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2015年4月25日 (土)

高梨の時代はきっと来る…。

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今日
(25)は約一ヶ月ぶりにファイターズスタジアムに行ってきた。ファイターズのファームはここ数年の低迷が嘘のように、ここまではイースタン・リーグで首位を走っている。まあ順位はともかく、昨日まで24試合を消化して貯金が6もあるのは素晴らしい。


土日のたびに何らかのイベントを仕掛けてくる感じのファイターズスタジアム。今日と明日はペット同伴デーで、外野席に限ってペット同伴で観戦できるというもの。また、一塁側のプールエリアではスタジアム婚活が行われていた。


試合さえ観られればいい敗戦処理。が注目したのは先発した二年目の高梨裕稔。今季ここまで4試合に登板して3勝0敗。防御率は3.15と平凡だが20イニングで35奪三振とハイペースで三振を奪っている。


(写真:ファイターズ先発の高梨裕稔。この試合の前まで4試合で3勝0敗。奪三振率は15.75!)



昨日のこのカードはファイターズの先発が斎藤佑樹で、マリーンズの先発が今月
29日に一軍でプロ入り初先発を控えている話題の「京大くん」こと田中英祐だったことで異様な注目を集めたそうだが、高梨裕稔は対照的に地味な存在。昨年のファイターズの新人選手8人の中で唯一、一軍を経験できなかった。
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昨年暮れのファイターズのOB会の懇親会や、今年
1月の新入団選手歓迎式典でそのことでいじられていた。


そして、バッテリーを組んだのが大野奨太。イースタンでマスクをかぶるのは6試合目。いよいよ一軍復帰が近いのではないか。


ファイターズ打線はマリーンズの先発、阿部和成を序盤から攻めた。


一回裏、先頭の淺間大基の二塁打と陽岱鋼の遊ゴロが相手失策を誘って一死一、三塁から石川慎吾、大野の連続タイムリーで2点を先行。
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高梨も初回、二回表と
2つずつ三振を奪う好スタートを見せた。


しかし三回表、高梨は八番から始まる打線に三連打を浴びて1点を返され、なおも無死一、二塁のピンチからバントで送られて一死二、三塁。三番の高濱卓也を三振に仕留めて二死までこぎつけたが、四番の大松尚逸にはボールが先行すると勝負を嫌がって四球。二死満塁で細谷圭と勝負する形になった。高梨-大野のバッテリーは細谷を1-2と追い込みながら、細谷にレフトスタンドに放り込まれた。
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逆転満塁本塁打だ。細谷は昨日も斎藤佑樹から満塁本塁打を放っており、二試合連続の満塁本塁打だ。これで2対5。



試合はまだ三回表。大松は一軍でクリーンアップを打ってもおかしくない打者で、ファイターズが最も警戒しなければならない打者かもしれない。だが二年目の高梨には乗り越えなければならない壁のような存在で、こうしたピンチで大松クラスの打者を打ち取ってピンチをしのげるか、高梨にとってはいわば試金石だろう。捕手の大野も、立ち上がって敬遠したわけではないし、座っていてもストライクゾーンを外して構えていたわけではないから、最初から歩かせるつもりはなかったのかもしれないが、3ボールナッシングの後に1球ストライクを取ったものの3-1から歩かせた。


細谷も一軍経験豊富な選手だから決して侮ることはないだろうが、1-2と投手有利なカウントから逆転満塁本塁打を浴びた。三塁側スタンドから見た感じでは最初は上がりすぎかと思ったが、風にも乗ったのかレフトの淺間は打球を見上げるのみだった。



一軍復帰を目指す捕手の大野にとっては、最も失点を防ぐリードという意味で、大松との対戦で無理をさせず、カウントを有利に導けなければ歩かせて満塁にして、細谷との対戦に仕切り直しをしたというスタンスだったのかもしれない。だが高梨にとっては大松クラスの打者は超えなければならない壁なのではないか。細谷に打たれたからいう訳ではないが、まだ三回表ということを考えれば、仮に打たれても、もっと大松と勝負すべきだったのではないか。


一軍を視野に置く大野にとっては無失点という結果が欲しいが、成長過程の高梨にとっては勝負という勉強が必要。大野と高梨のチーム内での立場の相違が次打者に満塁本塁打を被弾という最悪と言っても過言でない結果を招いたと敗戦処理。は思った。


今季ここまで順調だった高梨には一球の怖さを痛感してもらい、次回以降に活かしてくれればいい。


敗戦処理。が高梨の登板試合を観たのは今季二回目。前回も隣り合わせで観た常連の女性ファンは前回の登板時から「高梨の時代が来る」と言っていた。昨年一軍でブレークした上沢直之を、一昨年の鎌ケ谷で予言出来た者がどれだけいただろうか?高梨も失敗を教訓に成長してくれれば高梨の時代はきっと来ると思う。


冒頭に書いたとおり、今季のファイターズはここまではイースタン・リーグの首位を走っている。2011年にリーグ優勝を成し遂げてから、2012年から6位、7位、7位と低迷を続けていることもあって、まだ4月ではあるものの浮き浮きしているファンが多い。昨年までは「ファームは勝敗という結果がすべてではない。育成が大切だ」と感想を言っていた人たちが、勝ち試合が多いという結果だけを見て喜んでいるのは何なんだよという気も無きにしもあらずだが、こういう場面にスタンドで遭遇すると、あらためてファームの難しさを痛感する。一軍復帰が待たれる者、結果が求められる者、まだ結果より過程が重視される者、これらが混在するのがファームで、ファイターズに限らずどの球団もそんな中で選手の成長を求めて日々試合をしているのだ。


