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2015年9月27日 (日)

ジャイアンツ、直接対決に惜敗しスワローズに優勝マジック3点灯

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今日
(27)は東京ドームでジャイアンツ対スワローズ戦を生観戦してきた。現在2位のジャイアンツにとっては勝てば首位スワローズにゲーム差0に接近出来る試合だったが、拙攻が響いて1対2で惜敗。残り5試合のスワローズに優勝マジック3が点灯した。


この直接対決はもう一試合ある。現時点で両チームにとって今季最終戦となる予定の104日、ちょうど一週間後だ。この試合は世紀の一戦になるのか、それとも単なる最終戦となるのか


(写真:七回裏無死一、二塁。1点を追うジャイアンツは代打に寺内崇幸を送って送りバントを試みるが、ファウル三つのスリーバント失敗で走者を送れずこの写真はツーストライク目) 

 

ジャイアンツファンである敗戦処理。は例年、開幕カードの一試合と、本拠地最終戦は生観戦を心がけている。今日のジャイアンツ対スワローズ戦は当初、今季のジャイアンツの東京ドームでの最後の試合になる予定だった。前売り開始早々にチケットを購入しておいたのだが、その後、9月1日に富山市民球場アルペンスタジアムで行われる予定だった対スワローズ戦が雨天中止になり、104日に振り替えられたので、思惑通りには行かなくなった。


とはいえ、そんな個人的思惑とは裏腹に、セ・リーグの優勝争いにおける大一番になったことは確か。ジャイアンツは昨日(26)まで東京ドームで12連勝中。敗戦処理。も個人的に三年越しながら東京ドームでの公式戦生観戦7連勝中だ。勇んで東京ドームに向かった。


試合結果は既にご存じの方がほとんどだろう。生観戦していて、感じたことを列記していこう。


先発は菅野智之石川雅規。ともに中四日での先発と、さすがに大一番らしく登板間隔を詰めてきた。前回22日の登板は菅野が7118球、石川が6回74球。石川は中五日での登板が三回続いていての中四日だ。年齢は学年では石川が十年上。


試合が動いたのは五回表。雄平今浪隆博の連打で無死一、二塁としたスワローズが八番の中村悠平に送りバントを命じて一死二、三塁とし、投手の石川に打席が回る。相手の先制点を防ぎたいジャイアンツは内野手に前進守備を敷かせるが、石川はあざ笑うかのように低目のボールを右前に運んだ。
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1点先制。なおも一死一、三塁。スワローズは続く上田剛史の高く弾む二ゴロが併殺崩れとなる間にもう1点を加え、この回2点を先制した。


中盤の五回、0対0。先生のピンチ、一死二、三塁で打席に投手の石川。ジャイアンツの敷いた内野の前進守備はセオリー通りで間違いない選択だったと思う。それでも失点したのは投手の石川に打たれた菅野が悪いというしかないのだが、敢えて発想を変えて、1点を失うリスクを負ってでも、普通の守備体系で石川の打球がゴロで内野手の間を抜ける可能性を防ぐというのも一案だったのではないかと考えた。


1点はやりたくない。だが、最も避けなければならないのは、一番の上田はともかく二番の川端愼吾から連なる打率トップ、トリプルスリーに本塁打トップ、打点トップとセ・リーグの主要打撃部門のトップを独占するスワローズの脅威の上位打線に繋げられることではないのか?1点を嫌がって大量点につながるという最悪のケースを危惧した。結果は守備体系とは関係なさそうなタイムリーを打たれてしまったのだが



そう考えると、この回の2失点というのはギリギリの範囲だろう。


そしてその裏にジャイアンツが一死から岡本和真の四球と小林誠司の三塁線を破る二塁打で一死二、三塁とし、表のスワローズと同じく投手の菅野に打順が回ると、代打に井端弘和を起用した。


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井端はライト線に鋭いライナーの打球を放つが、右翼手の雄平に好捕され、犠飛となっての1点にとどまった。「井端は最小限の仕事をした」とジャイアンツファンの大半は思っただろうが、続く立岡宗一郎が三邪飛でこの回に追いつけず。ジャイアンツにとっては痛手となった。


