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2015年12月28日 (月)

東都大学野球連盟、来春から1、2部統合か!?

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来年、創立
85周年を迎える東都大学野球連盟が揺れている。東京六大学には無い、入れ替え戦でしのぎを削るサバイバル争いによるレベルの高さが一つの売りになっている東都大学野球連盟だが、来春から1部と2部を統合して12大学によるリーグ戦に改めようとの動きがある。


だが、今年の秋季リーグと明治神宮大会を制した亜細亜大学の生田勉監督が1、2部の統合に異議を唱えるなど、一筋縄には行かなさそうだ。かつては東都大学リーグにはまった敗戦処理。としても気になる話題だ。

 

東都大学野球連盟は1部から4部まで計21大学で成り立ち、上位のリーグ最下位と下位のリーグの優勝大学との入れ替え戦が売りの一つで、それ故にレベルが高く「戦国東都」の呼び名が定着し、5年先輩の東京六大学に決して引けを取らない実力と言われている。

 

(写真:神宮第二球場が使用出来なくなり、当該大学のグラウンドでリーグ戦を行う東都大学連盟2部。 青山学院大学淵野辺グラウンド=20159月撮影)



「かつては東都大学リーグにはまった」と書いたが、最もはまっていた時期は今から三十年ほど前。当時から「戦国東都」の異名を持ちながら、歴史と伝統で上を行く東京六大学リーグと比較すると、1部リーグに限って言えば東京六大学に引けを取らないレベルにもかかわらず、東京六大学と同じく神宮球場を使用するものの週の内五日間は六大学に使用の優先権があるなど、存在は地味。プロ野球に例えれば東京六大学がセ・リーグで東都はパ・リーグ。早慶戦は巨人対阪神という印象。


東都リーグの優勝のかかった一戦が、雨で順延した早慶戦に押し出され、隣接するゴルフ練習場を併設した神宮第二球場に押しやられた時には、それこそ当時のパ・リーグの試合以上にガラガラのスタンドで、隣の神宮球場の大声援を耳にしながら寂しい観戦をしたものだ。

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三原昇、阿波野秀幸、佐藤和弘
(後のパンチ佐藤)、関清和、河野博文、新谷博、和田豊、長富浩志、古川慎一、小川博、斉藤学、南渕時高
「鉄腕松浦」なんてのもいた個性豊かな選手達がグラウンドを翔ていたが、端から見ていても、東京六大学に比べるとどうしてもマイナー感が否めなかった時代だ。


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東都の1部と2部は神宮球場で試合を行うが、神宮第二球場で試合を行うかなどの格差があり、1部の大学は優勝争いの常連大学であっても、優勝という目標の前に、まず最下位に落ちないこと、即ち入れ替え戦で2部落ちの可能性を回避することが主目的になるという実態があって、万一最下位に沈んだ場合、二戦勝ち抜き制の入れ替え戦(NPBのクライマックスシリーズ、ファーストステージの方式)は優勝のかかる対戦並みに盛り上がる。3部、4部になるともっと悲惨で、専用の球場はなく、各参加大学のグラウンドで持ち回りになる。



ところが近年、2部リーグまでもが神宮第二球場で試合を行えなくなり、冒頭の写真の様に当該大学のグラウンドでホーム&アウェイ方式で対戦するようになっている。3部、4部はともかく、2部リーグの各大学の移動などの負荷を軽減するには、神宮球場で1、2部を統合して12大学で行おうという構想が出たのだ。


因みに今秋のリーグ戦で2部に所属したのは東洋大、青山学院大、国士舘大、東京農業大、拓殖大、立正大。
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侍ジャパンを率いる小久保裕紀や、現マリーンズの井口資仁、セ・リーグ優勝の立役者、石川雅規らを排出し、今年のドラフト会議でも外野手の吉田正尚がバファローズからドラフト
1位に指名される近年の強豪、青山学院大学が2部に落ちていることからも、リーグ全体のレベルの高さと、名門大学でもあぐらをかけない競争の厳しさをうかがわせる。


だが、この統合に異議を唱えたのが秋季リーグを制し、各リーグの覇者同士で競う明治神宮大会をも制して今年の大学野球日本一に輝いた亜細亜大学の生田勉監督だ。生田監督は優勝祝賀会でこう語った。


「来年、東都連盟は85周年を迎えるが、六大学連盟は今年、90周年を迎えた。東都の先人の監督方は六大学に追いつき、追い越せでリーグを活性化してきた。そういうなかで12チームでやろうというのは反対。改革ではなく、やり方に私は反対です」


極めて正論だ。やはり、
1部と2部の入れ替え戦があってこその東都だろう。1部の6位と2部の1位に天と地ほどの格差があるからこそ、厳しい競争下にあるからこその「戦国東都」だろう。12大学統合リーグで、6位と7位に差を付けることは難しいだろう。


