監督が熱中症で救急搬送、送球が側頭部を直撃で投手降板。本当に何が起きるかわからない…
今日12日は、さすがに二日連続で灼熱の鎌ケ谷での野球観戦は危険だと弱気になり、16時試合開始のジャイアンツ球場でジャイアンツ対ライオンズ戦を生観戦した。球場に着いた13時過ぎにはうだる様な暑さだったが、試合開始が近づくにつれて涼しさが増してきた。
そしてその試合前、スポーツ報知を読んでいて思わず眼が止まった。対戦相手のライオンズ、潮崎哲也二軍監督がこの三連戦の初日の10日、試合前に体調不良を訴えて救急搬送されたというのだ。幸い大事には至らず、翌11日から指揮に復帰したという。
球場では盛んに観客向けに「水分をこまめに補給しましょう」などの熱中症対策を訴えるアナウンスが繰り返されるが、現場の監督も猛暑に襲われていた…。
そして試合ではジャイアンツの先発、阿南徹が一塁ベースカバーに入って送球を受ける際に、送球を側頭部で受けてしまった。阿南はこの後も続投したが、この回限りで降板。まだ三回で、投球内容での降板では無いと思われた…。
(写真:三回表一死一塁、阿南徹は坂田遼を一塁ゴロに打ち取り、併殺狙いで一塁ベースカバーに入ったもののショートの辻東倫からの送球を側頭部で受けてしまう。)
【西武】潮崎2軍監督が救急搬送されていた
西武の潮崎哲也2軍監督(46)が、10日に救急搬送されていたことが分かった。同日のイースタン・リーグ、巨人戦(G球場)前に体調不良を訴え、高木浩之2軍野手総合コーチ(42)が監督代行を務めた。
幸い大事には至らず、11日の同カード(G球場)には復帰し、通常通り指揮を執った。札幌Dで報告を受けた鈴木球団本部長は「気温が急に上がったこともあって、熱中症というか体調不良になったと聞いた。今日(11日)は復帰できたようだし、安心した」と話した。(2015年7月11日20時57分 スポーツ報知)
いやはや驚いた。
危ないのは観客だけで無かった。もちろN灼熱の炎天下のグラウンドでプレーする選手達が危険なのは容易に想像出来る。ただ監督が…。確かに比較的若い監督は打撃練習のバッティングピッチャー役を買って出たり、二軍監督は一軍監督に比べて労働量が多い。そしてその一軍のような、涼しいドーム球場での試合などまず皆無。熱中症の餌食になっても不思議では無い。
実は後から気がついたのだが、今日の試合で潮崎哲也二軍監督が選手交代などでベンチからグラウンドに姿を見せる際、岩下健吾球審の方から三塁ベンチに近づくケースが多かった様に思えた。個人的には一軍の試合で当たり前のようになっている、審判員の方から監督の方に選手の交代を聴きに行く習慣が好きになれないが、潮崎監督の状況を考えれば、仮に岩下球審がそういう行動を取っていたとしても仕方あるまい。
もちろん、基本的に試合が始まったら終わるまで立ちっぱなしという点では審判員の方が、試合の半分近くを座っていられる選手より熱中症に襲われる危険は大きいのだが…。
今日の試合も、昨日に続き、ダラダラとしない展開になった。阿南徹と、ライオンズの先発は西口文也。昨日観たゴールデンイーグルスの先発、川井貴志は39歳だったが、西口はその上を行く42歳(9月26日で43歳)。時間帯的に真昼よりは涼しいとはいえ、ベテランにはきつい条件。
ライオンズ打線が西口を援護。二回表、二死一塁から阿南の暴投で二死二塁となった後、九番の中田祥多がライトオーバーの2点先制本塁打。
17歳年下の女房役が先制点をプレゼント。
西口はポンポンとストライクが先行する小気味よい投球。毎回走者を許すものの、要所を押さえる。
慎重になりすぎてボールカウントを悪くするシーンは皆無。5イニングを投げて無四球どころかスリーボールまで行ったのもなかった。5イニングで6被安打ながら、レスリー・アンダーソンに浴びたソロ本塁打の1失点だけだった。