負けられない試合だから五回の時点でエースに代打というのはわかる。どのみち中四日での登板(菅野にとってはプロ入り初らしい)だったからリードしても早めの継投を考えていたかもしれない。ただ、井端はジャイアンツにとってベンチに控えていた唯一と言っても過言ではない右の代打要員。いわば切り札を使い切っての反撃だったのだ。最低でもこの回に同点に追いつきたかった。ベンチに残る右打者は控え捕手の加藤健、寺内崇幸、代走のスペシャリスト鈴木尚広三人だけ。
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だが、スワローズも五回で石川を降ろした。
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石川は五回で74球だったが、中四日での疲労を考慮したのだろう。ただ勝利の方程式の外国人トリオにはまだ早い。秋吉亮が登板。
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勝っていても負けていても出てくる、谷元圭介シンドロームの秋吉、チーム135試合目にして71試合目の登板だ。しかも昨日は2イニング投げている


ジャイアンツとしてはカタカナの名前のリリーフ陣が出てくる前に逆転、悪くても同点にしたかったが二番からの上位打線が秋吉に三人で片付けられた。


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そして七回裏、いつもの通り七回に出てきたオーランド・ロマンに対し、ジャイアンツは長野久義と、大田泰示の代打、亀井善行が連打で無死一、二塁。岡本和真に代えて、このところ代打で送りバントを決めるシーンが目立つ寺内を代打に送った。だが寺内は外国人のパワーピッチャーの球を正確に捉えるのは苦手なのか、バントの構えから二つファウル。(冒頭の写真)

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かつて「バントの神様」と称えられた三塁コーチの川相昌弘ヘッドコーチのサインを確認してスリーバントを試みたがこれまたファウルでスリーバント失敗。走者を進められなかった。ジャイアンツはそれでも小林に代打、堂上剛裕を起用するが、ここでスワローズはロマンを降ろしてサウスポーの久古健太郎を投入。代打の代打が出てこないことを見透かした起用。嫌なところを突いてきた。結局堂上と、投手の宮國椋丞の代打、レスリー・アンダーソンと左投手に左打者二人をぶつけざるを得ず、このチャンスを逃した。



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続く八回裏には、これまた予定通りにローガン・オンドルセクを出してくるスワローズに対し、一死から片岡治大が右中間を破る三塁打で一死三塁のチャンスを作るが、坂本勇人が捕邪飛。二死になって阿部慎之助を迎えてスワローズベンチはオンドルセクに代えてトニー・バーネットを投入。


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今日の真中満監督はとにかく動きが速い。



阿部はバーネットから足に死球を受ける。逆転の走者が出た。
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阿部に代走、鈴木尚広!ジャイアンツファンの多くがそう考えたかもしれないが、そうはいかない。七回に捕手の小林に代打を送っており、一人しかいない控え捕手の加藤を使っていて控え捕手がいない。何かあったら「99%ない」と言ったはずの阿部を一塁から捕手に回さなければならない。痛そうに足を引きずりながら阿部は一塁まで歩いた。
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阿部が身体を張って逆転の走者になったというのに、続く長野は縦に落ちるボール球を三つ空振りして三振。ホームが遠い
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菅野の後、田原誠次、戸根千明、宮國、山口鉄也、スコット・マシソンとつないで1点ビハインドを投手陣が保ってきたが、打線がどうしても1点を返せない。



九回裏も亀井が二打席連続の安打で出るが、寺内が二打席連続でバント失敗。
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今度はフェアゾーンに打球を転がしたが、捕手の中村に捕られて一塁走者が二封された。


一死一塁となって切り札、高橋由伸を代打に送り、四球を選んで一死一、二塁としたもののジャイアンツベンチは高橋由に代走鈴木を送らなかった。同点で延長戦になった場合に備えて、最後の控え野手を温存したのだろうか?