だが、神宮第二球場を追われ、代替えの専用球場を見つけられずに各大学のグラウンドを持ち回りというのはかなり厳しい環境であることは想像するに難くない。都内に、日程を確保出来、有料で収入を得られる施設が見つからなかったからの現状であろうから、一朝一夕には解決しない問題ではあろうが、亜大の生田監督の思いの様に、入れ替え戦のある
1部から4部の方が東都らしいだろう。


東都大学野球連盟は、来年1月14日に臨時運営協議員会、臨時理事会を開くことを決めた。どういう結論が出るだろうか…

 

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コメント

サフラン様、コメントをありがとうございます。

> 東都2部リーグの試合運営上の問題に端を発した1部・2部統合案ですが統合でこの問題が解決するのならば僕は賛成の立場を取ります。

いろいろと書き連ねて下さっていますが、それらを読む限りでは統合案で解決しそうにないですね…。

やはり最大のネックは神宮球場をメインにすることで、試合のたびに各地を転々とすることは避けられたとしても、過密日程になりそうなことですかね。

東京六大学によって使用日に制限がかけられ、一日に三試合を行えれば日程は緩和されますが、スワローズのナイトゲームと重なったら無理。

統合の具体的な構想がわかっていない現時点では、否定的に私はなってしまいます。


> 大学野球でも退学しない限りは4年間ずっと同じチームで基本移籍はできません。大学入学時1部の大学に入ったものの降格し、大学4年までずっと2部を余儀なくされる選手が生まれてしまうシステムは一選手の立場からしたらかなり理不尽な制度とも言えます。

これは、失礼ながら後段でサフランさんが論評している「昨今野球を観る側にプロとアマの意識が希薄になりつつある」に当てはまるのではないでしょうか?

大学対抗というリーグ戦で1部、2部という格付けのあるリーグに所属していれば、避けられない話しだと思います。

> また大学野球の抱える問題として投手の酷使が挙げられます。投手の酷使と言えば高校野球というイメージですが2戦必勝勝ち点制の大学野球でもやはり存在します。最近では東都入れ替え戦の3試合全てで登板し計285球を投げた原樹理が記憶に新しいところです。一人の投手に野球部の未来を賭けてしまうような試合が存在することは制度面で解消していくべきではないでしょうか。

これは難しい問題ですね。おそらくは入れ替え戦だけの問題ではないでしょうから。

通常のリーグ戦でも三連戦で二勝勝ち点方式ですから。

この問題を解決するには、リーグ戦の各カードの第三戦を、第二戦との間に設けるのが良いと思います。

そしてそれを可能にするには、日程に融通の利くグラウンドを抑えること。それを優先させるとすると、専用球場の確保が困難ならば、現行の2部以下の様に各大学のグラウンドを使うのがベターでしょうね。

より勝負に執着する入れ替え戦での酷使が問題なら、入れ替え戦を1試合勝負にするのが一番。なおかつ延長戦はやらないか少なくして、タイブレーク方式。

選手、学生の身体を守ることを最優先に考えたら、そう考えた方が良いでしょう。1部リーグも神宮を出た方が良いのかも?

ただ、大学野球もリーグ戦の先には明治神宮大会のような、全国の各リーグの覇者との戦いがあり、国際大会もあります。

本当に選手達が「安全第一」のプログラムで満足するのか?「俺は野球の腕を磨いて、野球で飯を食いたい」と思う高校生がそのリーグに集まるかという問題は残るでしょうけれど。

> 話が飛び飛びになってしまいましたが、まとめると改革は選手のため、またそれと同時に学生のためという観点で進めなければならないものというのが僕の意見となります。

ひとくちに選手のため、学生のためと言っても…難しいですね。大学のリーグ戦で選手生命のピークを終える様な負荷を強いることが良くないのは当然だとしても、私も正直、結論が出せません。

投稿: 敗戦処理。 | 2015年12月31日 (木) 13時35分

東都2部リーグの試合運営上の問題に端を発した1部・2部統合案ですが統合でこの問題が解決するのならば僕は賛成の立場を取ります。

この改革での最大の関心事はおそらく1部・2部間の入れ替え戦の廃止についてですが入れ替え戦こそが東都の最大の魅力と考えている東都大学リーグファンからしたらもうそれだけで反対を叫んでいることでしょう。

ただ僕はこの大学野球の入れ替え戦を始めとした大学野球の選手への過度の負担をかける制度はこの機会に改めたほうがいいのではと考えています。

根本的な話になりますがそもそも入れ替え戦自体、1位になる可能性も最下位になる可能性もあるようなリーグでは馴染まないものです。特にサッカーと違い戦力の均衡した野球は特にそうです。また競技性以上に問題となるのは契約です。

例えばサッカーであれば完全に自由競争なため移籍が自由にでき降格したクラブから上位ディビジョンへのクラブの移籍が可能ですがプロ野球に置き換えるとそのようなことはFA選手でない限りできません。そのため昇格・降格制というのは本来自由競争がセットの制度です。

