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2015年7月22日 (水)

メンバーが足りません。

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三連休の最終日、よせばいいのに灼熱のファイターズスタジアムに足を運んだ。人の多いイベント試合は嫌だとか言っておきながら、「鎌スタ祭」は別格。別にC☆Bの何回目かの四歳の誕生日を祝うつもりではないのだが
<>、この日には足を運びたくなる。


相手の
スワローズは常に故障者が多い印象があるが、今季は特に深刻で二軍戦に出場できる選手が不足する事態に陥った。昨シーズン限りで現役を引退し、今季は打撃投手兼スコアラーとしてチームを支えている元投手の阿部健太を急遽育成選手として登録した。現役時代は投手以外の出場がなかった阿部が「八番・レフト」で出場。また、DHを務める野手もいないため、先発の杉浦稔大が九番に入った。


ファイターズも夏の終わり頃に野手が不足して、何人か普段は守らないポジションについての試合進行を余儀なくされることが多々ある。とても他人事とは思えない。


(写真:試合前に発表された両軍のスターティングメンバー。スワローズはDH制を使用しないため、枠が余っている!?)



今季のイースタン・リーグではスワローズとゴールデンイーグルスで野手不足の危機対応として、一度現役を引退した選手を育成選手登録して試合に使えるようにしている。スワローズは元投手で打撃投手をしている阿部健太を投手として育成選手登録したが、実態は不足した野手のポジションに充当。この日は二試合目の外野手としての出場。



ゴールデンイーグルスでは正捕手の嶋基宏と二番手的存在の伊志嶺忠が同時期に相次いで故障で離脱。元々捕手の人数が少ないこともあり、ブルペン捕手をしている横山徹也を捕手として育成選手登録した。


ゴールデンイーグルスの方は、伊志嶺、嶋と相次いで一軍に復帰したので横山もある意味ホッとしているだろう。ただおそらくはこれでお役御免とはなるまい。捕手はけがの多いポジションであるし、こうした補充ができるのも今月末まで。おそらく今季いっぱいは横山も阿部も育成選手契約のままであろう(道義上、任意引退や、ましてや自由契約には出来ないだろう。)。


スワローズのスターティングメンバーは冒頭の写真通り。八番にレフトで阿部が入り、DH要員もいないので先発の杉浦稔大が九番に入っている。投手が二人打順にいるという貧弱な打線と思いがちだが、実は阿部、14日の対ジャイアンツ戦に出場した際には3打数1安打1打点。侮れない。因みに昨年までの一軍公式戦での生涯打撃成績は2打数1安打1打点で通算打率は.500!また、一塁を守る山川晃司と三塁を守る星野雄大は本職が捕手である。内野守備の中で比較的動きの少ないポジションに付けているのだろう。こんな時こそ田中雅彦がいればと思うスワローズファンもいるかもしれないが、田中雅は今、一軍にいる。


一回裏、ファイターズの先頭打者、岸里亮佑がレフトに平凡なフライを打つと、ファイターズファンからも「レフトに打つな!」という声が飛んだ。おそらく、他人事ではないのだろう。だが阿部の動きは意外に軽快だった。これは推測だが、打撃投手は自分が登板しない時に外野の守備位置について、フェンス際などのグラウンドで練習中の選手に打球が当たらないようにしていることがある。フリー打撃の打球と試合の打球で違いがあるとしても、距離感に慣れているのではと思う。


二番の松本剛と三番の淺間大基の連打で築いた二死一、二塁から高濱祐仁が振り切った打球はぐんぐん伸び、センターの川上竜平の頭上を越えてフェンスを直撃。二走者が還り、ファイターズが2点を先制した。
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ファイターズの先発、高梨裕稔は初回、二回をスイスイと抑え、八番の阿部と三回表の先頭打者として対戦。阿部は高梨のストレートに押されながらも何とかカットを試み、結局三邪飛に終わった。続く投手の杉浦は三振。



五回表には七番の山川から阿部、杉浦と三者連続三振。杉浦は打席には立ったが、その裏のマウンドには上がらず。五回裏には二番手の寺田哲也が登板。代打要員もいないようで、登板予定の寺田を打席に立たせて何らかのアクシデントがあってはと考えたのだろう。杉浦を打席に立たせた上で降板させた。杉浦は本来、一軍で投げるべき投手。スワローズはセ・リーグのチームだから、杉浦が打席に立って相手投手に真剣に対峙することは有意義だと思うが…。


投手が代わった五回裏、ファイターズは岸里が一塁線に地を這うようなゴロを放ち、一塁手の山川がダイビングするも及ばず、ライト線に転がっていくと岸里は俊足を活かし、一気に三塁へ。捕手が本職の山川が左打者の岸里に対して一塁線を空けて守っていて、なおかつライトの原泉もライト線側に寄っていた訳ではないので、一塁線を渋く抜けた打球が三塁打になった。ファイターズは続く二番の松本がセンターに犠飛を放ちすかさず追加点。30とした。


高梨は六回まで投げて85球で無失点。自慢の奪三振は6個。今季通算の奪三振は85となり、イースタンのトップに立った。


七回表には新垣勇人が登板。先頭打者の西田明央にソロ本塁打を浴びるも後続を断った。


スワローズは八回表に九番の投手に三度目の打席が回った。三番手の七條祐樹がそのまま打席に入るのかと思いきや、代打に左ハムストリングの張りで一軍の戦列を離れている上田剛史が登場。但し、ファイターズ三番手の森内壽春の前に力無いスイングで投ゴロに倒れた。
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上田は代打のみで交代。そもそも守備に付けるくらいなら、最初から阿部に代わって外野の守備に付いているだろうし、ある程度走れるのならDHで出場できたろう。まだまだ復帰は遠いのかもしれない。