敗戦処理。の個人的な考え方は、ファームとは一軍で戦力になる選手を育成する場だと思っている。その一軍が基本的には優勝を目指して戦うことを前提としているのだから、ファームも、優勝を目指すチームに必要な戦力を供給することが求められるはずだ。そしてそうであるならば、基本的には試合も勝つことを目標にして選手個々のレベルアップの場として存在しているはずである。チームの選手構成上、勝率が上がらないシーズンもあるだろうが、ここ三年間、特に二年間のファイターズのファームは異常な形態であると思わざるを得ない。だから安直に「ファームは勝敗という結果がすべてではない。」等とは書けない。


試合に戻ろう


2対5と逆転されたファイターズは直後の三回裏に、陽岱鋼石川愼吾に連続ソロ本塁打が出て4対5と一点差まで迫った。
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陽はイースタンで実戦復帰して2本目の本塁打。


さらに大野も三遊間を破るが、高濱祐仁が三ゴロ併殺打に倒れて一気に追いつくことは出来なかった。



陽は第一打席が遊ゴロ失策で一塁に行き、後続の連続安打でホームイン。第二打席が本塁打で、第三打席にも詰まりながらも中前安打を放つ元気な姿を見せたが、七回裏一死一塁で迎えた第四打席で三ゴロを放つと、まだ全力疾走が出来ない様子で併殺打となった。


4月12日に出場選手登録を抹消された陽は既に再登録は可能だが、スワローズのウラディミール・バレンティンの例もある。焦りは禁物だ。


三回を終わって4対5という、点の取り合いになりそうな展開だったがその後は膠着状態が続く。高梨、阿部の両先発はともに五回でマウンドを降り、ファイターズは金平将至が六回と七回を、新垣勇人が八回と九回を投げ、マリーンズは二木康太が六回と七回を、小林敦が八回を投げた。


ファイターズの三番手、新垣が九回表に青松敬鎔にレフト場外へのソロ本塁打を浴びて4対6とリードを拡げられ、最終回は益田直也がマウンドに上がって三人で片付けられた。
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25日・ファイターズスタジアム】
M 005 000 001 =6
F 202 000 000 =4
M)阿部、二木、小林、S益田-川本、金澤
F)高梨、金平、新垣-大野、清水
本塁打)細谷5号満塁(高梨・3回)=2試合連続満塁弾! 陽2号ソロ(阿部・3回)、石川慎4号ソロ(阿部・3回)=陽と二者連続弾。青松3号ソロ(新垣・9回)


ファイターズ打線は四回以降、立ち直った阿部を始め、マリーンズの四投手から得点を奪えなかった。阿部は不安定で、二回裏にも先頭の太田賢吾がレフトの頭上を越える二塁打で出て一死三塁とチャンスを拡げるが、淺間が三振に倒れ、しかもその間に大きく離塁した太田が捕手からの牽制球に刺され、三振ゲッツーの展開になってしまった。
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崩せる相手投手は早めに崩しておかないと息を吹き返すという教訓か…。


ファイターズは今日敗れ、2位のジャイアンツがタイガースとのファーム交流戦に
135で勝ったため、ファイターズとジャイアンツの順位が入れ替わった。


「ペット同伴デー」スタジアム婚活を重ねたイベントデーのこの日の入場者数は1,554人と43匹。
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ペットを別にしても、今季最多の入場者だった。これまでの今季最多は、故障調整中のジャイアンツ、内海哲也の登板が事前に告知されていた
23日のジャイアンツ戦の1,433人だったがこれを更新した。


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スタジアム婚活は一塁側ライト寄りのプールのスペースで行われていたので、その様子を見ることは出来なかったが、試合中には「一日にんしん娘。」なる女性が三塁ベンチ前に登場したほどだから、効果はあったのだろう<>
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その後、三塁側スタンドにも出現。明日の統一地方選の投票日を前に最後のアピールに余念がなかった<冗>!?
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だが、この球場のスコアボードが立派になる前から、
が登場する前から、かれこれ十年以上、鎌ケ谷のファイターズスタジアムに通っている身としては、様々なイベントも楽しいが、ネット裏のスタンドの前から二列目に、この姿を見つけたことが今日の最大の収穫だ。
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ファンの間でも賛否が飛び交う
過度なイベント連発と、ファンの足下を見る値上げ攻勢、いわゆる‶成田商法″。まだ比較するには早いだろうが、昨年の同じ試合数の時点との比較で、一試合あたりの平均入場者数が1割以上、100人も減っている。


‶成田商法″では演出出来ない感動がスタジアムにはある。それは‶試合″と、もう一つは名物ファンの存在…


P.S.
スタンドにも登場したのは「鎌スタ☆一日にんじん娘。」に任命された、チャスガールこと、モデルの八尋莉那。月1のペースで来場するらしい。にんじん娘と聞いて田原俊彦を連想した人は少なくとも四十歳代後半…

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