社会人野球、独立リーグ退団者を一年間受け入れず。
社会人野球を統括する日本野球連盟は、独立リーグを退団した選手を、退団後一年間は登録を認めないことにしたと発表した。
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先週、日本で三つ目のプロ野球独立リーグ、関西独立リーグに存続の危機が訪れていることが判明した。運営事務局の株式会社ステラから所属四球団への分配金が支払われず、その目途も立っていないことから問題が表面化。運営事務局が撤退し、所属四球団が協力して資金集めに奔走することになったがその前途は明るくない。「ナックル姫」こと、吉田えり が日本プロ野球史上初の女性選手誕生ということで脚光を浴びている関西独立リーグだが、リーグ戦スタートから約二ヶ月で早くも存続の危機を迎えた。
NPB十二球団もほとんどが赤字で、社会人野球では歴史と伝統のある大会の開催を見直す可能性もある惨状。「百年に一度」と言われる世界的大不況下で独立リーグの運営が順調に行かないのは無理もないが…。
そして、もう一つ存続の危機に立たされている野球が…。
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今日11日のイースタン・リーグチャレンジマッチはライオンズのファームとフューチャーズの対戦が予定されているが、8日付の日刊スポーツによるとフューチャーズの先発予定はジャイアンツの門倉健だという。敗戦処理。は以前にジャイアンツが新外国人、大リーグ通算30勝のGGをフューチャーズの先発で起用した時に当ブログ6月3日付「それは違うだろう?ジャイアンツの新外国人GGがフューチャーズの先発投手として登板」で異議を唱えたが、声届かず今度はFA移籍したものの不調で二軍落ちしている選手をフューチャーズに派遣するという。これは明らかに、フューチャーズやイースタン・リーグチャレンジマッチの趣旨に反している。門倉が故障明けの登板だろうが問答無用。門倉に登板機会を与えたいのであればジャイアンツは同日に行われるイースタン・リーグ公式戦、対ゴールデンイーグルス戦に投げさせれば良いだけの話である。いくらジャイアンツとマリーンズの尽力で立ち上げられた試みとはいえ、ジャイアンツに好き勝手に使われるのを他球団は見過ごすのか?
と、ここまでなら「それは違うだろう?ジャイアンツの新外国人GGがフューチャーズの先発投手として登板」と同じことの繰り返しなので、今回は少し視点を変えてみる。
2004年の合併騒動で露呈した様々な問題から、少しずつではあるが球界は新しい試みに挑んでいる。チャレンジマッチもその一つで、イースタン・リーグの球団数が奇数になって試合を組めないチームが出来るため、対戦相手を、出場機会を得られない選手を集めて作ってしまうという発想だ。またプロ野球ばかりでなく、社会人野球の衰退が叫ばれる一方で四国に独立リーグ、四国アイランドリーグが設立され、今年からは北信越ベースボールチャレンジリーグもスタートした。これらの試みは野球というスポーツの裾野を広げるという意味で、問題を抱えながらも前進している。そんななかでマリーンズはプロアマ問題で規制の多い既存のアマチュア組織ではなく、四国アイランドリーグとの提携を本気で考えているようだ。チャレンジマッチにしろ、四国アイランドリーグとの提携にしろ、ジャイアンツやマリーンズの相当な危機感の表れと推測できる。
「今まで通りではダメだ。新しいことに挑戦し、活路を見いだそう」
そんな姿勢が感じられる。
他の球団はどうだろうか?
