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2015年6月28日 (日)

ファイターズスタジアムがカープファンにジャックされた!?

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「カープ女子」
人気を当て込んで組んだに違いないこの週末のファーム交流戦、ファイターズ対カープ戦の二戦目、今日
(28)、約一カ月ぶりにファイターズスタジアムに足を運んだ。


カープのファームはウエスタン・リーグに所属。関東圏で試合を観ることができる滅多にない機会ということもあり、二日間とも、3千人を超えるファンが詰めかけたが、敗戦処理。自身、ファイターズスタジアムでこれほどまでにアウェイ感を味わったのは初めてだ。

 



昨日の試合を観戦した方は実感されたことだろう。カープファンの質量ともの多さを。この二連戦は料金設定も通常の公式戦と異なり、ネット裏を中心に一部の席を指定席とし、ゴールデンウイーク真ん中の5月3日から前売りを発売していた。ファイターズスタジアムで行われるすべての公式戦を観戦出来るはずの「年間パスポート」所持者への配慮を欠いた販売方式や価格設定を実施したせいか、いつもは辛辣なヤジを飛ばすおっさん連中がたまるネット裏も八割型カープファンで埋まった。敗戦処理。は前売り発売初日にネット裏のチケットを確保したが、このブロックがカープファンで埋められるとは想像しなかった。二年前のタイガースとの交流戦でもこれ程ではなかった。一塁側はもちろん、三塁ベンチの上あたりまでカープファンが陣取っていた。遠方からの「カープ女子」のための一泊二日のツアーまで組んだ成果と言えよう。

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試合前、試合中のイベントの進行を仕切る形でカープファンのお笑いタレント、ヴェートーベンの二人組が来場。
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敗戦処理。はこの交流戦の告知で観るまで知らなかった。とちぎテレビでカープ応援番組みたいな番組をやっているそうだが、敗戦処理。の家ではとちぎテレビを視ることができない。



試合前恒例のベースランニングは、カープファン限定だったのか、赤い人達ばかり走っていた。
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さすが伝統的に機動力野球を売り物にするチームらしく、ベース一周が速い。



カープ女子vsファイターズ女子(と呼ぶのかどうか知らないが…)による綱引き大会。昨日に続きカープ女子が連勝。
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噂では昨日はライネル・ロサリオが助っ人に加わったらしいが、今日はカープ女子のみで勝利。



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始球式はイベントの進行も手伝っていたヴェートーベンの二人。先攻のカープの一番打者、天谷宗一郎が打ったものの、一塁フライ。カープファンに「打つならちゃんと打て!」と怒られていた。
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試合はファイターズの先発が、敗戦処理。の観戦日に合わせて登板してくれる高梨裕稔。カープの先発は以前ジャイアンツにいた小野淳平
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なお陽岱鋼が「四番・中堅」で故障後、初の出場。スタメン発表で陽の名前がコールされると、カープ女子も喜んでいた。



一回表のカープは「今度はちゃんと打て」と少年ファンから茶化された天谷がいきなり右中間に二塁打で出たが、高梨が後続を抑えた。陽は初回、天谷の二塁打を含め、三つの打球処理をしたが、動きは軽快だった。まぁ、左手の負傷なので動きには影響しないのかもしれないが…。


その裏のファイターズは二死から佐藤賢治が中前に安打で出ると、陽は中途半端なスイングで一塁ゴロ、しかしこの打球を一塁手の岩本貴裕が二塁に送球してベースカバーの安部友裕の足が二塁ベースから離れる悪送球で二死一、二塁。普通に考えれば投手がベースカバーに入る一塁に送球するシーンだが、左利きの一塁手の中には一、二塁間からの一塁への送球を苦手にする人もいる。岩本も二塁でアウトを取ることを選択したが、そもそも間に合わなかったかも。


ここで五番の高濱祐仁が三塁線を破る先制二塁打。
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三塁手の堂林翔太がほとんど反応できない鋭い打球だったが、カープファンからは堂林へのきついヤジが飛んでいた。天谷といい堂林といい、一軍にいて当然のレベルの選手には要求が厳しくなるのだろう。ファイターズはなおも二死二、三塁とチャンスが続いたが、初回は1点止まり。



ファイターズは三回裏には陽のライトオーバーの2ランで2点を追加。
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ファイターズスタジアム特有のライト方向に伸びていく打球だったが、周囲のカープファンは「やっぱり打球のレベルが違うなあ…」とため息をついていた。陽はこの打席を最後に早くも交代。その後もイニング間のキャッチボールなどでグラウンドに姿を現していたから、予定の交代だったのかもしれない。早く一軍に戻ってきて欲しい!



