♪よ~く考えよう~チャンスは大事だよ~
ファイターズのファームの試合で、ファイターズの攻撃でここ一番のチャンスという場面を迎えると、応援をリードする一行がこの歌を歌う。もちろん、元歌はあのCMソング。
チャンスはそうあるものではない。チャンスを確実に活かそうという思いをスタンドのファンがCMのフレーズのパロディーにしている。
しかし、よく考えれば、‶チャンス″とは攻撃側だけに巡ってくるのではない。ファームの選手が一軍を目標にしているという点では自分の出番を得ると言うこと自体が‶チャンス″であるはずだ。そして、この猛暑の時期が過ぎると、極端に‶チャンス″の減る選手が出てくる。残念なことではあるが、ふるいにかけられるのである…。
(写真:同点の終盤にリリーフ登板し、初球を勝ち越し打されたジャイアンツのリリーフ、久保裕也)
このカード、敗戦処理。の贔屓チーム同士の対戦ということで二試合分の観戦に相当するのでお得感があるのだが、いくら、必ずしも勝敗が全てではないと言われるファームの試合とはいえ、引き分けでない限りどちらかが負けるというのはやはり辛いものがある。
今日の試合、同点の終盤にリリーフ登板したジャイアンツの久保裕也はベテランらしからぬ姿を見せてしまった。
ジャイアンツが4対2と勝ち越した直後の七回裏、ファイターズ打線はジャイアンツの先発、今村信貴を攻める。先頭の荒張裕司がレフトへの二塁打、続く太田賢吾が投手への内野安打で無死一、三塁。ジャイアンツはここで今村から右の江柄子裕樹にスイッチ。だが、この時2:50でなく3:10だったので調子が出なかったか、森本龍弥がセンター前に弾き返してⅠ点差にしてなお無死一、二塁。清水優心が送りバントを試みるもスリーバント失敗。打席に途中出場の、左打者の岸里亮祐を迎えてジャイアンツは左投手の公文克彦を投入。バッテリーエラー(たぶん捕逸)で一死二、三塁になってから岸里のワンバウンドで高く弾む打球が公文の頭を越えて内野安打になって同点。一死一、三塁の場面でジャイアンツは久保にスイッチしたのだ。
打席にはDHの松本剛の代打、石川亮。同点で一死一、三塁。打者は当然外野にフライを飛ばすことを考える場面で、久保はいきなり高めに半速球<!?>初球で勝ち越しの犠牲フライを打たれた(冒頭の写真)。
ファイターズの攻撃パターンからして可能性は少ないがスクイズも考えられるシーン。とにかく慎重を期すべき初球なのに、いとも簡単に犠牲フライを打たれる。敗戦処理。にとってもショックだった。しかもその後、岸里が二盗に成功した二死二塁から淺間大基が右中間にとどめの2ラン本塁打!
13年目の35歳。一軍通算418試合登板のベテランが今季はここまで一軍の登板がない。一軍の勝利の方程式、「スコット鉄筋トレ」に割り込むのは無理にしても、豊富な経験を活かして劣勢の場面でのリリーフ要員に期待したいところだが、現状、その役目は宮國椋丞、笠原将生といった若手が担っている。
もちろん、前回敗戦処理。が生観戦した2日のゴールデンイーグルス戦のようにピンチに登板して一球で仕留めるケースもあるのだから、今日の結果のみで久保を判断するのは早計だ。だが、冒頭にも書いたように、これから先、若手ならともかく35歳のベテランに、そうは‶チャンス″は来ないのではないか…。そう思って、鎌ケ谷名物のあの有名な応援のお約束のフレーズをエントリーのタイトルに選んだ。余談になるが、この応援、先日のファーム交流戦で来鎌した「カープ女子」に評判良かった<笑>。
もう一人、久保とは別の意味合いでこのフレーズを送りたい選手がいる。上述の七回裏のファイターズの逆転のシーンに出てきた、ファイターズの清水だ。
三連打でⅠ点差に迫ってなお無死一、二塁。一気呵成に攻めるという選択肢も考えられるが、ファイターズベンチが清水に求めたのは送りバントでチャンスを拡げること。だが清水は三球続けてファウル。スリーバント失敗で期待に応えられなかった。