スワローズが球団名に「東京」を冠したのは、東京都を地元としながら、その雑多な人口構成から地域密着を徹底するのが難しいと思われていたところへ、目の上のたんこぶであるジャイアンツの正式名称から「東京」が消えてビジターユニからも「TOKYO」が消え、ファイターズ球団が出ていったため一気に勝負を賭けたものだ。観客動員では相変わらず苦戦を強いられているが、もともと応援団は得点のたびに「東京音頭」を歌い上げ、かつて球団が企画したZEEBRAのHIP HOPに乗った応援など風化させるほどなのでファンも「東京」であることに一定のこだわりを持っているからいつか結実するであろう。
ファイターズは移転三年目で天下を取るに至る過程で北海道民のハートを完全につかむ一方、ファームの本拠地、千葉県鎌ヶ谷市でも地域密着を推進している。人より梨の方が多く<?>、ナイトゲームをまったりと観たいという地元ファンよりも梨畑に虫が集まることを憂慮してナイトゲームを認めない土地柄で今後さらに地域密着を図れるか見物だ。
親会社のお家騒動があったり、親会社の株を乗っ取られそうになったりして、それどころではないような球団もあるが、ネーミングライツなど新たな収入源を確保してチーム再建に活路を見いだそうとしているライオンズも、旧体制の呪縛から抜け出そうという新たな試みと言えなくもない。ただ、ネーミングライツで組む相手や、バックネット下の広告主などパートナーに恵まれていない気も…<苦笑>。
そんな中で、特に積極的なアクションをしているのがマリーンズ。
四国アイランドリーグとの提携関係を強化しようとしている件では先日もボビー・バレンタイン監督がややフライング気味ながら、四国アイランドリーグの一球団をマリーンズが傘下に収め、マリーンズはドラフトで大量の育成選手を指名して入団させ、四国アイランドリーグに彼らを派遣して腕を磨かせるという構想を披露した。現状では野球協約などで超えなければならない壁が多く非現実で時期尚早な構想のようだが、これが現実味を帯びてくると、もう一つの独立リーグ、北信越BCリーグに対しては、同じパ・リーグのファイターズが、かつてファイターズのチーム統括本部長などフロントの要職を歴任した三沢今朝治氏が球団社長を務める信濃グランセローズにアプローチをするだろう。そしてそうなると自称・球界の盟主、ジャイアンツ球団も黙ってはいまい。四国ILと北信越BCリーグを抑えられたジャイアンツは早稲田大学硬式野球部を傘下に収め、「ハンカチ王子」を獲得出来る抜け道を考えるだろう<冗>。
早大野球部買収はもちろん悪い冗談だが、3日に行われたドラフト制度検討委員会ではカープ球団が、選手の希望が叶う可能性を残した独自の新ドラフト案を提示したという。敗戦処理。的にはドラフト制度に関しては当ブログ3月18日付で取り上げた「敗戦処理。的新ドラフト案-入札+アドバンテージ付き抽選方式」を強く提案したいところである。手前みそながら悪くない方式だと考えているが、現状約一名の賛同しか得ていない。このように各球団がそれぞれに危機感の元、独自の構想を持ち、公の場で提案して議論するというのは良い傾向だろう。いささか遅きに失せた感があるにせよ。
そして球団数が奇数になったのはイースタン・リーグだけでなくウエスタン・リーグも同様だ。こちらも何らかの手を打ってくるだろう。イースタンより二球団少なく、興行に支障を来すという点ではイースタンより深刻なはずだから。
チームが優勝を目指して闘い、華のある選手がグラウンドを駆け回るだけでは抜本的な観客動員増、収入増には結びつかない。ジャイアンツは勝っても勝っても視聴率が下がる一方。視聴率が見込めなければ、ジャイアンツだけでなくジャイアンツ戦の放映権料を収入の柱としているセ・リーグ各球団にも大きな打撃だ。一度は全体最適を考えて交流戦の実施に仕方なく賛成したセ・リーグ各球団が交流戦の試合数減にこだわったのは収入の柱であるジャイアンツ戦やそれに次ぐ人気のタイガース戦を手元に取り返したいからだったが、もはやジャイアンツ戦で巨額の放映権料は見込めない。
冒頭で書いた、ジャイアンツによるフューチャーズの私物化とも思える行為は、フューチャーズの立ち上げに尽力したジャイアンツだから許される側面があろう。これからいろいろと考えられ、企画される新しい試みも、最初に言いだした者に有利に運ばれることはあるだろう。より大きな声で騒いだ者が勝ちという側面はどんな世界でもある。思い出したくもないが、2004年の球界再編騒動のさなかで当時のライオンズ堤義明オーナーが明らかにした「パ・リーグでもう一組の合併の動きがある」という動きではマリーンズ球団はパ・リーグ他球団との合併を受け入れる覚悟はあったという。またジャイアンツの滝鼻卓雄オーナーや、清武英利球団代表は前任オーナーのような「ならば新リーグを作るぞ!」的な恫喝的手法とは明らかに異なる、したたかさを持っている。もはや「寄らば大樹の陰」は通用しない。今はアイディアを出し合う時期だ。ジャイアンツとマリーンズ以外の球団も遅れを取るな!
P.S.
所沢でのフューチャーズ戦が天候不良で中止になるかもしれないので、試合より先にアップしました<苦笑>。
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