで交代選手を入れなくてよいという特権もある。DHのルールはいろいろと面白い。


須田は最終回まで投げきった。須田を最終回まで投げさせるのが予定通りだったとしたら、荒波に代打を送らなければならないなら須田ではなく、他の登板予定のない投手を打席に立たせてもよかったのではないか?万が一にも田原啓の投球でアクシデントがあってはと考えれば登板中の投手を打席に立たせるべきではあるまい。それとも一軍ではDH制がないから目慣らしのつもりもあったのか


ジャイアンツ打線は九回表に岡本の二塁打を足がかりに1点を返すのがやっとで、28と完敗した。ただ終わってみれば、安打数はベイスターズと同じ8本となっていた。走者を貯めて大きいのが出るベイスターズ打線と、2点とも内野ゴロ併殺崩れの間に1点を取るのが精一杯だったという感じのジャイアンツの差。


7日・大和スタジアム】
G 010 000 001 =2
B 300 005 00× =8
G)松本竜、田原啓-鬼屋敷
B)井納、S須田-靏岡、西森
本塁打)両軍とも無し


点差の付いた八回裏、一部では堂上剛裕に次いで育成から支配下登録されるのではと期待されている川相昌弘ヘッドコーチの息子、川相拓也が二塁手として出場したが、守備機会は訪れなかった。また、打席に立つ機会もなかった。
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相手が侍ジャパンに名を連ねる井納だったから、ファームのジャイアンツ打線が沈黙するのは仕方ない。だが、須田に対して4イニングとも走者を出し、七回以降はずっと走者を複数出しながらも最終回の1点だけという工夫の無さは残念だった。


この時期のイースタン教育リーグや、一軍のオープン戦は結果より内容が重視されるべきだとは敗戦処理。も思うが、内容の無さが結果に反映されただけという見方が成り立つかもしれない。



公式戦の開幕が3月になって、オープン戦期間が短くなり、それを埋めるためにファームの教育リーグや公式戦に一軍選手が出場機会を求めて派遣されるケースが増えてきた。それは当然、ファームの選手の出場機会を奪う。出場機会に恵まれた選手も格の違う選手とぶつけられて力の差を思い知る。


今日のジャイアンツのスターティングメンバーを見て、七番から辻東倫、横川史学、坂口真規と下位打線に力のある選手が並んで厚みのある打線だなと感じたが、まだまだ成長過程の選手だなと痛感した。



岡本も、今日初めて生で観てまだ印象は固まらないが、これからどんどん観たい。大田泰示を初めて観た時の方がスケールを感じたが、岡本の方が順応性の高さを感じさせる佇まいを持っている様に思える。内田順三コーチに再び来てもらってよかったと思える時が来るだろう。

 

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