三回を終えて3対0。前日が10対1で圧勝だっただけに連勝できるかもという感じになりかけたが、ここから試合がもつれる。


直後の四回表、二廻り目のカープ打線が高梨に襲いかかる。一死から四番の下水流昂と五番のヘスス・グスマンが連続で左前打で一、二塁。前日、四番で出たロサリオは綱引きだけでなく試合の方も欠場。ヴェートーベンによると何か試合でアクシデントがあったらしい…。


ここで高梨は続く岩本にいい当たりではあるが正面の二塁ゴロに仕留めて併殺かと思いきや、二塁手の太田賢吾が強い当たりにおされたか打球をはじき、すぐそばにあるのに見失ってオールセーフになる失策で一死満塁。続く土生翔平は当たり損ねの投ゴロとなったが、投手の高梨と一塁手の森本龍弥がともに捕りに行く形になって高梨が捕球したものの一塁ベースががら空きになってオールセーフ。記録は内野安打と判定された。


敗戦処理。が観る限りではこの打球は投手の打球。森本は昨日が途中から左翼手で出場し、今日はスタメンで一塁。複数のポジションをこなせる方が一軍への道が開かれやすいというのはわかるが、慣れないポジションで試合に出る弊害と敗戦処理。の目には映った。


1点を返されてなお一死満塁。この流れの中、最少失点で食い止められれば拙blog4月25日付エントリー高梨の時代はきっと来る…。 で期待したように一軍入りが近づくのだろうが、続く庄司隼人にものの見事に右中間を破られて2点タイムリー二塁打となって同点。
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二死から天谷にも2点タイムリーを浴びて3対5と一気に逆転された。



高梨は続く五回表にはグスマンにライトへの2ラン本塁打を浴びて5イニングで7失点(自責点はおそらく4点)
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今日は残念な結果になった。



これでこのままズルズルと進むようでは昨年までのファイターズと変わりないのだが、ここから粘りを見せるのがこれまた拙blog5月9日付エントリー今年のファイターズは負けるにしてもひと味違う!? で触れたようにここ何年かではマシなところ。五回裏、九番の清水優心から岸里亮佑、渡邉諒、佐藤賢と突然の四連打で2点を返し5対7としてなおも無死一、三塁。三塁側スタンドからいつもの「♪連打連打~」が聞こえてくると、カープファンにも受けていた<>


カープはたまらず小野を交代。二番手には一岡竜司を投入。奇しくも、二番手までかつてジャイアンツで何度も対戦している投手。一岡は陽に代わって四番に入っている鵜久森淳志と対戦。投ゴロに仕留めると、カープ内野陣が併殺狙いの守備体系だったため三塁走者の本塁突入を無視して1-4-3の併殺狙いに出るが一岡の二塁送球が低く、二塁手の庄司が捕球で精いっぱい。1点差で一死一塁とファイターズ側としては犠牲フライと同じような結果になったが、この回は後続を断たれた。


五回終了のハーフタイムにはカープ女子対ファイターズ女子による大玉送り。こちらはファイターズ女子の圧勝で綱引きの雪辱を果たした。
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そして六回表、ファイターズのマウンドに二番手の武田久があがると、カープファンからも驚きの後に拍手が送られた。



武田久は1イニングを二者三振、三者凡退に切り抜けた。
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一軍では劣勢の場面でも1イニング持たずに火に油を注ぐリリーフ投手がいる中、ベテランの再起のチャンスは近いように思えるが、目指すところは勝ち試合でのリリーバーなのだろう



その裏、三番手でマウンドに上がった今村猛から石川亮がドライバーショットのような豪快な打球をレフトスタンドへ。ファイターズは7対7の同点に追いついた。



先発の小野の後、一岡、今村と一軍レベルの投手が出てカープファンも盛り上がるが、この後もっと凄い継投をカープは見せる。



六回を終了。「それ行けカープ」の大合唱の後、冒頭の写真のように、真っ赤に染まった一塁側スタンドを中心にカープファンによる赤い風船飛ばしが行われた。入場時にファンが赤か緑の風船を選べる様になっている。七回裏にはファイターズファンが緑の風船を飛ばしていたが、今日ばかりは多勢に無勢という感じが否めなかった


七回表、ファイターズのマウンドにはビクター・ガラテが上がった。
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「第五の外国人」扱いだったところがジェレミー・ハーミッダの離脱で一軍定着の機会を得たのだが、どうも首脳陣の評価がイマイチのようだ。右のリリーバー、ミッチ・ライブリーの途中入団が決まると二軍落ちしてしまった。



とりあえずファームで実績を積み上げていくしかないガラテだが、カープの四番、下水流に左中間のスタンドに運ばれる。
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ガラテは巨体からの変速モーションで一見打ちにくそうだが、下水流の前の打者の堂林にもセンター後方にフライを打たれていた。全体に球が高い感じがした。もったいない


その裏、ファイターズも2イニング目の今村を攻めて二死一、三塁と反撃するが、森本が一邪飛。この回から一塁に回った堂林がファインプレー!
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再三、堂林に辛らつな言葉を浴びせていたカープファンもさすがに褒め称えていた。



試合はこのまま7対8で進み、カープは今村の後、八回にはマイク・ザガースキー、九回には先頭の左打者の佐藤賢には河内貴哉をワンポイントでぶつけ、最後は永川勝浩で締めくくった。
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ファイターズも通算
165セーブの永川(因みに武田久は通算167セーブ。)から鵜久森と代打・大嶋匠の安打で二死一、三塁と粘りを見せるが、最後は荒張裕司が三振。あと一歩及ばなかった。