打者20人に68球。最後の五回裏は三者凡退と、傍目には余力を残しての降板とも思えた。
阿南の方は、二回表に中田に2ランを撃たれた後、三回表に一死から山川穂高に中前安打を浴びた一死一塁で坂田遼を一ゴロに。一塁手の北篤が好捕して二塁に送球。返す球を投手の阿南が一塁ベースカバーに入って捕球する3-6-1の併殺完成のはずが、阿南はちょっと一塁ベースカバーが遅れたか、ショートの辻東倫からの送球を側頭部に受けた(冒頭の写真)。ボールが高く跳ね返り、一塁側のフェンスに当たってすぐに跳ね返ってきて打者走者が一塁止まりだったから、当たった後の反発から頭に当たったのでは無いかとも思えたが、阿南は心配して出てきたトレーナーを制し、特にベンチに戻って治療を受けるでも無くそのままマウンドで続投。二死一塁で試合は再開され、続く米野智人を二ゴロに打ち取った。
阿南はこの回限りで降板。三回を終わって2失点。投球内容が原因での降板とは考えにくい。あくまで大事を取っての降板であったと祈るしか無い…。
四回からジャイアンツは二番手に江柄子裕樹を投入。江柄子は3イニングのリリーフになったが、水口大地に四球を与えただけでノーヒット。その水口の二盗を久々マスクの鬼屋敷正人が刺したため、9人で片付けた。
試合は結局、両先発投手が喫した本塁打による得点だけ。ジャイアンツ打線は西口降板後の、1イニングずつ投げる4人のリリーフ投手から一人の走者も出せず、淡々と試合が終わってしまった。昨日の鎌ケ谷と逆。贔屓チームがロースコアの試合で敗れてしまった。ダラダラした試合は勘弁だが、サクサク打ち取られて負けるのも…。
【12日・ジャイアンツ球場】
L 020 000 000 =2
G 000 100 000 =1
L)○西口、松下、中崎、佐野、S中郷-中田、上本
G)●阿南、江柄子、久保、戸根、土田-鬼屋敷
本塁打)中田3号2ラン(阿南・二回)、アンダーソン2号ソロ(西口・四回)
西口を筆頭にライオンズの投手陣が良かったのか、ジャイアンツの打線が低調だったのか…。
ジャイアンツ打線の西口からしか打てなかった6安打は三番打者から七番打者までの間に集中した。本塁打を放ったアンダーソンはその前の第一打席でもセンターの頭上を越す二塁打と、西口と相性抜群だったが、他に三番の辻も二安打だった。
対照的に五番を打った岡本和真はその後の投手との対戦を含め、4打数0安打と精彩を欠いた。
ドラフト1位ルーキーの岡本はここまでチーム77試合の内、43試合に出場。141打数36安打で打率は.255。売りにしている本塁打はまだ1本も出ていない。三塁手として34試合に出場して12失策。まだまだ未完成。
正三塁手の村田修一が絶不調でも‶岡本待望論″が起きないのもこの成績ではむべなるかな。
交流戦の終盤に一軍入りを果たした辻に続くのは岡本ではなく二年目の和田恋の方が先だろう。
開幕から四番に座り、その村田や、阿部慎之助、今ならアンダーソンといった一軍の主力クラスがファームの試合に出る時でも、和田恋の打順は変わらない。
和田は77試合全試合に出場、270打数63安打7本塁打37打点で打率は.233。打率こそ低いが本塁打と打点はチームでトップ。守備ではショート以外の内野の三つのポジションをこなし、三ポジションで二桁の試合数に出場している。一塁手で7失策しているのが気になるが…。
ただ、こういう楽しみな若手がいるから、暑さをいとわず、ジャイアンツ球場に足を運ぶのだ。これからもっと暑くなるだろうが…。
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