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2015年4月 5日 (日)

阿部慎之助の一塁コンバートは何だったのか!?

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日のドラゴンズ戦で捕手の相川亮二が足を痛め、右大腿二頭筋の肉離れと長期離脱を余儀なくされたのを受け、翌3日から、昨年までの正捕手で今季は一塁手にコンバートされている阿部慎之助がマスクをかぶっている。


阿部の一塁手へのコンバートを決意した原辰徳監督は阿部の捕手としての起用を99%ないと明言していたが、開幕7戦目にしてわずか1%の事態に至ってしまった。


うーん


(写真:阿部の捕手復帰を1面で報じる4月3日付スポーツ報知)



ツイッターで
99.9%と敗戦処理。はツイートしてしまったが、実際は99.9%ではなく99%だった<苦笑>


「慎之助とも、秋のキャンプの時点で新しいチームを作る際に2人で納得がいくまで話し合いました。それが新チームのスタートラインだと思っていましたから。私は99%捕手に戻す気はない、本人も戻るつもりはない、という堅い約束からスタートしたんです。

  捕手陣の突然の故障など、予期せぬ事態は絶対にないとはいえないので100%とはいえませんが、99%ない。だから慎之助はこのキャンプにキャッチャーミットを持ってきていない。こちらが中途半端な気持ちでは、彼に対して失礼に当たります。」

「週刊ポスト227日号」(小学館)金田正一氏との対談より。


2日のドラゴンズ戦で負傷して右大腿二頭筋の肉離れを起こした相川亮二は復帰までに4週間から6週間かかる見込みだという。原辰徳監督が絶対にないとはいえない予期せぬ事態が早くも起きてしまったから、阿部を捕手に戻したのだろうが、果たしてこれがベストの選択なのだろうか!?


2001年の入団以来、ジャイアンツのホームを守り通してきた阿部慎之助の一塁コンバートは、阿部の積年の金属疲労で身体がボロボロになってきて、選手寿命を考えて負担の軽い一塁手にコンバートしたというものだ。昨年、この方針が明らかになった時、拙blog昨年1126日付エントリー阿部慎之助の一塁コンバートは本当に本人とジャイアンツのためにプラスになるのか!? でコンバートに反対を表明した。阿部の負担を軽くすると言うのなら、捕手を辞めさせて一塁手に転向するのではなく、捕手を続けるけど打順を下げるという考えだ。だが、実態は阿部の身体的衰えは敗戦処理。の予想以上だったので、阿部に年間を通して戦力になってもらうには一塁手への転向以外に考えられない事態になっているそうだ。それなら一塁手転向もやむを得まい。と敗戦処理。も考えた。


阿部に代わってマスクをかぶるのは二年目の小林誠司。「ポスト阿部」と目されて2013年のドラフト会議で外れ1位ながら指名した。昨年も阿部の休養という意味合いもあったが、積極的に起用された。そして小林一人では不安だったのだろう、スワローズからFA宣言した相川亮二を獲得した。


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小林に経験を積ませて育てながら、ベテラン捕手で経験豊富な相川の力も借りる。そして三人目の捕手には實松一成、加藤健といったベテラン組に河野元貴、鬼屋敷正人といった若手から選べば、阿部は一塁に専念出来る。阿部を、捕手よりは肉体的負荷の少ない一塁手に専念させて打棒を復活してもらうために、相川を獲得したという見方も出来るだろう。



逆に言えば、それだけ評価の高い相川の離脱だから、99%ないと言っていた阿部の捕手起用に原監督は踏み切ったと思える。


しかし「災い転じて福となす」という諺があるが、相川の負傷離脱を小林の一本立ちへのチャンスと発想を転換することは出来ないのだろうか?


確かに、相川が故障した試合を含め、対ドラゴンズ三連戦には三連敗。オープン戦から懸念されていた「水鉄砲打線」と揶揄された貧打は開幕してからも変わらずという事態に焦って阿部を捕手に戻しただけではないのか?


かつての阿部自身、そして遡れば山倉和博も、将来の正捕手にするために高い授業料を払いながら試合でマスクをかぶり続けさせられて、時を経て不動の正捕手になったのではないか。小林にはそこまでの価値はないというのだろうか?


阿部の一塁手へのコンバートの一因に、阿部の肉体的限界があるというのなら、相川の不在中、阿部を捕手で固定することは阿部までリタイヤさせてしまうリスクがあると思う。相川だけでなく、阿部まで離脱する危険を原監督は考えているのだろうか?


阿部がマスクをかぶったタイガースとの三連戦は初戦こそ敗れたものの昨日、今日と連勝。特に今日の第三戦ではルーキーの高木勇人を初完封に導いた。また、この三連戦期間バットも振れている様に思えた。


だが、今も書いた様に阿部の捕手起用はいつまたコンディションを悪くさせるかというリスクがあると思う。一塁手としての阿部も予想以上に守備でポロポロやっていて、決して褒められたものではない。昨年も阿部は一塁手に回るケースが散見されたが、あんなにポロポロはしていなかったと思う。
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察するに阿部の身体は相当やばいのではないか。阿部の捕手起用は一時的なカンフル剤にはなるかもしれないがリスクも大きい。それこそ「アベノリスク」である。



かつての阿部や山倉の様に、小林を使って育てる機会と発想を転換させる訳にはいかないのだろうか?小林と阿部の併用でもだめだと思う。やるならば小林に一本化で、小林にマスクをかぶらせない場合は實松以下の捕手を起用すれば良い。


自分の監督ラストイヤーになるかもしれない年に、目先の勝利だけでなく次代の正捕手育成に尽力した長嶋茂雄監督の英断を原監督にも期待したいのだが

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