高校卒ルーキーながら、ここまでチーム92試合中、チーム最多の61試合でマスクをかぶっている(8月8日現在)。同じ高校卒ルーキーの佐藤正堯や、一軍から落ちてきた二年目の石川亮より優先的に起用されているファームの正捕手だ。初めてのプロ生活で心身共に疲労のピークかもしれないが、経験がものを言うと言われるポジションに優先的に起用されている‶チャンス″がいつまでも保証されるとも限らない。
これは個人的な敗戦処理。の思い込みだが、今の時期、チームが清水に求めるのはまずは捕手として必要なことを身につけることが最優先で、オフェンス面は二の次なのではないか。でも、打撃には目をつぶる代わりに送りバントはきちんと決められなければならないというのはあるだろう。
今日は試合後に球場正面広場で行われたプロレス興行に注目して試合後のグラウンド練習にまで目が行き届かなかったが、バントの反復練習をしていたのかもしれない。下手なものは、練習を重ねて上手くなるしかない。
さて、あらためて試合を振り返ろう。今日の敗戦処理。はファイターズ側の三塁側のいつもの席に陣取ったものの、帽子はファイターズとジャイアンツの双方のロゴが入った2012年の日本シリーズの記念キャップ。タオルマフラーは両球団各1枚を身につけた。基本、この対戦を生観戦する時にはホームチームの側のスタンドで観戦することにしている。
先発はファイターズが浦野博司で、ジャイアンツがサウスポーの今村信貴。試合は二回に動いた。
表のジャイアンツは四番、和田恋が三遊間を破り、二死から辻東倫がレフト前に流し打って二死一、二塁から横川史学がライト前に弾き返して1点を先制。
二回裏のファイターズも、先頭の高濱祐仁が詰まりながらもセンター前に運び、二死二塁から森本が高めのボールをかぶせるように思いっきり叩いてレフトオーバーの逆転本塁打。
これに対し、五回表のジャイアンツは先制打の横川が今度はライト線の二塁打で出塁。二死三塁になってから隠善智也がライト前に同点タイムリー。このあとも両先発投手が投げ続ける。
「闘魂こめて」が流れた直後の七回表。二つの四球でつかんだ一死一、二塁から隠善は一塁ゴロ。これを一塁手の荒張が捕球したはいいもののミットの中でボールが浮いた状態になり、二塁送球を諦めて一塁ベースを踏むのみで二死二、三塁。ここで大田泰示が振り回さずにセンター前に弾き返して2点を勝ち越した。
これでこのままジャイアン智が逃げ切れば、二観戦連続で大田が決勝打になるところだったが、最初に書いたとおり、ファイターズが逆転した。
【8日・ファイターズスタジアム】
G 010 010 200 =4
F 020 000 50× =7
G)今村、●江柄子、公文、久保、田中太-河野
F)○浦野、須永、屋宜-清水
本塁打)森本5号2ラン(今村・二回)、淺間5号(久保・七回)
入場者数 1,188人。
先月、生観戦のたびに暑さが増して熱中症との戦いという感じだったので、今日は暑いことは暑かったが、危険を感じるほどではなかった。慣れとは恐ろしいものだ。今日は赤城乳業の人気商品ガリガリ君のマスコット、ガリガリ君が来場。試合前のアトラクションに参加したりちびっ子達にガリガリ君を振る舞ったりのサービスをしていた。始球式にも登板。
と思ったら、試合後に正面ステージで行うプロレス興行のレフェリーの吉野恵悟にとってかわられていた。可哀想…。
ガリガリ君にとっても始球式を体験出来る貴重な‶チャンス″だったと思うのだが…。
ファイターズの選手の打席登場曲はプロレスラーのテーマに差し替えられていた。プロレスに疎い敗戦処理。にはアントニオ猪木と故・橋本真也選手しかわからなかった。清水のキン肉マンもプロレスつながり!?プロレス好きにはたまらない一日だったろう…
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