結局、一死一、二塁から打席に立った加藤と立岡がバーネットに連続三振を喫しジャイアンツは大事な一戦に敗れた。惜敗だが、拙攻に泣いた。今季のジャイアンツは送りバントの成功率がセ・リーグ最低だと何かの記事で読んだが、それもむべなるかなと思わざるを得ない敗戦だった。


ここまで来たら内容では無く、勝敗という結果がすべて。ジャイアンツは惜しかったでは済まされない、痛い黒星を喫した。


それにしても、ジャイアンツのベンチ事情を読み切ったスワローズの真中監督の継投策に脱帽だ。スワローズのここまでの進撃を支えてきた盤石の外国人リリーフトリオは三人とも右投手だが、リードしている展開でこの三人の間に他の投手を挟むのは珍しいのではないか?三投手の仕事はマウンドに上がったらそのイニングを無失点に切り抜けることで、相手打線の左右には関係なく1イニングを任せられるのだ。


それを、ロマンが代わりっぱなに長野と亀井に連打を浴びて不安だと見るや、100%送りバントの寺内にはそのままロマンを続投させて力で送りバントを防ぎ、左の代打が出てくると、右の代打が残っていない事を見透かしてサウスポーの久古を送り込む。
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悔しいが、今日はスワローズが一枚上手だった。



ところで、今日のジャイアンツは前日に先発した高木勇人の登録を抹消した。誰か野手を補充しておけばと悔やまれるところだが、もう一度今日のスターティングメンバー発表後にオーロラビジョンに掲示された控え選手を見て欲しい。
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控え選手の数が投手と野手合わせて16人いる。つまり25人のベンチ入り上限いっぱいだ。一軍登録されている選手でベンチ入りしていないのは先発要員のアーロン・ポレダマイルズ・マイコラスだけ。この状況で野手を補充したところで、ベンチ入りさせると誰か他の選手をベンチから外さなければならないのである。だが負けられない試合であることを考えれば、例えば三人目の捕手か、あるいは右の代打要員を登録して、劣勢の場面での登板しか考えられない矢貫俊之をベンチから外す異例の人選をして欲しかった。ジャイアンツのファームは優勝してファーム日本選手権を控えているが、イースタン・リーグ全日程を昨日終えているので一軍補充に支障のある選手はいないはずだ。



試合はスタンドの雰囲気も異様な、この時期ならではの緊迫した空気が漂っていた。CS放送、フジテレビONEの「プロ野球ニュース」では「勝った方が優勝という試合みたいな雰囲気だった」と評されていたが、その裏側で試合に臨む準備、布陣という時点で残念ながらジャイアンツはスワローズの後塵を拝した感じがする。


リーグ最低のチーム打率で、とにかく点を取れない今季のジャイアンツ。それを何とかしようと、原辰徳監督は打線の中心、四番打者をころころ変えるのを始め、とにかく攻撃力をアップしたいために捕手を一人減らして内野手、外野手を増やしたり、打撃好調とみるや立岡を今季はファームでも一度も守っていない二塁で起用したり、控えの野手が左打者ばかりになったり。そんなアンバランスな布陣で何とかやりくりして首位のスワローズにあと一歩のところまで迫ったが、肝心の大一番でそこを相手の真中監督に突かれた形になったと考えるのは妄想が過ぎるか


残り5試合のスワローズにマジック3が点灯した。ジャイアンツは104日にもう一度スワローズと対戦が残っているが、仮に全部勝ったとしても、その前にスワローズが優勝を決める可能性があると言うことだ。



だがジャイアンツがやるべき事はただ一つ。とにかく残り試合に全部勝つことだ。試合後の東京ドームでは「CSで逆転日本シリーズ進出に賭けた方がいい」等という声もチラホラ聞かれたが、今日でタイガースにリーグ優勝の可能性が消えてセ・リーグの優勝争いはスワローズとジャイアンツに絞られたとはいえ、まだジャイアンツは2位すら確定していないのだ。つまり東京ドームでクライマックスシリーズを戦える保証はまだないのだ。ジャイアンツは勝ち続けるしかないのだ。


そして、104日の最終戦を「世紀の一戦」にするために、スワローズに間接的にプレッシャーをかけるしかないだろう。


104日のスワローズ戦が単なる最終戦になってしまうか、それとも「世紀の一戦」になるのか?この試合は両チーム共に今季最終戦。今度こそ「勝った方が優勝という試合」になって欲しい。


敗戦処理。は今年もジャイアンツの本拠地最終戦を生観戦の予定だ。

 

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