大学野球でも退学しない限りは4年間ずっと同じチームで基本移籍はできません。大学入学時1部の大学に入ったものの降格し、大学4年までずっと2部を余儀なくされる選手が生まれてしまうシステムは一選手の立場からしたらかなり理不尽な制度とも言えます。

また大学野球の抱える問題として投手の酷使が挙げられます。投手の酷使と言えば高校野球というイメージですが2戦必勝勝ち点制の大学野球でもやはり存在します。最近では東都入れ替え戦の3試合全てで登板し計285球を投げた原樹理が記憶に新しいところです。一人の投手に野球部の未来を賭けてしまうような試合が存在することは制度面で解消していくべきではないでしょうか。

2014年、首都大学リーグで一部リーグの校数を増やす際に勝ち点制を勝率制に変更するという動きがありました。もっとも結果的には元に戻すことになりましたが、同じ勝ち点制でも1勝1敗での3戦目を月曜日ではなく翌週末に回すなど学生目線の改革の動きも出てきました。このことは東都でもリーグ改革するにあたっては参考になることだと思います。

僕の主張ははっきり言って選手寄りで、選手が大変でもそれで生まれる面白い試合を見たいという大学野球ファンを声をないがしろにしていると思われるかもしれませんしが根底にプロスポーツであるプロ野球とアマチュアスポーツである大学野球は一線を引くべきという考えがあります。プロスポーツはファンのためのものですが、アマチュアスポーツは選手のためのものアマチュア球界で双方の利益が相反する問題ではこの原則に立ち返るべきなのです。

これは高校野球にも言えることで選手保護の観点から出た改革案が仮に高校野球ファンにとって不利益(つまらなくなる)なものだったとしてもプレーする選手のための改革は断行すべきものと言えます。

話が飛び飛びになってしまいましたが、まとめると改革は選手のため、またそれと同時に学生のためという観点で進めなければならないものというのが僕の意見となります。
昨今野球を観る側にプロとアマの意識が希薄になりつつある今改めてそのことを強く思いました。今回も長々と失礼しました。

投稿: サフラン | 2015年12月31日 (木) 01時28分

白山GK様、コメントをありがとうございます。

> 私事でありますが、3年間も都内から川越(鶴ヶ島)まで通いますと、非常に辛い思いもございました。

やはり、学校ごとのグラウンドで試合を行うリスクというのは小さくないのでしょうね。

> 勝てば官軍の生田監督の意見には、簡単に同意しかねます。

生田監督の発言が「勝てば官軍」的な発想なのか、わかりかねますが、現場の意見は大事にしなければならないでしょう
(もちろん生田監督の意見が現場の多数意見だとは限りませんが)

> 東京五輪等の外的要因も考えて、納得できる結論を出してほしいものです。

そうですね。来年(次のリーグ戦)をどうするかも重要ですが、確実に来る東京五輪後も併せて見据えた解決策があればいいですね。

問題なのは、1部と2部が統合しただけで解決するとは限らないのではないかということです。

今でさえ、東京六大学優先の日程で東都はそのあおりを受けているのに、大学数が倍の12大学になって神宮で試合を行えるのかと言うこと。

神宮第二球場に代わる「常打ち球場」を見つけられれば解決する問題で、統合は、それが見つからないから神宮球場に相乗りしようという感覚に思えます。

> 巨人も近い将来、築地市場の跡地へ新球場を造るでしょうから(希望的観測)、東京ドームの利用なども考えてほしいものです。

この話、どこまで本当なのでしょうか?

巨人に、東京ドーム以外の野球場で主催試合をするメリットがあまり思い浮かびませんし、その野球場は採算が取れるのでしょうか?

12月の頭に東京ドームシティに行って、ドーム球場のスケジュール表を見ましたら、一ヶ月の半分はイベントが入っていませんでした。

巨人が野球で使用するのはせいぜい80日程度で、年間の四分の一も埋まりません。そんな状況で東京ドームに代わり得る施設が作られても、東京ドームとの興行の奪い合いで上手くいかない様に感じています。

投稿: 敗戦処理。 | 2015年12月30日 (水) 16時06分

【追伸】別の考え方として・・・

巨人も近い将来、築地市場の跡地へ新球場を造るでしょうから(希望的観測)、東京ドームの利用なども考えてほしいものです。

投稿: 白山GK | 2015年12月30日 (水) 15時38分

御説誠に御尤もと存じます。

しかし、私事でありますが、3年間も都内から川越(鶴ヶ島)まで通いますと、非常に辛い思いもございました。

勝てば官軍の生田監督の意見には、簡単に同意しかねます。

東京五輪等の外的要因も考えて、納得できる結論を出してほしいものです。

投稿: 白山GK | 2015年12月30日 (水) 15時33分

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