28日・ファイターズスタジアム】
C 000 520 100 =8
F 102 031 000 =7
C)小野、一岡、○今村、ザガースキー、河内、S永川-磯村
F)高梨、武田久、●ガラテ、森内、新垣-石川亮
本塁打)陽3号2ラン(小野・3回)、グスマン5号2ラン(高梨・5回)、下水流9号(ガラテ・7回)、石川亮1号ソロ(今村・六回)


カープ女子を巻き込んでの企画だけに、ファームの試合では珍しく、ビジターの勝利チームにヒーローインタビューをする。ところが企画がカープ側に上手く伝わっていなかったのか、カープナインは高信二二軍監督を中心に試合後のミーティングに入ってしまい、インタビュアーは手持ちぶさたに
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結局、決勝本塁打を放った下水流のヒーローインタビューが行われた。
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昨日の時点で本塁打数がウエスタンでトップタイ、打率が2位という堂々の実績を鎌ケ谷でもいかんなく発揮した。



インタビュアーがファン代表にしては上手だなと思ったら、ヴェントーベンとともにカープ応援番組を担当している古田ちさこという本職だった。とちぎテレビということで諦めかけたが、MXテレビのサブチャンネル(MX2)で日曜日の朝11:00から放送しているようなのでチェックしてみよう。

最後にDJチャス。の呼びかけによって両軍のファン間でのエールの交歓がなされ、暖かいムードが球場を覆った。DJチャス。も「来年も広島との交流戦をまたやってもいいですか?」とスタンドのファンに聞いていた。ファイターズファンから「また来年!また来年!」との声が飛ぶと、カープファンからは「その前に日本シリーズで会おう!」と返す場面も。、


神宮球場や横浜スタジアムでホームチーム顔負けの動員力を誇るカープファンが、関東にいては滅多に見られないファームの試合ということで二日間大挙して駆けつけることは想像していたが、予想以上だった。昨日が
3,061人、今日は3,156人の入場者で、ともにファイターズスタジアムでは今季初の3千人超えとなった。


試合のスコアも8対7。「野球の試合で一番面白いスコアは8対7だ」と言ったのは元ブルーウェーブのルーズベルト・ブラウンだが、ファイターズスタジアムを真っ赤に染めたカープファンは前日の大敗を忘れさせるような試合展開を満喫したことだろう。


カープファンは量だけでなく、ライトスタンドからのアカペラの応援に合わせて内野席のファンも一緒に応援するという感じで、一体感のある応援でよけいに増幅して感じられた。ネット裏の一、二列目くらいはファイターズファンが占めるだろうと思ったが大間違い。ファイターズスタジアムでの前売りは購入時に座席選択が可能になっていたが、ファイターズファンよりカープファンの方が出足が早かったということか


二年前のタイガースとの交流戦でもここまでにはならなかった。今年4月にタイガースがジャイアンツ球場に来た時も凄かったが、ジャイアンツ側の一塁側にはさすがに少なかった。


ところで、敗戦処理。としては今日このファイターズスタジアムでカープの試合を観たことにより、ファイターズスタジアムで十二球団すべてを生観戦したことになる。イースタン・リーグの七球団以外でも、2010年には練習試合という名目でホークスが来鎌新垣渚が初回から二塁走者が生還する暴投を投げてホークスファンに「新垣復調!」と安心させたり、ファイターズファンが松中信彦をいじっていいものかどうか迷っていたのが懐かしい。


2013年には一軍オープン戦で、バファローズ戦とドラゴンズ戦を生観戦した。オフに糸井嘉男大引啓二らのトレードがあった年で、大引と赤田将吾がスタメン出場したら初回の守りでバファローズファンから両選手に「頑張れ頑張れ」コールが贈られた。ドラゴンズ戦では大谷翔平が右中間に弾丸ライナーの本塁打を放ち、攻撃を終えてライトの守備位置についたらドラゴンズファンが大拍手で迎えてくれたのも印象に残っている。この年はファーム交流戦でタイガース戦が組まれ、二連戦の初戦を生観戦した。タイガースファンが若竹竜士に暖かくも厳しいエールを送っていた。そして今日。


たまたま十二球団を網羅できたが、ファームの球場で十二球団全部が試合経験がある球場はおそらくファイターズスタジアムだけであろう。費用の問題がたいはだかろうものの、可能な限りファーム交流戦を組んで欲しいと痛感した。


だが、交流戦といえども公式戦の一部であることには変わりないのだから、「年間パスポート」の購入者に一般ファンに対するアドバンテージを付与すべきだったのではないか。「年間パスポート」で入場出来るのは外野の芝生席だけで、内野、ネット裏での観戦には割引こそあるものの、別途入場料が必要。割引もファイターズのオフィシャルファンクラブ会員と同額と味も素っ気もない。二年前のタイガースとの交流戦で常連ファンのへそを曲げさせた、常連ファンを軽視した設定がスタンドの比率を極端に赤くされた一因であるかもしれないことを球団は肝に銘じて欲しいのだが、そうはいっても二日間、今季最多の入場者数。これこそが成田商法なのであろう

 

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