八回裏、スワローズは変速サウスポーの中元勇作を投入。
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左打者の淺間、谷口雄也は打ち取ったが右打者の高濱には四球。そして左打者の大嶋匠の代打、右打者の鵜久森淳志には左中間を破られ、痛い追加点を奪われた。



九回表、4対1と3点リードで締めのマウンドに上がった屋宜照悟がいきなり先頭の西田に四球、今浪隆博にはライト前にクリーンヒットを浴びて無死一、二塁のピンチを招いた。鵜久森のタイムリーがなく2点差のままだったらバントで送られて…などややこしいことになりそうな展開だったが強行するしかない3点差。原は平凡な左飛。山川は遊ゴロ併殺打であっけなく終わった。山川がつないでも続くは打撃投手の阿部と、もう代打がいない<!?>投手に打陣が回る。スワローズファンには申し訳ないが、原を打ち取った時点で勝ちが見えた感じだった。


20日・ファイターズスタジアム】
YS 000 000 100 =1
F  200 010 01× =4
YS)●杉浦、寺田、七條、中元-西田
)○高梨、新垣、森内、S屋宜-清水
本塁打)西田2号ソロ(新垣・七回)


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高梨はこれで
7勝目(3敗)。ライオンズの、元〝暴走のダル〞(相内誠)の8勝に次ぐイースタン・リーグで二番目の勝ち星。奪三振数では高梨がトップで誠が2位としのぎを削っている。(記録は7月20日現在)


スワローズにとっては、勝敗とは別の次元でさらなる故障者が出なくて済んだというのもあるかもしれない。星野に死球を当てた時には三塁側のファイターズファンからも「ごめんなさい!」という声が挙がっていた。


スワローズは翌21日の同カードでは井野卓がスタメンマスクをかぶり、西田が一塁を守って山川がベンチスタートで途中出場したようだが、DHなしで阿部の外野起用は変わらず。厳しい状況は続いているようだ。


NPBでは支配下選手の登録は70人を上限と決められている。このうち出場選手登録(一軍)28人だから、最大で42人の選手が二軍にいることになり、普通に考えたらファームで選手不足になるなど考えられないのだが、故障者が続出すると今回のスワローズのように成り得る。一軍の選手が故障すると、ファームの選手を一軍に補充するが、登録抹消されるのは試合に出られない故障者。ファームで試合に出場できる選手が減っていく構造になる。


育成選手制度があるじゃないかと思われるかもしれない。支配下登録の選手が65人以上いる球団は育成選手登録をすることができる。とはいえ育成選手と契約を結ぶにしても、支配下選手ほどではないにせよコストはかかる。そもそも支配下登録される選手よりレベルが低いということもあり、大成への期待が高くないとなると、球団にとっては負担になる。かつては例えばマリーンズも育成選手を多く抱え、ジャイアンツと合同でシリウスというチームを結成して主にアマチュアチームとの試合を組んでいたりしたが、雲散霧消<!?>。今では育成選手を多く抱えている球団がジャイアンツとホークスという、金満球団の独壇場になりつつあるのが現状。むしろ長期離脱を余儀なくされた故障者の避難措置として育成選手制度を利用している球団が目立つほど。


個人的には、支配下登録の選手だろうと育成選手契約だろうと雇える人数にチームごとの上限があって選手数を増やせないというのであれば、せめて投手と野手の人数バランスを見直した方が良いのではないかと思う。


さて、最初に書いたが720日、「海の日」はファイターズのマスコット、C☆Bの誕生日。例年、この日に合わせてファイターズは「鎌スタ祭」とうたって様々なイベントを組んでくる。
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タイミング的に自慢のプール開きに設定されてチビッ子たちを中心に楽しんでいたし、人工雪、流しそうめんなどで盛り上げていた。
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流しそうめんはスタンドでやってこそ流しそうめんだと思うのだが…。また、土日祝日恒例の試合前サイン会は木佐貫洋斎藤佑樹だった(こういう時には当たらない…)。
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そして敗戦処理。は参加しなかったが、試合後にはグラウンドを開放しての選手とのふれあいイベントを催していた。何年か前に試合後のグラウンドを開放した時にダッグアウトに座れるという設定だったので、ダッグアウトに座ってみたら、
その日の試合で使われたと思う、手書きのメンバー表が置き去りにされていた。スターティングメンバーだけでなく、ベンチ入りメンバーも書かれていたものだった。今日ももしもあったら、スワローズのメンバー表があったらと思うと、参加せずに球場を後にしたのが悔やまれる…。



今日は他には場内でアンケート用紙を配っていた。ファイターズスタジアムのファンサービスに関する、選択回答式の設問が多数書かれていた。ファイターズスタジアムに来る目的は試合を観るためなのか、イベントが目当てなのか。などという究極の質問<!?>も見受けられた。これまで、夏の終わり頃に一軍を含めた選手の好感度調査的なアンケートを例年行われているが、少なくとも敗戦処理。はファイターズスタジアム限定の大規模なアンケートか記憶に無い。出来得るならば、こうしたアンケートの結果を公表してもらいたいものだ。


結局CBは誕生日を迎えても四歳のまま<>。お祭り気分に、おらがチームは快勝。しかし、いろいろなことを考えさせられる一日だった。

 

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